なんでも乗り物 「クイックアタッカー」や「火災調査車」など。日本最強の装備を誇る東京消防庁の消防車に迫ってみた! その2

2019年05月15日 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 日高 保

夜間の火災現場における消火・救助活動を支える「照明電源車(小型)」

「照明電源車(小型)」。全長約5760×全幅約2160×全高約2740mm、ホイールベース2800mm。総重量約7250kg。乗車定員3人。排気量2999cc・直列4気筒ディーゼルエンジン「4JJ1」型、最高出力110kW/2800rpm、最大トルク375N・m/1400~2800rpm。所属。展示車両のベース車両いすゞ「エルフ」2017年式。

 「照明電源車(小型)」は、夜間の災害・事故現場を照らして消火・救助活動をしやすくするための車両だ。装備した発電機により電動の消防・救助用機器に電力を供給することも可能。従来の「照明電源車」は全長約6710×全幅約2350×全高約3450mm、総重量約9825kgと大型だったが、小型化したことで取り回しがよくなったという。

東京消防庁照明電源車(小型)

照明にはLEDが使用されており、消費電力を抑え、長寿命化が図られている。

1万Lという大量の消火用水を輸送できる「10トン水槽車」

東京消防庁10t水槽車

「10トン水槽車」。全長約9300×全幅約2500×全高約3400mm、ホイールベース5810mm。総重量約2万1200kg。乗車定員3人。排気量12882cc・直列6気筒ディーゼルターボエンジン「6M70」型、最高出力257kW/2000rpm、最大トルク1810N・m/1100rpm。第八方面本部所属。展示車両のベース車両三菱ふそう「スーパーグレート」2008年式。

 「10トン水槽車」は、その名の通り10トン=1万Lの消火用水を運ぶことが可能だ。これにより近場に消火栓などのない山間部や高速道路上での火災、または震災が発生した際に消火用水を輸送できる。車両後部の水槽はステンレス製。また可搬式動力ポンプおよび放水銃を装備している。

東京消防庁10トン水槽車

ルーフ上に設置された放水銃。巨大なアームは、隣に並んでいた「屈折放水塔車」のもの。

サンダーバード2号のようにコンテナごと資機材を運べる「資材搬送車」

東京消防庁資材搬送車

「資材搬送車」。全長約6470×全幅約2320×全高約3170mm、ホイールベース3790mm。総重量約1万985kg。乗車定員3人。排気量5123cc・直列4気筒ディーゼルエンジン「A05C」型、最高出力177kW/2300rpm、最大トルク794N・m/1400rpm。大塚消防署所属。ベース車両日野「レンジャー」2017年式。

 「資材搬送車」の大きな特徴は、コンテナ着脱装置を備えていること。災害や事故の状況に合わせ、一般的な内容の一般救助用コンテナ、小型コンテナ、危険物用コンテナの3種類から選択して搭載できる仕組みを持つ。コンテナを取り替えるだけなので、たとえていうなら"走るサンダーバード2号"ともいうべき支援車両だ。

 また、全長約8600×全幅約2500×全高約3100mm、総重量14500kgという「大型資材搬送車」もある。こちらもコンテナ着脱装置を備えており、一般救助用、小型、ロボット用、危険物用、粉末消火薬剤放射装置の5種類がある。ロボット用とは、消防ロボット「無人走行放水車装備(デュアルファイター)」の「無人走行放水車ドラゴン」と「障害物除去車セーバー」のコンビの搬送用だ。

東京消防庁資材搬送車

「資材搬送車」のリアビュー。展示車両に搭載されていたコンテナは一般救助用コンテナ。

油圧リフト付きで特殊なストレッチャーも積載可能な「特殊救急車」

東京消防庁特殊救急車

「特殊救急車」。全長約6600×全幅約2100×全高約2800mm、ホイールベース3310mm。総重量約5000kg。乗車定員10人。排気量4478cc・直列6気筒ガソリンエンジン「TB45」型、最高出力127kW/4400rpm、最大トルク314N・m/3600rpm。第三方面本部所属。ベース車両日産「シビリアン」2013年式。

 「特殊救急車」は、感染傷病者搬送用のカプセル型ストレッチャーおよび体重のある傷病者に対応したストレッチャーを後部ドアから積載できるよう、油圧式リフトを備えた大型救急車だ。

 また展示車両はマイクロバスがベースだが、さらに大型のトラックベースの全長約1100×全幅約2500×全高3780mm、総重量1万9000kgの「特殊救急車」もある。こちらは通称「スーパーアンビュランス」と呼ばれている。

東京消防庁特殊救急車

「特殊救急車」のリアビュー。ストレッチャーの陰にあるのが油圧リフト。

東京消防庁特殊救急車(スーパーアンビュランス)

こちらも「特殊救急車」の1種だが、通称「スーパーアンビュランス」と呼ばれるトラックベースの1台。いすゞ「エルフ」ベースだ。通常の救急車と同様の患者搬送のほか、救護所としての機能も有する。大規模災害および多数の傷病者が生じた際に、災害・事故現場で、ボディを左右に拡張することで、最大40平方メートルのフラットな床面となる。最大8床のベッドを備えることが可能だ。


 どのような状況下でも確実に現場に駆けつけ、市民の命と財産を守れるよう、東京消防庁はさまざまな車両を開発して配備してきた。

 危険な火災や災害の最前線で活躍するのはポンプ車やはしご車。そしてその活躍を支えているのが、今回紹介した指揮車や支援車である。東京は、こうした頼りになる日本最強の装備で守られているのだ。

 その1とその2で紹介した以外にもまだまださまざまな用途の消防車がある。今後、近くの消防署の前を通るときは、どのような消防車が配備されているのか、あなたもぜひチェックしてみてほしい。