2020年01月09日 23:30 掲載

交通安全・防災 2019年交通事故死者数・都道府県別データ詳報!最多は千葉県。

2019年の交通事故死者数統計が警察庁より発表された。都道府県別データによると、死者数最多は千葉県で172人。過去3年間連続で最多だった愛知県を超えてワースト1となった。また、人口10万人当たりの死者数で最少は東京都の0.96人であった。

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

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2019年交通事故死者数・都道府県別データ詳報のイメージ画像。

 警察庁は2020年1月6日、2019年の交通事故死者数統計を発表した。2019年の全国の交通事故死者数は3215人。2018年と比較すると317人減少し、2016年から4年連続で4000人を下回った。

 本記事では、都道府県別データにフォーカスし、各県の交通事故死者数、人口10万人当たりの死者数、2018年と比較した増減数と増減率を紹介する。

2019年都道府県別死者数ベスト5・ワースト5

 まずは、都道府県別の死者数のベスト5とワースト5を紹介しよう。ベスト5は死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。

2019年交通事故死者数|都道府県別|交通事故死者数ベスト5・ワースト5

都道府県別交通事故死者数ベスト5・ワースト5(2019年)。 出典:警察庁資料をもとに作成

 最も死者数が少なかったのは、山梨県と島根県で25人。島根県が死者数最少となるのは2017年から3年連続である。最も死者数が多かったのは千葉県の172人。3年連続で死者数最多だった愛知県を超えてワースト1となった。

2019年都道府県別の10万人当たりの死者数ベスト5・ワースト5

 人口が多ければそれだけ事故が発生する確率が高くなるため、大都市を抱える都道府県はどうしても死者数も増えやすくなる。そこで、総人口を考慮した上での死者数がどれだけになるのかを表したのが、人口10万人当たりの死者数である。ちなみに2019年の全国平均は、2.54人である。

 人口10万人当たりの死者数の計算は、その都道府県の総人口を10万で割り、出た答えで死者数を割るだけだ。例えば東京の場合、死者数は133人で、総人口が1394万2856人(※)であるので下記のような計算になる。

 交通事故死者数 133人 ÷ (人口 1394万2856人 ÷ 10万 )= 0.96人

 ※算出に用いた人口は、各年の前年の人口であり、総務省統計資料「人口推計」(10月1日現在人口)又は「国勢調査」による。

2019年交通事故死者数|都道府県別|10万人当たりの交通事故死者数ベスト5・ワースト5

都道府県別・10万人当たりの交通事故死者数ベスト5・ワースト5(2019年)。 出典:警察庁資料をもとに作成

 ベスト5は10万人当たりの死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。最も少ないのは東京の0.96人。多いのは徳島県の5.57人であった。

 ここで注目したいのは、ワースト2となった鳥取県とベスト1になった東京都。鳥取県は、死者数で見るとベスト3に入っており、一見死亡交通事故が起こりにくいようだが、人口10万人当たりで見ると多い。

 これの逆が東京で、死者数で見るとワースト5であるが、人口10万人当たりでみるとベスト1と少なくなる。単に死者数を見ただけでは、実情は分からないのだ。

2019年都道府県別交通事故死者数の増減数ベスト5・ワースト5

 2018年と2019年の死者数を比較した「増減数」の都道府県別ベスト5とワースト5を紹介する。ベスト5は死者数の減少が多い順で、ワースト5は死者数の増加が多い順である。

2019年交通事故死者数|都道府県別|交通事故死者数の増減数ベスト5・ワースト5

都道府県別交通事故死者数の増減数 ベスト5・ワースト5(2019年)。 出典:警察庁資料をもとに作成

 最も死者数が減少したのは埼玉県で46人減。増加したのは滋賀県で18人増であった。2018年の交通事故死者数が最多だった愛知県は33人減。2019年最多の千葉県は11人減だった。その差が愛知県を死者数ワースト1から脱却させた。

 また、2019年最も死者数が増加した滋賀県は、2018年に16人減らしていたが、2019年は18人増で結果的に2年間で2人増加となった。死者数を減らすことの難しさが垣間見える。

2019年都道府県別交通事故死者数の増減率ベスト5・ワースト5

 都道府県別の死者数「増減率」のベスト5とワースト5を紹介する。ベスト5は死者数の減少率の高い順で、ワースト5は増加率の高い順である。

 ここでの増減率とは、2019年の増減数を2018年の死者数で割ったパーセンテージのこと(小数点以下第2位を四捨五入)。つまり、2017年の死者数に対して、どれだけ増減したかを見る数値だ。

 例えば増減数が同じく10人減だったとしても、20人から10人に減った場合と、100人から10人に減った場合では、前者の方が減少率が高くなる。前年に死者数の少なかった県が、さらに死者数を減らすことは難しいため、努力の程を垣間見ることのできる数値である。なお、2019年の全国の死者数増減率は9.0%減となった。

2019年交通事故死者数|都道府県別|交通事故死者数の増減率ベスト5・ワースト5

都道府県別交通事故死者数の増減率 ベスト5・ワースト5(2019年)。 出典:警察庁資料をもとに作成

 最も死者数の減少率が高かったのは山形県で37.3%減。最も死者数の増加率が高かったのは鳥取県の55.0%増であった。

 2019年にワースト1となった鳥取県は2018年はベスト6。ワースト2となった滋賀県はベスト3だった。どちらの県も2018年に死者数を減少させたが、2019年になると前年の減少数よりも多く死者数を増加させ増加率が高くなった。

交通事故死者数を減少させるには

 内閣府発表の第10次交通安全基本計画では、2020年12月末までの統計値で交通事故死者数を年間2500人以下にするとしている。この目標を達成するには残り1年間で全体の交通事故死者数を約23%減らす必要がある。

 単純計算すると、どの都道府県も1年間で23%ずつ死者数を減少させれば目標を達成できることになる。しかし、鳥取県の増加率は55.0%。滋賀県は46.2%となっており、なかなか一筋縄ではいきそうにない。さらに鳥取県は人口10万人当たりの死者数も2番目に多いため、死亡事故が発生しやすい県と言えるだろう。

 また、10万人当たりの死者数の少ない東京、神奈川、大阪においては、公共交通機関が発達しているため、自動車を運転する機会が少ないことも死者数の少なさに関係しているといえよう。

 逆に、人口減少や高齢化が進んでいる地域では、公共交通機関も減少し、高齢者が外出するために自動車を運転せざるを得ないことが死者数の増加に関係していそうだ。

 交通事故死者数を減らすために、近年、実証実験の行われている自動運転バスなどの次世代公共交通機関の登場や衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全機能の拡充にも期待したい。

 もちろん、ドライバー1人1人が安全運転を心掛けることも重要である。歩行者がいる場合は必ず横断歩道前で停止すること。ながら運転、飲酒運転などの危険行為は絶対にしないことなど、当たり前のことが真に当たり前になる交通社会を目指したい。

 ※他の都道府県の交通事故死者数が気になる方は【写真】ページへ。全データを掲載しています。

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