山間部で橋梁とトンネルの建設が進む大野油坂道路
山間部で整備が進む大野油坂道路。九頭竜IC〜油坂出入口間15.5kmは2029年春の開通を予定している(画像=国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所)

【中部縦貫道】大野油坂道路、最後のトンネルが貫通! 福井~岐阜が2029年春に開通予定

九頭竜IC〜油坂出入口の15.5kmが開通へ。大野~中京圏は約27分短縮、国道158号とは別の新ルートに

福井県大野市の中部縦貫自動車道(中部縦貫道)・大野油坂道路で、未開通区間の九頭竜IC〜油坂出入口(仮称)間15.5kmに建設中の新下半原トンネル(仮称、約230m)が、2026年6月11日に貫通した。この区間で建設されている6本のトンネルは、これですべて貫通したことになる。区間の開通は2029年春の予定で、半年程度の前倒しも目指している。開通すれば、福井北JCTから東海北陸自動車道(東海北陸道)の白鳥JCTまでが自動車専用道路でつながり、福井県と岐阜県・中京圏をクルマで移動する際の新たなルートとなる。

目次

大野油坂道路、最後のトンネルが貫通! 九頭竜IC〜油坂出入口の6本すべて貫通

新下半原トンネル(仮称)の坑内。貫通した先から光が差し込み、坑内に重機が置かれている

新下半原トンネル(仮称)は全長約230m。九頭竜IC〜油坂出入口間に建設される6本のトンネルのうち、最後に貫通した(画像=国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所 )

新下半原トンネルは、大谷トンネルと上半原トンネルの間に位置する全長約230mのトンネルだ(名称はいずれも仮称)。九頭竜IC〜油坂出入口間には6本のトンネルがあり、2022年11月の上半原トンネルから順に貫通してきた。6本のなかで最も短い新下半原トンネルが最後まで残っていたが、今回の貫通で区間内のトンネルはすべて貫通した。

ただし、トンネルの貫通後も工事は続く。掘削を終えたトンネルでは、覆工コンクリートなどの内部工事を実施するほか、区間内では橋梁の工事も進められている。2026年8月末時点では、箱ケ瀬西高架橋や新林谷橋、向中ノ瀬橋で橋桁などの上部工事、新子馬巣谷橋では橋脚などの下部工事が進行中だ。

大野油坂道路は2029年春に全線開通予定。なぜ当初計画から約3年延期?

大野油坂道路の大野IC〜油坂出入口間と、九頭竜IC〜油坂出入口間の未開通区間を示した位置図

大野油坂道路は全長約35.0km。このうち大野IC〜九頭竜IC間19.5kmは開通済みで、残る九頭竜IC~油坂出入口間15.5kmは2029年春の開通を予定している(画像=国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所 )

大野油坂道路は、大野市東市布から大野市中津川に至る約35.0kmの自動車専用道路だ。すでに大野IC〜九頭竜IC間の19.5kmが開通しており、残るのは今回トンネルが貫通した15.5kmとなる。

区間 距離 開通
大野IC〜勝原IC 10.0km 2023年3月19日開通
勝原IC〜九頭竜IC 9.5km 2023年10月28日開通
九頭竜IC〜油坂出入口(仮称) 15.5km 2029年春開通予定

6本のトンネルはすべて貫通したものの、九頭竜IC〜油坂出入口間の開通は2029年春を予定している。これは、大規模な構造物の工事が順調に進んだ場合の見通しで、現在は工程を短縮し、半年程度の前倒し開通も目指している。

この区間は、当初2026年春の開通を予定していたが、新子馬巣谷橋の建設中に大きな地すべり面が見つかった。橋脚の基礎が予定通り進まないほか、完成済みの橋台が沈下するといった課題が発生。対策工事に約2年、調査や設計に約1年を要することから、2025年3月に開通予定が約3年延期され、2029年春へ見直された。

福井〜岐阜が自動車専用道路で直結。大野〜中京圏は約27分・約51km短縮へ

中部縦貫自動車道と北陸道・東海北陸道・中央道の接続位置を示した高速道路ネットワーク図

九頭竜IC〜油坂出入口間が開通すると、福井北JCTから東海北陸道の白鳥JCTまでが自動車専用道路でつながる(画像=国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所 )

中部縦貫道は、福井市と長野県松本市の間、約160kmを結ぶ自動車専用道路として整備が進められている。北陸自動車道(北陸道)、東海北陸道、中央自動車道(中央道)の3本の高速道路をつなぐ計画で、福井市側では福井北JCT〜九頭竜IC間が開通済みだ。

残る九頭竜IC~油坂出入口間15.5kmが開通すると、供用中の油坂峠道路と合わせ、福井北JCTから東海北陸道の白鳥JCTまでが自動車専用道路でつながる。

開通によって大きく変わるのが、福井県と中京圏のクルマでの移動だ。大野市役所から一宮JCTまでは、現在の北陸道・名神高速道路(名神)経由で約2時間10分、約179km。開通後に中部縦貫道・東海北陸道を利用すると約1時間43分、約128kmとなり、所要時間は約27分、走行距離は約51km短縮される見込みだ。

大野市周辺を訪れる県外観光客は中京地区からが最も多く、移動時間や走行距離の短縮による観光面での効果も期待されている。

国道158号は10年で35回通行止め。大野油坂道路で安定した交通確保へ

福井県大野市仏原地区の国道158号付近で発生した雪崩

大野油坂道路と並行する国道158号では、大雨や積雪、土砂災害などによる通行止めが過去10年間に35回発生している(画像=国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所 )

現在、大野市から岐阜県方面へ向かう国道158号では、過去10年間に大雨や積雪、土砂災害による通行止めが35回発生している。また、大野油坂道路の区間と並行する国道158号には、急なカーブなどの走りにくい箇所が74か所ある。

大野油坂道路が開通すれば、こうした区間を避けて自動車専用道路を走行できるようになり、大雨や積雪などの影響を受けやすい山間部で、より安定した交通の確保が期待される。

また、中部縦貫道が東海北陸道とつながることで、北陸道が大雪などで通行止めになった際には、別ルートを選択できるようになる。

最新の工事状況は福井河川国道事務所公式ウェブサイト で公開されている。福井と岐阜を結ぶ新たなルートの完成に向けて、今後の工事進捗に注目したい。

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