セーフティ・交通 国が認定した67車種を発表。スタートしたばかりの衝突被害軽減ブレーキ認定制度とは。

国土交通省は4月23日、乗用車に搭載された「衝突被害軽減ブレーキ」の認定結果を発表した。同省では従来からJNCAP(自動車アセスメント)において「衝突被害軽減ブレーキ」性能評価を行っているが、それとは別に一定の性能があるかを審査し、今回、国内8社67車種152型式の乗用車が認定された。その認定基準や認定車種を詳報しよう。

2019年04月26日 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

衝突被害軽減ブレーキとは?

衝突被害軽減ブレーキ|イメージ画像

衝突被害軽減ブレーキのイメージ。

 「衝突被害軽減ブレーキ」(AEBS)とは、自動車が障害物を感知して、衝突の危険がある際にはブレーキをかけてくれる安全運転支援システムのこと。「自動ブレーキ」と呼ばれることも多いが、100%衝突を防げるわけではなく、条件によっては作動しないこともあるため「衝突被害軽減ブレーキ」というのが正しい。

 とはいえ衝突事故を防ぐ効果は大きく、高齢運転者による事故防止も大きな課題となっていることから、同省では、2020年までに衝突被害軽減ブレーキの新車搭載率を90%以上へ拡大することを目指している。

 また、同省ではJNCAP(自動車アセスメント)の予防性能安全評価でも衝突被害軽減ブレーキの評価を行っている。このため、同じことを重複してやっているような印象もあるが、今回の認定基準は衝突被害軽減ブレーキとして必ず満たすべき性能であることを認定するもので、車種間の性能差などは評価しない。一方、JNCAPでは、対歩行者なども含んだより厳しい条件で車種毎に性能差を評価している。

 衝突被害軽減ブレーキが付いた車を購入する際には、今回の認定を受けていることは当然の条件とし、その上でより高い性能まで比べて検討したい際にはJNCAPの結果を参考にするといいだろう。

衝突被害軽減ブレーキの認定基準は?

 この認定制度は、同省が昨年3月に制度を創設。昨年中に申請のあった自動車について認定審査を実施した。その認定基準は以下の通りだ。

【衝突被害軽減ブレーキの認定基準概要】

対象となる自動車:乗用車のうち、自動車メーカー等から同制度に係る申請があったもの。
認定の要件:以下の①~③の要件を満たすこと。

① 静止している前方車両に対して時速50キロで接近した際に、衝突被害軽減ブレーキによる制動制御により、衝突しないまたは衝突時の速度が時速20キロ以下となること。

② 時速20キロで同一方向に走行する前方車両に対して、時速50キロで接近した際に、衝突被害軽減ブレーキによる制動制御により、衝突しないこと。

③ ①及び②の衝突被害軽減ブレーキによる制動制御の少なくとも0.8秒前までに、衝突のおそれがある前方車両の存在を運転者に知らせるための警報が作動すること。

衝突被害軽減ブレーキ|認定基準|国土交通省

 この審査基準をクリアし、認定を受けた乗用車の情報は同省のホームページにて公表される。また、自動車メーカーが衝突被害軽減ブレーキの普及促進のための広報活動で活用できるロゴマーク(下図)も作成。認定車は、同マークを使用することができる。

衝突被害軽減ブレーキ|認定ロゴマーク|国土交通省

衝突被害軽減ブレーキの国土交通省認定ロゴマーク。

国交省認定の衝突被害軽減ブレーキ搭載車 

 今回認定された車種は下記の通り。

衝突被害軽減ブレーキ|認定車種一覧|国土交通省

 同省は、安全性能に優れた自動車の普及に効果的な施策を引き続き検討。今後も、衝突被害軽減ブレーキの普及啓発に取り組むという。