運転中のヒヤリハット

“アブナイ感”があれば、まずアクセルを緩める

「危なかった!」を事故防止に生かす
2022.11.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.11.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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突発的なことやミスにヒヤリとしたり、ハッとする心理が「ヒヤリハット」。一件の交通事故の裏には数多くのヒヤリハットがあるとされ、そんなヒヤリハットを認識・共有しておくことが、事故防止には大切だ。このコラムでは、交通安全に詳しい専門家が自身の経験や事故事例からヒヤリハットを紹介。安全運転に役立ててほしい。

2台の自転車を追い越そうと思ったが…

片側1車線の道路、左前方に自転車が縦に2台走っている。前方は子供を乗せた電動ママチャリ、後続は宅配自転車だが、前のママチャリを追い抜く勢い。ただ後続の自転車が前のママチャリを追い抜くまでに少し時間があるようだったので、先に2台とも追い越してしまうかで迷う。

何か気持ちにブレーキがかかり、アクセルを緩めた。次の瞬間、前のママチャリの子供が抱えていた傘を落とした。追い越しにかかっていた宅配自転車が驚き、かなり道路の中央寄りで急停止した。当然、こちらも慌ててブレーキとなったが、直前にアクセルを戻し気味にしていたためブレーキが間に合った。

なんとなくではあるが、運転中に“アブナイ感”を察知することがある。たいがいは何も起こらず杞憂(きゆう)に終わるが、予想しなかった危険が起こることもある。やはり、何か危険だと感じたときはまずアクセルを緩め、備えることが大切だ。

特に運転中は“気短傾向”が出て、前へ前へと自分を煽(あお)りがちだ。ここはアドレナリンを抑えて、冷静な運転脳を磨こう。

指をさす男性

少しでも危険と感じたら、アクセルを緩める。

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