JAFがサポートする小鹿野町(埼玉県)での電動車の実証運行がスタート!

本格導入に向けて、観光客のニーズや要望、課題を検証

2023年2月8日、埼玉県秩父郡小鹿野町で電動車を活用する「グリーンスローモビリティ」の実証運行が始まった。実施区間は、道の駅両神温泉薬師の湯~あずまや山福寿草園で、期間は2月21日まで(実施主体:株式会社地域商社おがの)。

グリーンスローモビリティは小さな移動サービス?

グリーンスローモビリティとは「時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス」のことで、その車両を含めた総称。地域が抱える交通等の課題解決と脱炭素社会の実現を目指して、国土交通省と環境省が導入を推進している。

JAFは2022年6月よりグリーンスローモビリティのトップシェアを誇るヤマハ発動機株式会社と協業契約を締結しており、観光振興と快適に移動できる地域社会の実現に取り組んでいる小鹿野町への導入の検討をサポート。今回が初めての実証運行となった。

道の駅両神温泉薬師の湯で行われた出発式

2月8日の出発式には、小鹿野町長をはじめ、観光協会、JAF、ヤマハの関係者などが参加。

法養寺薬師堂の前を走行する電動車

多数の文化財指定を受けている四阿屋山(あずまやさん)法養寺 薬師堂の前を走る電動車。

公共交通機関のない観光地でのニーズ、課題を検証

実証運行の目的地となるあずまや山福寿草園は、駐車場の台数に限りがあるうえ、公共交通機関では最寄りのバス停から登り坂を約2.5㎞歩く必要があるため、とくに高齢者や体の不自由な方、体力に自信がない方には負担が大きかった。そこで、開花時期に合わせて実証運行を行い、グリーンスローモビリティの社会的受容性や事業性等の調査・検証を行う予定だ。

登り坂でもパワフル。低床のため、高齢者も乗りやすい

使用車両はヤマハ製の7人乗り電動車両。3列シートで全長は約4m。取材時に6名で乗車したが、トルクがあって登り坂でもパワフルだった。基本ドアがないオープン仕様だが、雨除けカバーも装着されているので雨天時も安心。

速度が低いこともあり、自転車に乗っているかのように、風を受けながらゆっくり景色が見られる点がよかった。また、一般的なバスなどと比べて低床のため、足の不自由な高齢者や障害者にとっても乗りやすく、観光地だけでなく、公共交通機関が発達していない地域の足としても需要がありそうだ。

なお、2月21日までの実証運行期間中は予約不要で無料で乗車できる(1日最大3便)。乗車中に小鹿野町に関するクイズとアンケートに答えると、道の駅両神温泉薬師の湯の入館料が無料(1名)になるキャンペーンも実施している。

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