2019年06月07日 02:37 掲載

交通安全・防災 災害などのもしもの時のトイレを想像してみる《part2》  そうだ、車を仮設トイレとして使えばいいじゃないか!【第13回 オフィス防災EXPO】

災害時のトイレ問題。車内に備蓄できる非常用組み立てトイレ「おでかけトイレPOTON Ⅳ」を紹介する。

JAFメディアワークス IT Media 部 上條 謙二

おでかけトイレPOTON Ⅳ|オフィス防災EXPO|パッケージ

中央奥が、「おでかけトイレPOTON Ⅳ」のパッケージ。手前が、組み立て後の「便器」部分。

 まいにち(株)は5月29日~31日の3日間、「第13回 オフィス防災EXPO」において「おでかけトイレPOTONⅣ」を展示した。

仮設トイレの設置が行き渡るまで、トイレはどうする?

 車で走行中、渋滞が発生してトイレに行きたくなって困った。そんな経験がある人は少なくないと思う。その対策品として簡易トイレがいくつも製品化されている。今回とりあげた「おでかけトイレPOTON Ⅳ」も、そんな簡易トイレの一つなのだが、緊急災害時のトイレとして車の利用を想定している点がユニークだ。

 災害などによって、停電や断水、下水道や浄化槽へのダメージで、水洗トイレは使えなくなることがある。そこで仮設トイレの出番となる。東日本大震災のとき、「仮設トイレが避難所に行き渡るのにどのくらいの日数が必要だったか?」といえば、「3日以内」は34%、「4~7日」は17%という一方、「8日以上かかった」は49%というデータがある(「東日本大震災 3.11のトイレ」日本トイレ研究所 ※岩手・宮城・福島県の29特定被災地方公共団体のアンケート《仮設トイレが被災自治体の避難所に行き渡るまでの日数》より)。

 仮設トイレが設置されるまでトイレをどうするか。そこで車に備蓄した同製品の出番となる。

車に備蓄した簡易トイレで、車を仮設トイレとして活用できる。

おでかけトイレPOTON Ⅳ|オフィス防災EXPO|便器本体

2枚の段ボールを立体的に組み合わせた便器。切れ込みに差し込んで簡単に組み立てられる。車のシートの上に載せて使用することを想定し、便器高は低め。

おでかけトイレPOTON Ⅳ|オフィス防災EXPO|付属品

手前が、「便凝固剤」。奥が、「排便袋」。

 使用するには、まず、便器を組み立てる。2枚の平面の段ボールパーツを折り曲げ、重ね合わせて箱状の便器に組み立てる。車内のシートの上に乗せて使用することを想定しているので、組みあがった便器は110ミリほどの高さしかない。ただ表面素材は段ボールであるが、中にポリプロピレン素材を挟み込んで強度を上げている。耐荷重は300kg以上とのこと。実際に座ってみたがぐらつくことはなかった。しかも表面には防水加工を施してあるので、水に強く、繰り返しの使用も可能とのこと。使用時は、便器にポリエチレン製の排便袋(付属品)をかぶせてから、用を足し、汚物には凝固剤(付属品)をふりかけて固め、排便袋ごと取り出して処分する。またプライバシー対策として、目隠し用トイレポンチョがついている。

 また仮設トイレは、またぐ体勢を強いられる和式が多い。記者が事故で膝を負傷したとき、和式トイレをまたぐことに難渋した経験がある。またぐという体勢は下半身を中心に意外と体力を必要とすることにそのとき初めて気づかされた。またぐことが体力的に困難な高齢者や和式トイレに不慣れな子どもにとって、便器に座る形で使用できる点はメリットだろう。しかもマイカーという空間なので使用に関して気兼ねは不要だ。

 ただ車を一時的にでもトイレとして使用するとなると、やはり臭いの問題は大きいと思う。汚物を素早く固めて臭いを防ぐ抗菌性凝固剤は付いてはいるが、車内に臭いは残らないだろうか。またプライバシーの問題もトイレポンチョ(上半身から下半身まですっぽり隠せるが)だけでは完全に解決というわけにはいかないだろう。窓ガラスを覆えるカーテンのようなものも併用するとよいかもしれない。

 車に乗っているだけで何もしなくても目的地まで連れて行ってくれる、自動運転レベル5到来の未来が語られるようになっているのに、車内でのトイレ問題くらいスマートに解決できないのか! 理不尽な要求と思いつつも、深刻で避けることができない問題だけにそんな思いに強く駆られてしまった。

製品仕様

抗菌性凝固剤(7g):10袋
排便袋(ポリエチレン製):10袋
目隠し用トイレポンチョ:1個
組立便器(ポリプロピレン製):1個 《重量:約600g》
便器サイズ(組立時):約W275×D335×H110mm