自分のカラダを知ることが、健康維持の第一歩
未来の健康のために今できることを

未来の健康のために今できることを
自分のカラダを知り、未来の健康生活につなげましょう。今回は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と「遺伝子検査(解析)」の2つに注目。何がわかるのか、どんな人におすすめか。自宅でできる検査(解析)方法や、その後のサポート体制は……。検査や解析を行っているJAF優待施設に伺いました。
大切なのは「自分のカラダを知る」ということ
運動や食生活などの生活習慣を見直すきっかけに
自分のカラダについて、気になっていることがあっても「健康診断では異常がなかったし大丈夫」と、やり過ごしてはいませんか? 不安を解消するために、時には向き合うことも必要です。早めに対策することが、未来の健康につながっていきます。
ただの「いびき」と侮るなかれ
慢性的な「いびき」が気になる人は注意したい睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、自覚症状がない厄介な病気です。無呼吸状態の睡眠は、体に大きな負担がかかり、日中の強い眠気や倦怠(けんたい)感・集中力の低下を引き起こし、居眠り運転や不注意による重大な事故の原因となる場合があります。ほかにも、低酸素状態に陥ることで心臓や血管がダメージを受け、高血圧・心臓病・糖尿病・脳卒中などの合併症を誘発する、または悪化させる可能性もある深刻な病気です。眠っている間の状態を調べると、これらの危険性がわかります。
睡眠時無呼吸症候群は居眠り運転など事故の原因になることも(画像提供=一般財団法人 運輸・交通SAS対策支援センター)
ヒントは自分の中にある
遺伝子解析では、DNAの情報から病気のリスクや体質などの遺伝的傾向がわかります。遺伝子の情報は変わらないので、基本的に一生に一度受けるだけでOK。将来のリスクを知ると、時には思いがけない結果にショックを受けたり驚いたりするかもしれませんが、生活習慣病をはじめとする疾患の発症は、遺伝的要因だけで確定するわけではありません。生活習慣の改善や予防などで避けられるものが多く存在します。まずは自分の遺伝的傾向を知り、改善や予防のヒントを見つけましょう。
遺伝子情報が病気のリスクや体質を教えてくれる
今は費用面でも比較的気軽に検査や解析を受けることができますので、ぜひ利用しましょう。結果を基に、将来の健康について考え、自分に合った健康なカラダづくりに取り組みましょう。
睡眠時検査で「カラダの状態」を知る
そのいびき、病気のサインかも!?
眠っている時の状態は自分では気が付きにくいもの。家族に「いびきがうるさい」と指摘されたり、「昼間でも睡眠不足」や「眠気で集中力が続かない」と感じたりすることはありませんか? その症状、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。睡眠時無呼吸症候群について、JAF優待施設である〈一般財団法人 運輸・交通SAS対策支援センター〉
に伺いました。
睡眠時無呼吸症候群
(SAS)
とは
?
睡眠時に呼吸が止まってしまうことです。呼吸が止まる理由は、主に2つのタイプが考えられます。
ひとつは「閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸(OSA)」タイプで、喉(のど)や気道への空気の通りが妨げられ、呼吸が弱まります。首まわりの脂肪が多かったり舌の付け根が沈んだりして、空気の通り道を無意識に塞(ふさ)いでいることが原因です。約90%はこのタイプといわれています。
もうひとつは「中枢性睡眠時無呼吸(CSA)」タイプです。脳から呼吸をするための指令が出ないことが原因で、呼吸が弱まるといわれています。このタイプに該当するのは全体の数%ほどですが、心不全患者の約30%はこの傾向にあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のしくみ
何がわかる? どんな人におすすめ?
