日本の絶景ドライブルート

桜と菜の花ロード(秋田県)。どこまでも続くピンクと黄色のコントラストは絵本の世界に迷い込んだよう

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2024.04.27

写真1 春には桜のピンクと菜の花の黄色に彩られる(撮影エリアは地図1を参照)

2024.04.27

写真1 春には桜のピンクと菜の花の黄色に彩られる(撮影エリアは地図1を参照)

桜と菜の花ロード(秋田県)。ピンクと黄色のコントラストに彩られた春らしさ満点の道をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

地平線まで続く真っすぐな道はまるで北海道に来たかのよう

男鹿(おが)半島の付け根にある八郎潟(はちろうがた)は、かつて琵琶湖に次ぐ日本第2位の面積を誇る湖だった。こちらを干拓して造られたのが大潟村で、大規模な農業用地になっている。もともと湖沼であったため、陸地には川も山もない。このまっ平らな土地に真っすぐな直線路が走っていて、地平線まで続く眺めはまるで北海道に来たかのように思える。

写真2 約11kmにもわたる桜と菜の花のコントラスト(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 約11kmにもわたる桜と菜の花のコントラスト(撮影エリアは地図2を参照)

大潟村にはたくさんの直線路があるが、その中の一つ、県道298号には道路に沿って約11kmにわたり約4,000本のソメイヨシノ、八重桜、紅山桜(べにやまざくら)が植栽されている。春になるとピンクの桜と黄色い菜の花が咲き、道路を彩る。この桜と菜の花が織りなすコントラストはとても美しく、大潟村の春の風物詩となっている。

写真3 どこまでも続く桜と菜の花の並木道(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 どこまでも続く桜と菜の花の並木道(撮影エリアは地図3を参照)

大潟富士を越えたあたりが一番の見どころ

JR奥羽本線八郎潟駅方面から県道298号を進むと大潟橋で八郎潟調整池を越す。ここから大潟村になり、どこまでも続く直線が現れる。しばらく走ればすぐに桜と菜の花の並木道が見えてくるだろう。直線の終わり頃に大潟富士という小さな丘があるが、これを過ぎると道は左に曲がり、また新たな直線が現れる。どこまで走っても桜と菜の花の並木道が続くが、この付近が一番の見どころになるだろう。


桜と菜の花ロード(秋田県)データ

東北屈指の見応えのある桜並木「桜と菜の花ロード」。県道298号沿いの道の両側11㎞にわたって展開するスケールの大きな花見スポットで、春には桜と菜の花はもちろん、緑の黒松とのコントラストも楽しめる(夏にはひまわりが咲き誇り「ひまわりロード」と呼ばれる)。澄みわたる春の青空と、風に揺れるピンク色の桜並木、地面を覆う菜の花のコントラストは、まさに春の絶景。秋田自動車道・五城目八郎潟ICからは約5km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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