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「パリジェンヌ」という文字に目が止まったアナタ。時代を映す女性「パリジェンヌ展」は見逃せません。

2018年02月10日 01:23 掲載

芸術の女神ミューズとしてのパリジェンヌ

 19世紀後半になり、伝統的な美術教育機関であったアカデミーに対し、印象派などの新しい芸術の流れが生まれる。そんな中、女性はモデルや芸術家のインスピレーション源となるミューズとなったり、アーティストとして才能を発揮できるようにもなっていく。

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エドゥアール・マネ《街の歌い手》1862年頃 Bequest of Sarah Choate Sears in memory of her husband, Joshua Montgomery Sears 66.304

 ミューズとして芸術家に影響を与えたパリジェンヌとして、ヴィクトリーヌ・ムーランが挙げられる。彼女はエドゥアール・マネの大作《街の歌い手》(上の絵画)のモデルとして有名であるが、10年以上にわたってマネのお気に入りのモデルであり続け、彼女をモデルとして多くの作品が生まれた。

 同じようにフェルナンド・オリヴィエもパブロ・ピカソに多大なインスピレーションを与えた存在(ミューズ)だった。彼女をモデルにして、キュビズム的形象のブロンズの頭部像《女性の頭部》が生まれるなど、ピカソの様式の独創的探求に力を貸したといえよう。

女性芸術家として活躍したパリジェンヌ

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メアリー・スティーヴンソン・カサット《縞模様のソファで読書するダフィー夫人》1876年 Bequest of John T. Spaulding 48.523

 印象派の女性のうち、ベルト・モリゾ、メアリー・スティーヴンソン・カサット、マリー・ブラックモンは職業画家としての道を歩んだ。これら3人は上流階級の出身で絵の教育を受ける環境にあったが、既述のヴィクトリーヌ・ムーランは、労働者階級の出ながらサロンに出展するなど勢力的に制作活動を行った。
 女性はひとりで自由に出歩くことも難しい時代に、芸術家として活躍する女性が現れ素晴らしい作品を残していることは特筆に価する。

20世紀のパリジェンヌ

 1900年の万国博覧会前後のパリでは、ミュージックホールやキャバレーで歌手や踊り子として女性が活躍した。仕事やスポーツに勤しむ女性も増え、社会的な役割や階級を超えて「自らを表現するパリジェンヌ」は20世紀芸術のアイコンとして、カルチャーやファッションの分野でも時代をリードする存在として輝き続けたのである。

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レギーナ・レラング《バルテ、パリ》1955年 Gift of Leon and Michaela Constantiner 2010.429 Münchner Stadtmuseum, Sammlung Fotografie, Archiv Relang

「パリジェンヌ」とは生き方である

 「パリジェンヌは流行ではない。それは生き方なのだ」。
既述した編集長のアルセーヌ・ウーセイによる言葉は、パリジェンヌの本質を捉えているように思える。  

 本展覧会で紹介されているパリジェンヌは、18世紀にサロンを仕切った知的な女主人から、1950年代に映画『素直な悪女』でコケティッシュな役を演じ話題になったブリジット・バルドーまでさまざまである。
 時代によって女性の社会的地位は異なれども、共通するのは、その時代を独自のスタイルを持って真摯に生きた女性の生き方であり、それが人々の憧れの的となってきたのではないだろうか。

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