2019年11月27日 16:00 掲載

交通安全・防災 これって知ってた?自転車の交通ルールとマナー。

子どもから大人まで幅広い世代が利用する自転車は、便利で身近な存在だ。最近では健康志向や環境への配慮などで注目も高まっている。その反面、自転車のルールを守らないために交通事故が起こっていることも事実だ。自転車に乗るときは、ルールとマナーを守り、周囲に配慮をした安全運転を心がけよう。

JAF メディアワークス IT Media部 会田 香菜子

自転車関連の交通死亡事故で法令違反は約8割。

自転車乗車中死者の法令違反状況推移(2014年~2018年)

出典:警察庁交通局「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」

 警察庁によると、2017年の自転車乗車中の交通死亡事故では、何らかの法令違反が原因である場合が約8割もある。乗車中の負傷者も約6割が法令違反だ。
 そして最も多い事故の原因は、出会い頭での事故である。出会い頭での法令違反は、一時停止義務違反やスマホを見ながらの運転などが多いと思われる。
 自転車は気軽に利用できる便利な移動ツールだ。子どものころから乗っているからこそ、交通ルールを意識せずに運転してしまっていないだろうか。
 警察庁と都道府県警察では、自転車の交通事故防止のために「自転車安全利用五則」を守るよう呼びかけている。

自転車は車道走行が原則。

©Hassyoudo - stock.adobe.com

 道路交通法上、自転車は「軽車両」と位置付けられている。そのため歩道ではなく車道を走行することが原則だ。ただし例外として、以下のような、通行の安全を確保するためやむを得ないと認められるときは、自転車が歩道を走行することができる。後で解説しているが、やむなく歩道を走行するときは「歩行者優先」を守る必要がある。

  • 歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識等があるとき。
  • 13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が自転車を運転しているとき。
  • 道路工事、連続駐車などで車道の通行が困難な場合。または、自動車の通行量が著しく多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために追い越しをしようとする自動車などの接触事故の危険性があるとき。

 また、自転車道が設けられている道路では、道路工事などやむを得ない場合を除き自転車道を通行しなければならない。
 自転車は歩道を走るものである、と思われていた時代もあった。だが、現在、それは間違いだ。
 歩道は歩行者のもので、自転車は車道を走ることが原則であると覚えておこう。

【罰則】違反した場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。

自転車も車同様に"左側通行"。

右側通行は交通事故の原因になってしまう。

©Photographee.eu - stock.adobe.com

 自動車と同様に、自転車も車道を走行するときには左側通行をしなければならない。その際、道路の左端に寄る必要がある。
 また、自転車が走行できる路側帯は左側に設けられたものに限る。右側通行はそもそも違反であるし、他の自転車やバイクと狭いスペースですれ違うことになるので非常に危険だ。
 なお、路側帯には白い実線が2本のものがある。これは歩行者用であることを示すもので、自転車での走行はできない。

【罰則】違反した場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。

自転車が歩道を走行する際は「歩行者優先」で徐行運転を。

歩行者優先の運転を心がけよう。

©Takehiro - stock.adobe.com

 歩道はその名の通り歩行者優先だ。やむを得ない状況で歩道を走行するときには、自転車は車道寄りの部分を徐行しなければならない。そして歩行者の進行を妨げる場合には、一時停止をする必要がある。
 歩行者のわきを通過する際に、歩行者を脇に避けさせるためにベルを鳴らしてはいけない(いざという際に危険を知らせるためにベルを鳴らすのはよいが、予め危険なことが分かっていれば一時停止等をするのが自転車の義務)。もちろん、スピードを落とさずに歩行者の横をすれ違うのも違反

【罰則】2万円以下の罰金または科料。

安全ルールを守って危険を避けよう。

自転車の交通ルールを守って交通安全を目指そう。

©metamorworks - stock.adobe.com

 自転車乗車中についやってしまいそうなルール違反はまだある。これらのルールを守っているか、今一度振り返ってみよう。

●夜間のライト点灯
 夜間に自転車で走行する場合、前照灯及び尾灯(または反射器材)をつけなくてはならない。
 自分の進行方法を見やすく照らすという役目のほかに、まわりから自分の存在を目立たせるためでもある。夜間の暗闇は、自分が思っている以上に相手側から発見されにくい。
 気づかれず事故になるケースを避けるためにも、ライトを点灯させよう。

【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金。

●飲酒運転の禁止
 自転車は「軽車両」だ。だから、自動車と同じように飲酒運転は禁止されている。
 自分は乗らないからといって、意識を緩めるのも禁物だ。飲酒運転を行うおそれがある相手に酒類を提供すること、酒気を帯びている相手に自転車を提供することはしてはならない。
 自転車は歩行者と近い立場だと思ってしまい、飲酒に関する意識も弱くなってしまいがちかもしれない。
 「ちょっとなら大丈夫」、という気の緩みを起こさないように気を付けよう。

【罰則】違反した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金。(酒酔いの場合)

●二人乗りの禁止
 自転車の二人乗りは原則禁止とされている。ただし6歳未満の子どもを幼児用座席に乗せるなどの場合は例外として認められている。なおこの場合、運転者は16歳以上である必要がある。

【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金または科料。

●並進の禁止
 他の自転車と並んで進行することは禁止された行為だ。ただし、「並進可」の標識がある道路では2台までに限って並んで進行できる。
 自転車が並んで進行していると、しゃべりながらゆるりと進行しているから、何となくふらふらしていて危なっかしい。すれ違うにも幅を占めていて、大きく車道へ膨らんでしまうから怖い。
 周りに気を配るべきマナーである以前に、並進は違反なのだということを改めて肝に銘じる必要があるだろう。

【罰則】違反した場合、2万円いかの罰金または科料。

●交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
 2018年に都内で発生した自転車事故のうち、出会い頭の事故件数は5,000件を超えている。この出会い頭の件数の背後には、信号無視や一時不停止がある。
 標識がある場所では必ず一時停止をすることはもちろんだが、見通しの悪い交差点の通過時には徐行や一時停止をし、左右の安全確認をするように心がけよう。

【罰則】違反した場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。

●子どものヘルメット着用
 2008年の道路交通法改正で、第63条の11「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない」と定められたことをご存じだろうか。
 あくまでも「努力義務」ではあるのだが、法律に定められていることの重さを認識して、ヘルメットの着用を促すよう努めよう。

「ながらスマホ」もダメ、絶対!

スマホのながら運転は処罰の対象となる。

©itsajoop - stock.adobe.com

 自転車のながら運転はほとんどの都道府県の条例で禁止されている危険行為である。
 近年、自転車のながらスマホが原因の重大事故も発生しており、警察庁も注意を呼び掛けている。


 自転車はとても便利な乗り物だ。しかし、自転車の交通事故件数が近年増加の傾向にあることを忘れてはならない。
 自転車は「車両」であることを自覚して、ひとりひとりが交通ルールを遵守していこう。

ライターお勧めの関連記事はこちら