スクリーニング(簡易診断)検査で、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかどうかを判断します。慢性的にいびきをかいている人は、睡眠時無呼吸症候群の危険性が高く、まだ発症していなくても予備軍かもしれません。「居眠り運転しそうになった」「会議中など重要なシーンで眠くなった」など、強い眠気に心当たりのある人は要注意です。50歳以上や、少し太り気味な人も、睡眠時無呼吸症候群になる割合が高くなる傾向があります。ほかにも、普段から車を運転している人や危険な仕事に従事している人は、自分の健康状態を知るためにもおすすめします。
公式サイトにはセルフチェック項目が掲載されている(https://www.sas-support.or.jp/sas-self-check/ )
どんな検査をする
?
その後のサポート体制は?
検査は、公式サイトより申し込むことができます。検査機器と問診票入りの検査キットが届いたら、検査機器を装着して一晩寝るだけ。測定後の一式を返送すると約2週間で結果が送られてきます。
提供されるスクリーニング検査は、動脈血酸素飽和度(SpO2)と、脈拍数を測定するパルスオキシメータを指に装着して睡眠中に計測する方法です。
パルスオキシメータを装着し、普段通り眠ることで検査は完了
「血液中酸素濃度」を測定することにより、呼吸が正常で、きちんと酸素が取り込まれているかを確認し、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるか否かを判断します。無呼吸の間隔が長い、あるいは回数が多い、または気道が狭くなって十分に酸素を取り込めていないと「血液中酸素濃度」が低下します。動脈血酸素飽和度90%以下の状態が何度も起きている、または継続している場合は、患っている可能性が高いと考えられます。
また、体全体の酸素が不足すると、全身に酸素を送ろうと心臓がより活発に働き、心拍数が上がります。「脈拍数」を測り、脳や体にどれほどの負担がかかっているかも確認します。
結果は、A〜Fまで段階的に示されています。睡眠時無呼吸症候群の疑いのある「D・E判定」の人には、その後、病院で精密検査をスムーズに受診できるように、案内書と専門医への紹介状を同封。公式サイトには全国の病院情報も掲載されているので、近くの病院を探す際に役立てましょう。
結果は段階的に表示
D・E判定の場合、その後の流れも説明されている
(画像提供=一般財団法人 運転・交通SAS対策支援センター/監修=医学博士 平田恭信)
遺伝子解析で「カラダの情報」を知る
遺伝子解析は、いわば「カラダの設計図を知る」こと
自分だけが持つ遺伝子情報。その情報から、自分がかかりやすい病気の傾向や、体質などがわかります。未来の健康維持のために、今の生活を見直すきっかけにしましょう。遺伝子解析についてJAF優待施設である〈遺伝子検査MYCODE〉
と〈ユーグレナ・マイヘルス〉
に伺いました。
遺伝子解析とは?
DNAの情報を解析し、病気のリスクや体質などの遺伝的傾向を知る検査のことです。病気は、遺伝子と生活習慣の双方の影響で発症や程度が決まるといわれています。遺伝子解析は、直接的な医療行為ではありませんが、病気を未然に防ぐための生活習慣の改善につなげられます。
何がわかる
?
どんな人におすすめ?
がんや生活習慣病などの日本人に多い疾患へのかかりやすさや、肌質や太りやすさなどの体質といった、遺伝的傾向がわかります。「自分の遺伝的体質を知っておきたい」「生活習慣の改善をしたいけど、具体的に何に取り組めばいいのかわからない」「将来のリスクに備えて、今からできることを考えたい」という人におすすめです。
どんな検査(解析)をする? その後のサポート体制は?
