2019年09月28日 15:00 掲載

旧車 誕生して53年! 初代から11代目までトヨタ「カローラ」の歴史に迫る


神林 良輔

初心に立ち返った8代目は1995年5月に登場

トヨタ カローラ AE110型 1995年式|Toyota Corolla AE110 Type 1995 Model year

AE110型「カローラ 1.5・16バルブEFI・SE-Saloon」1995年式。全長4285×全幅1690×全高1385mm、ホイールベース2465mm、トレッド前1470/後1460mm。車重990 or 1010kg。排気量1498cc・直4DOHC16バルブエンジン「5A-FE」搭載、最高出力100ps/5600rpm、最大トルク137.3N・m/4400rpm。サスペンション前後共にストラット式、ブレーキ前ベンチレーテッドディスク/後リーディングトレーリング式ドラム。8代目の発売日は1995年5月15日。2000年8月まで生産された。

 使い勝手のいいコンパクトセダンという原点回帰を果たした8代目「カローラ」。バブル経済崩壊後の開発となっただけに、トータルコストへの配慮もなされた1台となった。また、環境性能や安全性能も従来以上に重視されて開発されている。そして開発費抑制などの意味合いで、主要コンポーネントの多くは7代目から引き継がれたが、単にそのまま搭載するのではなく、トータルで50kgもの軽量化を実現した。ボディサイズに関しては、大人しめの雰囲気をした外見のため、高級化路線の頂点といわれた7代目よりも小型化したように感じられるが、実はそうではない。ホイールベースこそ同一だが、全長・全幅・全高共にすべて大型化した。

トヨタ カローラ AE110型 1995年式|Toyota Corolla AE110 Type 1995 Model year

人気車種は先代を踏襲してオーソドックスにまとめられることが多く、8代目のリアビューは、5代目と比較してもイメージ的に大きな変化は感じられない。

【8代目時代の「カローラ」史的トピック】
1995年5月15日:
セダンが8代目に、「カローラレビン」が7代目にフルモデルチェンジ
1997年1月13日:8代目から派生したミニバン「カローラ スパシオ」誕生
1998年6月:「カローラ セレス」が1代で生産終了
1999年7月:「カローラII」が4代目で生産終了
2000年7月:「カローラ レビン」が7代目で、セダンのGT系グレードが生産終了

コンセプトを刷新し大きく変貌した9代目は2000年8月に登場

トヨタ カローラ NZE121型 2006年式|Toyota Corolla NZE121 Type 2006 Model year

NZE121型「カローラ 2WD・1.5VVT-i G」2006年式。全長4365×全幅1695×全高1470mm、ホイールベース2600mm、トレッド前1490/後1470mm。車重1020kg。排気量1496cc・直4DOHCエンジン「1NZ-FE」搭載、最高出力110ps/6000rpm、最大トルク143N・m/4200rpm。サスペンション前ストラット式/後トーションビーム(TB)式、ブレーキ前ベンチレーテッドディスク/後リーディングトレーリング式ドラム。9代目の発売日は2000年8月28日。2006年10月まで生産された。

 1966年に初代が登場して30年余りが過ぎ、「カローラ」の顧客層は中高年層が増えていた。そこで、この9代目では「New Century Value(新世紀の価値)」というコンセプトを掲げ、若者層へのアピールが図られた。その一環として流麗なエクステリアデザインが採用された。このエクステリアは空力に優れ、空気抵抗係数(cd値)は0.29だった。プラットフォームも一新され、全長/全幅/全高/ホイールベースをそれぞれ80/5/85/135mm拡大。5ナンバー上限の全幅となった。

 エンジンも新設計。「VVT-i」(※1)を搭載した16バルブDOHCエンジンとして、1794ccの「1ZZ-FE」、1496ccの「1NZ-FE」、1298ccの「2NZ-FE」の3種類が開発された(排気量1974ccのディーゼルエンジン「2C-III」は踏襲)。足回りに関してはセダンはリアがストラット式からトーションビーム式に変更され、4WD仕様にはダブルウィッシュボーン式が採用された。

※1 VVT-i:Variable Valve Timing-intelligentの略。トヨタが開発した連続可変バルブタイミング機構。運転状況に応じて吸気バルブの開閉タイミングを最適化するシステムであり、中低速トルクの向上、低燃費化、排出ガスのクリーン化に貢献。

