新型エルグランドの福祉車両が早くも登場! アジア最大級の福祉機器展|自動車交通トピックス
文/写真=萩原文博

新型エルグランドの福祉車両が早くも登場! ノアやタントも集結したアジア最大級の福祉機器展

介護や送迎を支える福祉車両の進化に注目。運転免許不要の近距離モビリティも続々登場

第53回国際福祉機器展&フォーラム(以下H.C.R)が2026年10月7日~9日、東京ビッグサイト(江東区有明)で開催された。福祉車両と聞くと障害者向けの車両と考えがちだが、超高齢社会の日本では介護という社会課題もある。そうした背景もあり、イベントの来場者は年々増加傾向にある。ここでは、自動車メーカーが出展した福祉車両や小型モビリティの注目車を紹介する。

目次

軽自動車からミニバンの福祉車両まで充実のラインアップ!

トヨタ・ノアの福祉車両

リアにショートスロープを搭載したミニバンのノアのウェルキャブ

東京ビッグサイトで10月7日~9日まで開催されたH.C.Rは、「クリエイティブな未来を拓く」がテーマ。社会や人々のニーズの変化に対応しながら、ともに生きる豊かな地域社会の実現を目指して、最新の福祉機器や介護ロボット、支援技術など、福祉の現場を支えるさまざまな製品やサービスが集まる展示会&フォーラム。アジア最大規模の福祉機器展で、来場者は約12万人。超高齢社会を背景に増加傾向にある。

H.C.Rは、自動車メーカーをはじめ、スタートアップ企業など約400社が出展。最新の福祉機器や製品を実際に体験できるのが特徴だ。ここでは、「すべての人に移動する自由を提供する」を目指して、出展された福祉車両や電動モビリティを紹介しよう。

国産自動車メーカーは4社が福祉車両を出展

ノアに装備された30cmのコンパクトなステップ

ノアのリアに装備された30cmという短いステップ。狭い場所で車いすを載せるのに便利だ

トヨタ自動車は、「ウェルキャブ」と呼ばれる5タイプの福祉車両を出展。注目は、ミニバンのノアに設定された車いす仕様車タイプII(車いす1名仕様)ショートスロープタイプ。

一般的なスロープは1mを超えるタイプが主流だが、このショートスロープタイプは30cmと非常にコンパクト。リアゲートによって雨にも濡れずに作業できるのが特徴だ。一部の電動車いすは対応していないが、スペースの限られた場所で操作できるのは非常に便利だ。

日産は新型エルグランドの回転シート仕様を参考出品

新型エルグランドの回転シート

参考出品された新型エルグランドの回転シート車

日産は発売したばかりの、エルグランドの福祉車両のプロトタイプを出展。日産では福祉車両を「ライフケアビークル」と呼び、車いす仕様車(チェアキャブ)をはじめ、4種類7タイプを設定している。

新型エルグランドのライフケアビークルは、乗り降りをサポートする電動昇降式の回転シートを装着したタイプ。エルグランドのライバルであるトヨタのアルファード/ヴェルファイアにも、サイドリフトアップチルトシート装着車が設定されているので、日産もいち早く対応した。

使い勝手の良さが魅力の軽自動車の福祉車両も注目

スズキ・エブリイワゴンの福祉車両の介助者用リアシート

介助者が乗れるリアシートを設置したスズキ・エブリイワゴンの車いす移動車

ダイハツ・タントの福祉車両

タントの特徴であるミラクルオープンドアと福祉車両の親和性は高い

スズキは、福祉車両の「ウィズシリーズ」の中からワゴンRの昇降シート車や、スペーシア、エブリイ、エブリイワゴンの車いす移動車の4台を出展。なかでも2026年5月にマイナーチェンジを行い、外装と運転支援機能がアップデートしたエブリイワゴンの車いす移動車は、簡単操作で展開できるテールゲート一体型スロープに加えて、介助する人が隣に座ることができる助手席側リアシートを装着しているのがポイントだ。

2025年度軽福祉車両の販売台数で12年連続No.1に輝いたダイハツは、「フレンドシップシリーズ」と呼ばれる福祉車両の中から、車いす移動車3台、昇降シート車、回転シート車の計5台を展示した。

軽自動車の新車販売台数で常に上位にランクインしている、タントの福祉車両のラインアップを拡充。ラゲッジに車いすを収納し、助手席が回転するタントウェルカムターンシートを装着した回転シート車は、助手席側のピラーをドアに内蔵することで大開口部を実現し、使い勝手の良さが特徴。こうした利便性の高さが販売台数No.1を支える要因のひとつといえそうだ。

生活の足として活躍する小型モビリティの出展も増加

トヨタの小型モビリティ「C+walk S」

トヨタの小型モビリティ「C+walk S」。最高時速6kmで歩行者と同様に扱われるので運転免許は不要

トヨタ、スズキ、ダイハツは福祉車両だけでなく、小型モビリティも出展していた。トヨタは「歩く」をアシストするモビリティ「C+walk S」を展示。これは免許証がなくても走行可能で、自転車やスクーターのようなハンドル操作で旋回、アクセルレバーを操作すると進み、離せば停止する。また、人や物を検知すると音と画面のマークで警告するとともに、時速約2kmまで自動的に減速する。

スズキは、「ハンドル形電動車いす」のセニアカー(ET4D)を展示。セニアカーは100Vコンセントで充電する電動車で、最高時速6kmで走行可能。こちらも運転免許不要で運転できる。

さらにダイハツも運転免許は不要の「e-SNEAKER」を出展。満充電時の走行可能距離は約12kmで近所の買い物などに出かける際に非常に便利だ。

超高齢社会を迎えている日本において、福祉車両や小型モビリティは移動する自由をすべての人に提供するのに欠かせない。特に小型モビリティは自動車メーカーだけでなく、多くのスタートアップ企業でも出展されており、交通弱者を増やさないための取り組みに、多くの企業が力を入れている。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!