2018年05月09日 15:00 掲載

写真ビストロ SNAP×SNAP 【三菱のラリーカーを集めてみた!】
1970年代から2000年代まで! 「ランサー」シリーズ大集合


オイルショックから復活の「ランサー EX 2000 ターボ」

sn180501-04-03.jpg

A176A型「ランサー EX 2000 ターボ」(1982年WRC1000湖ラリー3位入賞車)。全長4420×全幅1620×全高1390mm(※3)、ホイールベース2440mm。車重1040kg。エンジンは排気量1997cc(※4)、水冷直列4気筒8バルブSOHCターボ「4G63」。最高出力は280ps(206kW)/7000rpm、最大トルクは33.7kg-m(330.5N・m)/5000rpm。トランスミッションは5速MT。駆動方式はFR2WD。MEGA WEBヒストリーガレージにて撮影。※3:全高4230×全幅1710という資料もあり。※4:排気量は1996ccという資料もあり。

 オイルショックで撤退した三菱が再びラリーシーンに戻ってきたのは、1981(昭和56)年のことだった。「ランサー」の2代目となる「ランサー EX」の輸出専用モデル「2000 ターボ」の欧州への輸出開始に合わせ、同車をベースとした。なお"EX"とは、超える、勝る、優れるなどの意味を持つ英語の"exceed"を表す。

 舞台はWRCとし、中でも欧州のスプリント・ラリーに的が絞られ、アクロポリス(ギリシャ)、1000湖(フィンランド)、サンレモ(イタリア)、RAC(イギリス)の4つに参戦した。

 この時期のWRCは、アウディが革命を起こしていた。1981年から、4WD+ターボというどのチームも試さなかった機構を持ったラリーカー「クワトロ」が圧倒的な速さを見せつけており、2台体制のどちらもリタイアしない限り、2WDマシンでは絶対に勝てないという状況となっていたのである。

 そうした中、「ランサー EX 2000 ターボ」は1982(昭和57)年8月の1000湖ラリーにおいて、2WDマシンでトップとなる総合3位に入賞を果たし、強豪三菱の復活を印象づけることに成功した。

 三菱はこの後、翌1983(昭和58)年の1000湖ラリーでWRCを撤退。ただし、それは4WDマシンの開発のためだった。

WRC96年王者マシン! 「ランサー エボリューション III」

sn180501-04-04b.jpg

CE9A型「ランサー エボリューション III」(1995年WRC第7戦ラリー・オーストラリア優勝車)。全長4310×全幅1695×全高1420mm、ホイールベース2510mm。車重1230kg(※5)。エンジンは排気量1997cc、水冷直列4気筒DOHCターボ「4G63」。トランスミッションは6速MT。駆動方式はフルタイム4WD。なお、最高出力は290ps(213.3kW)、最大トルクは50.0kg-m(490.3N・m)。MEGA WEBヒストリーガレージにて撮影。

 三菱が4WD+ターボマシンの開発を進めた結果、1984(昭和59)年に「スタリオン4WDラリー」が誕生し、1987(昭和62)年の「スタリオンターボ」、1988(昭和63)年の「ギャランVR-4」と続く。そして、1992(平成4)年、三菱を代表する1台「ランサー エボリューション(ランエボ)」(CD9A型)が遂に誕生した。通称「ランエボI」は戦闘力があった「ギャランVR-4」を遥かに上回る旋回性能を有し、なんと1km当たり1秒も早いタイムを計測したのである。

 WRCには1993(平成5)年に投入されたが、この年は未勝利に終わり、勝利はその後継として1994(平成6)年の中盤に投入された「ランエボII」(CE9A型)に託される。そして1995(平成7)年第2戦、新搭載の電子制御式アクティブAWDシステムが大いに貢献して遂に勝利を得たのであった。

 そしてさらに戦闘力をアップさせた画像の「ランエボIII」(型式はIIから踏襲のCE9A型)が1995年の第4戦に投入された。「ランエボIII」は第7戦で早くも勝利し、翌1996(平成8)年は9戦中5勝を挙げ、トミ・マキネン(現TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)が初の王座を獲得。これが、マキネンと三菱にとってもWRCでの初のタイトルとなったのである。なお、「ランエボIII」までが第1世代と呼ばれる。

 この後、「ランエボ」シリーズは着実に進化を遂げ、マキネンは1999(平成11)年の「ランエボVI」(CP9A型)まで4年連続でドライバーズチャンピオンを獲得。WRCにおける三菱の黄金期を築いた。また1998(平成10)年に、「ランエボV」(VIと同じCP9A型)で三菱はマニファクチャラーズタイトルも獲得した。

→ 次ページ:
三菱最後のグループAラリーカー!