写真ビストロ SNAP×SNAP 5月1日はアイルトン・セナの命日…!
ヘルメットマン・川崎和寛氏が秘蔵の写真を公開!

2018年04月25日 16:00 掲載

1990年第15戦日本GP決勝・2度目の王者獲得の祝勝

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撮影されたタイミングは、実は1990年の日本GPの決勝真っ最中。セナはスタート直後の1コーナーでプロストと絡んで、まさかの両者リタイア。マクラーレンのピットは再スタートに備えて、Tカー(予備のマシン)をセナの決勝用にセットアップするなど、1秒を争うような戦場状態だったそうだが、本人は着替えも済ませて早速の祝杯モード。川崎氏も予備のヘルメットの無線機のチェックなど、準備で大わらわだったそうだが、「スマイル、スマイル」とセナに笑顔を求められて撮影したのがこの写真と、苦笑気味に話してくれた。左上のサインはセナの直筆。画像提供:川崎和寛氏

 この写真は、第15戦日本GP(10月19~21日)の決勝で、2度目の王座を決めた直後に撮影されたものだ。実はこのとき、セナはチャンピオンを決めて満面の笑みだが、微妙な状況だった。というのも、レースが再スタートでやり直しの可能性もあったからで、川崎氏を初めとするスタッフはその準備でとても余裕のない状況だったという。

 この年のF1はプロストがフェラーリに移籍したものの、セナが初めて世界王者になった1988年から続いてきたセナ・プロ対決の3シーズン目。しかもセナとプロストの間柄は最強のライバル関係というより、1989年日本GPでの「シケイン接触事件」などもあってもはや「因縁の間柄」となっており、強烈に火花が散る状況だった。

 1990年は第15戦日本GPを迎えた時点で、前年とは立場が逆転してセナがポイントリーダー。昨年の意趣返しではないが、両者が接触して同時リタイアとなれば、最終戦を待たずにセナの王者が決定するという状況だったのである。

 そしてスタートし、その「まさか仕返しはないだろう」が現実となる。セナはプロストと絡んで第1コーナー外側のサンドトラップの中に突っ込んでいった。砂煙が晴れて見えてきたのは、目を疑う両者のリタイアだったのである。ふたりの熱いバトルを期待していたサーキットの大半の観客は決勝でのふたりの走りを1周も見られないという状況で、それはそれは大変な落胆を招くこととなったのである。

 その一方で、再スタートもあり得るということで、ピットは大わらわ。川崎氏も予備のヘルメットの準備で多忙を極める中、撮影されたのがこの写真だったのである。

 セナが事故死してからほぼ四半世紀が経つ。セナの記憶を風化させないためにも、彼を応援して当時一喜一憂したという人も、当時を知らない若い人も、彼に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

2018年4月25日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)