ドライブ中燃料が減少。どれだけ減ったら給油する?
「JAFMate総研」では、交通事情から日常の気になる小さなことまで、さまざまなジャンルのアンケートを行い、その結果を分析。世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにしていきます! 今回は「給油をするタイミング」について、JAF会員の回答を分析しました。
最も多かったのは
「4分の3まで減ったら給油」
ドライブしていると、基本的に避けては通れないのがガソリンスタンドでの給油。ドライバーは、どの程度燃料が減ったら「給油をしよう」と判断するのでしょうか? JAF会員に、給油をするタイミングについて聞きました。
あなたは、燃料がどの程度減ったら給油しますか?
最も多かったのが「4分の3減ったら」というもので、「半分になったら」「3分の2減ったら」が続きます。ドライバーの7割超が、燃料が半分から4分の3まで減った段階でガソリンスタンドに向かっていることがわかりました。
給油するタイミングについて、JAF会員のコメントをみていきましょう。
1位:4分の3派の意見
- 子連れの生活は、スタンドに行く手間が大変なので、できるだけギリギリまでガソリンを使い切ります。(山形県・男性・40歳代)
- 忙しいから。まとめて入れるとポイントがたくさん付くので。(愛知県・女性・50歳代)
- 何回も入れに行くのは面倒だが、警告灯が点くのは怖いからその手前くらいで入れたい。(鹿児島県・女性・20歳代)
2位:半分派の意見
- 半分のタイミングで給油すれば、ガソリンスタンドの景品プレゼントなどがあるから。(広島県・男性・40歳代)
- 常に満タンに近い状態にしておきたいから。いつ遠出しても慌てないようにしています。(宮崎県・女性・60歳代)
- 若い頃は警告灯が点いても走っていたが、最近は半分ほどで入れることにしている。安全第一。ガス欠の経験はない。(東京都・男性・60歳代)
3位:3分の2派の意見
- 3分の1になると目的地までの往復の途中で給油しないといけなくなるため。(北海道・男性・30歳代)
- おおむね3,000円くらいだから、目安にしやすい。(京都府・男性・50歳代)
- 毎週日曜日がガソリン3円引き。1週間で3分の2減るから。(岡山県・男性・50歳代)
4位の燃料警告灯が点いたら派の意見には、「車の自重を減らすため」「燃費計算のため」「面倒だから」「ガソリン単価が上がったから」のほか、
- 燃料警告灯が点く少し前に給油している。ガソリンが古くならないように極力使い切りたいから。(東京都・男性・20歳代)
- 空の状態から満タンにすることが、なんとなく気分が良いから。(東京都・男性・50歳代)
- 車体が軽い時間を長く取りたいから。(島根県・男性・30歳代)
といったコメントがあり、ドライバーがそれぞれベストと考えるタイミングで給油をしていることがわかりました。
北の地域はより早い!
給油するタイミングに地域性は?
給油するタイミングについて、回答の割合が多かった都道府県をそれぞれ5位まで並べてみました。
半分になったらという慎重派は、北海道から東北地方にかけての、主に太平洋側に分布。燃料警告灯が点いたらというギリギリ派は、中国地方で多い傾向であることがわかりました。
分析を進めていくなかで印象に残ったのは、給油するタイミングには地方差があるということ。
白地図を用意し、半分になったらが1位だった自治体をピンク、4分の3が1位の自治体を水色で塗ったところ、下のような日本地図が出来上がりました。北海道から東北地方はピンクが広がり、関東甲信越から西は水色が広がっています。ただし、東北地方でも秋田県は4分の3派が多いため水色に、逆に高知県は半分派が多いことからピンクに染まる結果となりました。
「半分派」は北に多く、「4分の3派」は西に多い
半分で給油する地域では、東日本大震災や豪雪など、大規模な災害の際に給油できず困ったことがきっかけで、なるべく早いうちに給油をするようになった、というコメントが多くみられました(下記参照)。前述のように、半分を残して給油するというドライバーが北海道から東北地方にかけて多く、特に宮城県は4割強と多かったのは、このような災害の経験によるものとみられます。
- 東日本大震災などのときに給油するのに苦労し、日々地震の発生のおそれがあるため。(宮城県・男性・30歳代)
- 冬場に交通渋滞にあって困ったことがあったので、なるべく早めに給油します。(北海道・男性・80歳代)
- 2018年に北海道胆振東部地震でブラックアウト(大規模停電)になったとき、車でスマホを充電したりテレビを見たりして助かったのですが、そのときあまりガソリンが入っておらずヒヤヒヤしました。ブラックアウトが収まり、ガソリンを給油しに行ったときもスタンドが混み合って大変だったため、余裕を持って給油するようにしています。(北海道・女性・40歳代)
もうひとつ気になるのが、周囲とは異なる結果となった秋田県と高知県。なぜこのような結果になったのでしょうか。再びコメントをみていきましょう。
- ある程度まとめて給油したほうが楽だし、あまり少量の給油だとスタンドの人にも手間で申し訳ない気持ちになるから。(秋田県・男性・40歳代)
- ギリギリまで走り、満タンに給油した方がお得に感じるから。(秋田県・女性・20歳代)
- なるべく使い切りたいし、住んでいるところにはガソリンスタンドがたくさんあるから。(秋田県・男性・50歳代)
秋田県のドライバーは近県と比べて、給油の回数をできるだけ減らしたいと考えている層が多いのかもしれません。
一方、高知県は、近く発生するであろうと言われている南海トラフ地震といった災害に備えてというコメントが、半分で給油する人の大半を占めていました。
- 地震などの災害が起きたときに困らないようにするため。(高知県・女性・30歳代)
- もしものことを考慮して半分で給油している。(高知県・男性・60歳代)
さらに、編集部ではこの声にも注目しました。
- 高知県で災害時のために、推奨されているから。(高知県・男性・60歳代)
高知県では、南海トラフ地震の発生でガソリンスタンドが被災すると、車への給油が困難になることが予想されることから、2020年から「車の燃料が半分になる前に満タン給油」するように呼びかけています。そのような呼びかけも手伝って、半分派が多くなったものと思われます。
ガス欠は車にダメージ!
長距離移動時は早めの給油を
燃料警告灯が点くまで給油をしない方に、特に注意していただきたいのはガス欠です。近年、高速道路ではSA・PAのガソリンスタンドの閉鎖が進み、200㎞程度先までガソリンスタンドがないという区間もあります。高速道路でのガス欠は道路交通法違反に問われるほか、重大な事故の原因にもなることも。ガス欠を繰り返すと摩擦熱や摩耗によって燃料ポンプのモーターが故障したり、燃料パイプのラインに空気が入ることでエンジン不調を招いたりすることもあるのです。
長距離の移動をする際や、大雪による立ち往生が発生しがちな冬季は特に、燃料に余裕のあるタイミングでの給油をおすすめします。
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