写真ビストロ SNAP×SNAP 5月1日はアイルトン・セナの命日…!
ヘルメットマン・川崎和寛氏が秘蔵の写真を公開!

2018年04月25日 16:00 掲載

1990年第4戦モナコGP・スペシャルなシールドを手入れ中

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第4戦モナコGPで、セナのシールドをクリーニングする川崎氏。シールドが薄紫色という珍しい色をしているのは、このGPからセナのヘルメットにのみ装着されることになった、ポラロイドシールドを備えた「セナスペシャル」だからだ。日光が当たるとスモークに、暗くなると一瞬でクリアーになるのだが、当時F1でセナしか使っていなかった秘密兵器である。薄紫色なのはピット内のため、トンネル内ほど暗くないが、直射日光が当たっていないため。写真左上のサインは、セナの直筆。画像提供:川崎和寛氏

 これは、1990年5月24~27日に開催された第4戦モナコGPでの1カット。ポイントは、シールド(バイザー)が透明でもスモークでもなく、薄紫色という変わった色味をしていること。

 モナコGPのモンテカルロ市街地コースには長めのトンネルセクションがあるが、強い陽光を防ぐための従来のスモークタイプのシールドだと、突入した瞬間は真っ暗になってしまうという。あのセナですら、さすがに何も見えない状況ではアクセルを緩めてしまっていたそうだ。

 そこで川崎氏がセナから依頼されたのが、日が当たる中ではスモークだが、突入した瞬間にクリアーになる特性を持ったシールド。その非常に難しい要望に対して川崎氏が用意したのが、前年に2輪モータースポーツのヘルメット用として既に確立されていた、紫外線を大幅にカットする「ポラロイドシールド」だったのである。

 ポラロイドシールドは、専用の溶液にシールドを浸して作る。メガネのレンズ程度なら小さいので問題ないのだが、シールドのサイズになってくると、幅30cm×奥行き30cm×高さ30cmのサイズの容器が必要だ。このサイズの容器に溶液を入れるととてつもないコストになるため、4輪用ヘルメットのシールドとしてはどこも作っていなかった。しかし、こんなこともあろうかと、川崎氏はあらかじめメーカーに用意しておいてもらっており、すぐさまセナの要求に応えたのだそうだ。

 土曜の予選で試してみたところ、セナは非常に気に入り、決勝でも使用。大いに効果があったことから、翌第5戦カナダGP以降も常用したそうである。雨が降っても路面の乱反射を抑えられるため、モナコのトンネルのような特殊な環境だけでなく、天候次第では非常に有効なのだそうだ。

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勝利を得るためには手を抜かなかったセナの姿!