阪神高速5号下りで渋滞最後尾への追突重大事故が多発! なぜ事故は起こった? 阪神高速が注意を呼びかけ
深江浜出入口~住吉浜出口付近で事故続く阪神高速道路株式会社は、2024年に阪神高速5号湾岸線下り(西行き)で、渋滞最後尾に車両が追突する死亡事故が立て続けに2件発生したことを受け、注意喚起を行っている。 渋滞最後尾への追突は死亡・重傷事故となる可能性も高く、非常に危険である。同社は渋滞最後尾での追突事故の主な原因として、前方不注視、脇見、速度超過、車間距離不足などを挙げ、安全運転を呼びかけている。
阪神高速5号湾岸線下りで2024年に2件の死亡事故発生
2024年1月と7月、阪神高速5号湾岸線下り、深江浜出入口から住吉浜出口付近までの追い越し車線で2件の死亡事故が発生した。
この区間は、阪神高速が実施している安全への取り組み「アクションプログラム」において、2013年度から2015年度における事故率に基づき「事故多発区間」に定められていた。また、2件の死亡事故が発生した区間は渋滞多発区間にも定められている。
渋滞時における高速道路の事故リスクは、自由走行時の約7倍という独自の調査結果もあることから、同社はこれからも重大な事故が増えるのではないかと懸念されている。
同社は渋滞を減らす取り組みとして、「サグ(下り坂から上り坂に差し掛かる凹部のこと)の手前から壁面に水平ラインのペイント」や、光の流れを活用した「速度回復誘導灯」の活用などをすでに実施中だ。
2件の事故が発生した区間では、さらに本線及び入口で情報板による注意喚起を行っているほか、南芦屋浜PA出路と本線合流部付近にも置き型仮設情報板を設置して、注意喚起を実施している。
阪神高速5号線住吉浜出口で渋滞が発生しやすい理由
今回、注意喚起がなされている住吉浜出口付近は、ハーバーハイウェイへの連絡路の1車線運用による交通容量不足や、上り勾配による速度低下とが複合的に影響して、阪神高速道路の中でも渋滞が発生しやすい箇所である。
渋滞緩和策として「大阪湾岸道路西伸部」や「淀川左岸線延伸部」などの工事が行われているが、完成にはまだ時間がかかる。
阪神高速を通行するドライバーは、最新の交通情報をチェックするなどしてよりいっそうの安全運転を心がけてほしい。
ながら運転は追突事故のリスクアップにつながる
ながら運転とは、スマートフォンやカーナビなどを操作しながら運転する行為を指す。
警察庁の発表によると、2023年における携帯電話等使用による交通事故での死亡・重傷事故件数は122件であり、2021年以降増加傾向にある。
運転中のスマートフォン操作は違反であるのはもちろん、短時間でも画面に意識が集中してしまい、周囲の危険を発見できずに重大事故につながりやすい。警察庁でも取締りや広報啓発活動を行い、スマートフォンを使用する際は必ず安全な場所に停車するよう呼びかけている。
ちなみにクルマを時速80kmで運転中、2秒間で進む距離は44.4m、3秒では66.7mだ。ながら運転は非常に危険なため、スマートフォンはもちろんのこと、カーナビの操作なども走行中は行わないようにしたい。
このほかイライラしながら運転をしないためにも、時間に余裕を持った行動を心がけよう。