交通安全・防災 【JNCAP2018前期・衝突安全】
全4車種で最も成績がよかったのはどれだ!?
実際にクラッシュさせる過酷な試験動画も必見!

国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している「自動車アセスメント(JNCAP)」。 2018(平成30)年の前期の評価結果が11月29日に発表された。 予防安全と衝突安全の2種類の評価試験のうち、ここでは衝突安全の全4車種を、総合得点順にランキングにて紹介する。 合わせて、各車の評価試験の様子も動画で紹介する。

2018年12月10日 01:12 掲載

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 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している、「自動車アセスメント(JNCAP)」。2018(平成30)年の前期の評価結果が11月29日に発表された。

 評価試験は大別して、「予防安全性能評価」(予防安全)と「衝突安全性能評価」(衝突安全)の2種類がある。被害軽減(自動)ブレーキのように、事故を未然に防ぐための技術の性能を評価する予防安全の結果については、別記事『JNCAP2018予防安全ランキング! 10車種全11グレードを総合得点順に紹介。1位になったのははたして!?』をご覧いただきたい。

 ここでは、実際に衝突事故が起きた際の、乗員や衝突された歩行者の安全性を評価する衝突安全を取り上げる。2018年前期は、4車種が評価された。総合得点順にランキングにて紹介し、併せて過酷な衝突安全の評価試験を収録した動画も紹介する。車種は、以下の通りだ。

【スズキ】
・クロスビー

【トヨタ】
・カムリ
 ※アルティス(ダイハツ)を含む

【ホンダ】
・オデッセイ

【三菱】
・エクリプス クロス

2018年度からは総合得点が208点満点から100点満点に!

 ランキングの掲載をする前に、2018年度の衝突安全について説明する。今年度最大の特徴は、総合得点が2017年度までの208点満点から100点満点になったことだ。これは、2020年度に衝突安全と予防安全を統合するという計画があり、それに備えた変更という意味もある。

 しかも、単純に208点満点を100点満点にしたわけではない。評価項目として、「歩行者保護性能評価」(歩行者保護)、「乗員保護性能評価」(乗員保護)、「シートベルトの着用警報装置」(シートベルト着用)の3種類は変わらないが、2017年度までとは重みづけが変わったのである。

 これまでの208点満点の内訳は、歩行者保護が100点、乗員保護が100点、シートベルト着用が8点で、歩行者保護と乗員保護はイーブンだった。しかし、今回は根本となる社会損失額の考え方の基準が改められ、歩行者保護が37点、乗員保護が59点、シートベルト着用が4点となり、乗員保護に重きが置かれたのである。

各種試験の条件やダミー人形も2017年度までとは変わった!

 乗員保護性能評価試験には、3種類の衝突試験がある。正面衝突の「フルラップ前面衝突試験」(フルラップ)、運転席側だけが衝突する「オフセット前面衝突試験」(オフセット)、右真横から衝突される「側面衝突試験」(側突)だ。実際に、車両をクラッシュさせる過酷な試験だ。

 衝突試験では必ず運転席にダミー人形が座り、さらにフルラップでは助手席に、オフセットでは後席にもダミー人形が座らされる。そしてこれらのダミーの頭部、頚部、胸部、腹部、下肢部のセンサーで衝撃を計測しているのだ。各部の傷害値や、クルマのキャビンの変形を基に、乗員保護性能の度合いが5段階評価を受けるのである。

 フルラップで変更されたのが、助手席のダミー人形だ。これまでは、運転席も助手席も米国製「ハイブリッドIII」の成人男性型(身長175cm・重量約78kg、付属物を含めると約85kg)が使用されてきた。2018年度からは、助手席にはより小柄な成人女性型(身長150cm・重量約49kg、付属物を含めると試験時は約54kg)が使用されることとなった。

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2018年前期の衝突安全評価試験を受けた三菱「エクリプス」の衝突安全性能評価の動画のひとコマ。フルラップを真正面から撮影したもので、助手席のダミー人形がドライバーよりも小柄なのがわかる。この成人女性型は、オフセットでは後席に座らされる。

 そして側突では、評価車両の側面に実際に衝突するクルマを模擬した台車の重量が変更され、2017年度までの950kgから1300kgとなった。現在の車両で1トンを切るクルマというと非常に軽量な部類になるため、実情に合わせての変更といえる。

 さらに、ドライバー役のダミーも変更。側面衝突のみ従来の欧州製「ES:2」の成人男性型(身長170cm・重量約72kg、付属物を含めると試験時は約78kg)から、従来よりも人間に近づけて開発された側面衝突試験用ダミー「WorldSID(ワールドシッド)」の成人男性型(身長175cm相当・体重約74kg)となった。

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側突試験を受けるトヨタ「カムリ」。衝突試験の動画から、台車が「カムリ」の側面に衝突した瞬間。2017年までの台車は950kgしかなく、現在のクルマとしてはかなり軽量の部類に入る。2018年度からは1300kgの台車が使われるようになり、実情に近くなったった。

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運転席に座っているのが、2018年度から導入された側突用のダミー人形「WorldSID」の成人男性型。側面から衝撃を受けたときの人の身体の動き方により近づけられている。

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