今週のクルマお悩み相談

車をサブスクで乗る利点は?

クルマにまつわるお悩みを解決!

2022.07.06

回答者=会田 肇(カーライフアドバイザー)/イラスト=中井 涼

2022.07.06

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

Q.新車が欲しいのですが、頭金がなく維持費も心配です。最近よく聞くサブスクなら費用が抑えられるのでしょうか?

A.利用期間にもよりますが、サブスクなら頭金はいらず、月々の負担も減るケースが多いので検討するといいでしょう。

  • カーライフアドバイザーの会田肇さんがお答えします。

一定の期間で契約し、定額料金で物品やサービスを利用する「サブスクリプション(サブスク)」。音楽や映像の配信から始まったビジネスモデルですが、それが今や自動車にまで対象が広がっています。サブスクなら車をお得に乗ることができるのか、注意点はあるのでしょうか。

サブスクは維持費までコミコミの定額払い

車におけるサブスクの最大の特徴は、月々の支払いを抑えてマイカーに乗れることにあります。マイカーを手に入れるには車両価格以外に諸費用がかかるうえ、使用中は整備費や税金、保険料などの維持費も負担しなければなりません。それがサブスクなら、ガソリン代や駐車場代などを除く維持費を車両代とコミコミの定額払いで済ますことができるのです。

また、サブスクは頭金がなくても契約することができ、しかもウェブ上で申し込めます。思い立ったら真夜中であっても申し込み、あとは審査を待って契約するだけ。車両はあらかじめ決めた販売店で受け取ります。こうした手軽さもサブスクならではの大きな特徴と言えるでしょう。

利用期間等によるものの、サブスクでの毎月の支払いは新車をローンで購入するよりも安くなることが多いです。でも、維持費もあるのにサブスクのほうが安く済むのはなぜでしょうか? その秘密は契約満了後を見越して設定される残価にあります。この残価を差し引いた金額をベースに計算するため、維持費を上乗せしても安くなるのです。

いろいろな車に乗り換えたい人に最適

サブスクは一定期間が過ぎたら新たな車に乗り換えたい人にも向いています。とくに残価が高い車両を選んで乗り換えれば、最小限の負担で新車に次々と乗り続けることも可能になるわけで、これを目的にサブスクを選ぶ人も少なくないと聞きます。

任意保険の保険料率が高い若い人にもサブスクはオススメです。基本的に年齢が若いと保険料率は高く保険料の負担は大きくなりますが、任意保険まで含めたプランを選べば、出費を抑えることができます。逆に、年齢が高いなど保険料率が低い人は割高になるので、任意保険を含まないプランを選ぶほうがお得です。

サブスクは原則、一度契約したら途中解約ができませんが、一部には免許返納や海外赴任などの場合のみ解約を認めているサブスクもあります。年齢的に免許返納が近いものの、最新の安全装備を備えた車に乗りたい人や、海外転勤の可能性がある人にとって最適なプランと言えるでしょう。

過走行、ペット同乗、喫煙はサブスクNG!?

サブスクには残価が設定されているので、返却時に車の価値が通常より下がってしまうのはNGになります。その一つが「過走行」です。走行距離は中古車の買取価格にも影響する重要な点で、長距離ドライブが好きで走行距離がかさみがちな人は要注意。ほとんどのサブスクでは、契約期間中の走行距離を月平均で1000~1500km程度に制限しています。

ペットを乗せたい人やタバコを吸う人もサブスクは避けたほうがいいでしょう。ペットや喫煙による汚れや臭いが内装にダメージを与える可能性があり、ペットの同乗や喫煙を禁止しているサブスクが少なくありません。また、復元できない車の改造もサブスクではNGとなっています。

サブスクは残価設定のあるカーリースとほぼ同義と言えるもので、賃貸住宅を借りるのと似ています。住宅の場合も部屋の改造は基本的にNGですし、退去するときも原状回復が求められますから。ただ、借りるとはいえ、レンタカーとは違ってナンバーが「わ」や「れ」になることはなく、見た目にはサブスクで乗っていることは一切わかりません。

利用期間や使い方から購入方法を検討する

サブスクは残価が高いほど月々の支払い額は抑えられます。通常の自動車ローンとの比較では、3~5年程度の契約ならサブスクのほうが負担は少なくなることが多いですが、それより利用年数が長くなると、整備代や税金といった部分に手数料が上乗せされるため高めになる傾向があります。

ただ、サブスクを扱う企業は増えていて、サービス内容やプランもさまざまです。利用する期間や車の使い方を踏まえたうえで、一般的な自動車ローンも含めて見積もりを取って購入方法を決めるといいでしょう。

会田 肇

あいだ・はじめ カーライフアドバイザー、日本自動車ジャーナリスト協会会員、デジタルカメラグランプリ審査員。カーナビ黎明期より進化の過程を追い続け、近年はディスプレイオーディオを含むインフォテイメント系やドライブレコーダーのレポートを行う。自動運転や電動化などITS系にも詳しい。使い手の立場で書かれたレポート記事はわかりやすく、掲載媒体は自動車専門誌からモノ系雑誌にまで及ぶ。

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