日本の絶景ドライブルート

さざなみスカイライン(広島県)。海岸から山頂まで一気に駆け上がるワインディングロード

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2024.04.13

写真1 野呂山(のろさん)は膳棚山(ぜんだなやま)と弘法寺山(こうぼうじやま)を結ぶ東西2kmの高原の総称(撮影エリアは地図1を参照)

2024.04.13

写真1 野呂山(のろさん)は膳棚山(ぜんだなやま)と弘法寺山(こうぼうじやま)を結ぶ東西2kmの高原の総称(撮影エリアは地図1を参照)

海岸から山頂まで一気に駆け上がるワインディングロード・さざなみスカイラインを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

四季折々の自然が楽しめる、都市部至近のワインディングロード

野呂山は標高839mの山で、広島県呉市の瀬戸内海国立公園にある。瀬戸内海の海岸から野呂山の頂上まで一気に駆け上がるワインディングロードが、さざなみスカイラインだ。都市部から近いこともあり、日帰りドライブやツーリングなどでの人気も高く、春の桜や5月のつつじ、そして7月のアジサイなど一年を通じて楽しむことができる。

写真2 走って楽しいタイトコーナーの連続。木々の合間からは瀬戸内海が見える(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 走って楽しいタイトコーナーの連続。木々の合間からは瀬戸内海が見える(撮影エリアは地図2を参照)

以前は有料道路だったが1983年に無料化され、広島県道248号野呂山公園線になった。野呂山スカイラインとも呼ばれている。道路は急勾配でタイトなヘアピンカーブが連続しているが、木々の合間からは瀬戸内海の多島美を望むことができる。途中にあるハチマキ展望台や山頂にあるかぶと岩展望台などからは、安芸灘(あきなだ)大橋やとびしま海道と四国が眺望できる。

写真3 咲き始めから散り終わるまで、長期間楽しめる桜のトンネル(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 咲き始めから散り終わるまで、長期間楽しめる桜のトンネル(撮影エリアは地図3を参照)

時間差で咲くさまざまな種類の桜が長期間楽しめる

4月のさざなみスカイラインの見どころはやはり桜だろう。道路脇に続く桜並木はソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラの順に咲きはじめ、桜のトンネルを作って4月初旬から楽しめる。標高差があるため蕾の桜があるかと思えば散り始めている木もあり、場所によって桜の開花状況が大きく異なるので、長い期間楽しめる。特に散りはじめの桜のトンネルでは幻想的な花吹雪が味わえ、感動すること間違いなしだ。


さざなみスカイライン(広島県)データ

さざなみスカイライン(別名・野呂山スカイライン)は、広島県呉市川尻町西から同町板休に至る広島県道248号・野呂山公園線の通称。野呂山へアクセスする総延長約10kmの観光道路で、かつては有料道路だった。野呂山の南東斜面を一気に登るダイナミックなワインディングで、所要時間は約20分。山頂には国民宿舎やレストハウス、キャンプ場、遊歩道などの施設が整備されている。東広島呉自動車道・郷原ICからは県道66号経由で約12km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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