DNAは唾液(だえき)から抽出します。自宅で唾液を採取して送るだけ。解析結果は各社の公式サイトで見ることができます。また、個人情報の取り扱いについては、各社でしっかりと徹底した管理を行っています。
採取した唾液から遺伝子解析を行う(画像提供=遺伝子検査MYCODE)
〈遺伝子検査MYCODE〉の遺伝子解析
東京大学医科学研究所との共同研究による社会実装を行っています。自社の解析センターで検査し、遺伝子解析結果に関する情報は匿名化された状態で保存。解析後の全試料はルールに従って破棄するため、セキュリティ面も安心です。
わかること
がん・生活習慣病などの日本人に多い疾患や、長生き、肥満、肌質などの体質の遺伝的傾向について、最大280の検査項目がわかります。※遺伝要因の影響が強い疾患(家族性腫瘍や単一遺伝子疾患など)や、環境要因が強いもの(ケガなど)は対象外。
最大280項目が検査可能
検査(解析)方法
検査キットを購入し、公式サイトで会員登録した後に、唾液を採取して送付すると解析センターにて分析。検査結果は公式サイトにて閲覧できます。基本の検査項目をひと通り検査したい人におすすめのスタンダードパック「ヘルスケア」は、新型コロナウイルス関連項目の遺伝的傾向があらかじめ含まれています。ほかにも、MYCODEでできる項目がすべて入った「ヘルスケアプレミア」や、がんに関する項目が調べられる「がんパック」、祖先のルーツや体質に関する項目が調べられる「ディスカバリー」など、自分に合ったメニューが選べます。
スタンダードパック「ヘルスケア」の検査キット
サポート体制
検査結果については、認定遺伝カウンセラーによる無料相談が可能です。また、遺伝子やヘルスケアに関して理解を深める会員向けのオンラインセミナーを定期的に開催するほか、「MYCODEトピックス」として、病気に関する情報や「ダイエット」「生活習慣や健康に関する情報」「遺伝子に関する情報」などを記事として発信しています。
(画像提供=遺伝子検査MYCODE)
発症リスクを解析した検査結果(イメージ)
〈ユーグレナ・マイヘルス〉の遺伝子解析
解析完了後も新規項目の追加や内容を更新し、公式サイトで常に最新のデータが確認できるよう、随時アップデートしています。個人情報の取り扱いについてはプライバシーマークを取得し、適切に行う体制を継続的に維持しています。
わかること
がんや生活習慣病、肌質、性格、太りやすさなど300項目以上の遺伝的傾向と、母系の祖先(ルーツ)がわかります。また、遺伝要因と環境要因が両方関与する「多因子疾患」の部分を解析します。※遺伝要因が非常に強く、遺伝子解析自体が医療行為に該当する疾病等の情報や、治療方法が見つかっていない疾病の情報、心身に強い影響を与えると判断した情報など、一部の病気や体質は対象外(例:遺伝性乳がん、認知症、指定難病、発達障害、精神障害等)。
健康リスクを示した解析結果(イメージ)
検査(解析)方法
公式サイトにて新規会員登録後、購入した解析キットに唾液を入れて、返送すると解析を行います。解析完了後はメールにて連絡。マイページにログイン後にアンケートが表示されるので、回答すると解析結果が閲覧できます。
解析費用込みの遺伝子解析キットは公式サイトからも購入可能
サポート体制
専門家による相談サポートを用意しています。結果について疑問や不安などがあれば、マイページから問い合わせが可能。解析結果には、対象項目の解説やリスク値のほか、予防のためにできることも記しています。また、遺伝要因の影響度を詳細ページに掲載しています。遺伝要因が少なく環境要因が多いものは、生活習慣が特に影響するので、日々の生活を見直すきっかけにしましょう。※遺伝要因影響度は、研究データの有無があり、すべてを掲載しているわけではありません。
(画像提供=ユーグレナ・マイヘルス)
結果について知りたいことがあれば相談を
今回、紹介した3施設はJAF優待を適用すると費用が割引になります。気軽に受けられるようになった検査や解析を活用して、未来の自分や家族のためにも生活習慣を見直し、健康維持を心がけましょう。
JAF優待施設は、「JAFナビ」で検索!
下記の施設では、JAFの優待が利用できます。詳しい優待内容は、ウェブサイト「JAFナビ」 でご確認ください。
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※掲載内容は、2022年7月25日現在のものです。