トヨタ カローラ NZE121型 2006年式|Toyota Corolla NZE121 Type 2006 Model year

デザインも機構も大きく刷新した9代目は、リアビューも現代的となった。つい最近のモデルのように見えるが、9代目ですらもう20年近く前の車種である。

【9代目時代の「カローラ」史的トピック】
2007年7月:
「カローラ レビン」が7代目で生産終了
2000年8月28日:
セダンが9代目にフルモデルチェンジ
2000年8月28日:
9代目から派生した5ドア・ステーションワゴン「カローラ フィールダー」誕生
2001年1月24日:4ドア・ハッチバックモデル「カローラ ランクス」(兄弟車「アレックス」)誕生
2001年5月21日:「カローラ スパシオ」が2代目にフルモデルチェンジ
2002年7月:「カローラ バン」が6代目で、「カローラ ワゴン」が3代目で生産終了

アクシオのサブネームがつけられた10代目は2006年10月に登場

トヨタ カローラ アクシオ NZE141型 2007年式|Toyota Corolla Axio nze141 Type 2007 Model yaer

NZE141型「カローラ アクシオ 2WD・G」2007年式。全長4410×全幅1695×全高1460mm、ホイールベース2600mm、トレッド前1480/後1465mm。車重1120 or 1150kg。排気量1496cc・直4DOHCエンジン「1NZ-FE」搭載、最高出力110ps/6000rpm、最大トルク140N・m/4400rpm。サスペンション前ストラット式/後トーションビーム式、ブレーキ前ベンチレーテッドディスク/後リーディングトレーリング式ドラム。11代目の発売日は2006年10月10日。2012年5月まで生産された。

 21世紀に入って最初の「カローラ」となる10代目は、誕生40周年となる2006年に登場した。そして9代目から始まったイメージの刷新は車名にも及び、サブネーム「アクシオ」がつけられたのが最大の特徴だった。外観のイメージは基本的には9代目を踏襲しており、2007年にはグッドデザイン賞を受賞。一方でプラットフォームは今回も大きな変化があった。これまでは全世界共通だったが、10代目では道路事情を考慮して日本専用設計のものが用意されたのである。

トヨタ カローラ アクシオ NZE141型 2007年式|Toyota Corolla Axio nze141 Type 2007 Model yaer

リアはコンビネーションランプのデザインが異なるが、基本的には9代目を踏襲している。

【10代目時代の「カローラ」史的トピック】
2006年9月:
「カローラ ランクス」が1代で生産終了
2006年10月10日:セダンが11代目にフルモデルチェンジ
2007年6月:「カローラ スパシオ」が2代目で生産終了
2007年10月9日:トールワゴン型小型車「カローラ ルミオン」誕生

よりコンパクトさを目指した11代目は2012年5月に登場

トヨタ カローラ NRE160型 2012年式|Toyota Corolla nre160 Type 2012 Model year

NRE160型「カローラ アクシオ 1.3X G EDITION」2012年式。全長4360×全幅1695×全高1460mm、ホイールベース2600mm、トレッド前1480/後1470mm。車重1050kg。排気量1329cc・直4DOHCエンジン「1NR-FE」搭載、最高出力95ps/6000rpm、最大トルク121N・m/4000rpm。サスペンション前ストラット式/後トーションビーム式、ブレーキ前ベンチレーテッドディスク/後リーディングトレーリング式ドラム。発売は2012年5月11日。12代目が2019年9月17日に発表されたが、この後も商用としてしばらくは生産が継続される予定だ。

 「アクシオ」としては2代目となる11代目「カローラ」は、「大人4人が、安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのコンパクトカー」というテーマのもとに開発が進められた。日本国内での取り回しに配慮するため、プラットフォームに選択したのは従来よりもひとつ下の「ヴィッツ」系である。ホイールベースは据え置きだが最小回転半径を若干ながら小さくすることに成功し、その一方でリアシートのヒザ前のスペースを40mm拡大した。

 そして11代目は12代目が登場した後も引き続き並行生産されるというレアなケースとなった。12代目はまず2018年6月に「カローラ スポーツ」が登場し、2019年9月17日に本命のセダンと、「カローラ フィールダー」の後継となる「カローラ ツーリング」が登場。これにより「アクシオ」のサブネームは2代で、「フィールダー」のサブネームは3代で終了することとなった。ただし、12代目「カローラ」が3ナンバーとなったことから、11代目は商用利用を考慮し、しばらくの間(おおよそ半年ほどだという)は平行生産することも発表された。新型と旧型が平行販売されるのは、1974年に3代目が登場したときに廉価版として2代目が並行生産されて以来となる。

トヨタ カローラ NRE160型 2012年式|Toyota Corolla nre160 Type 2012 Model year

11代目も9代目からの系譜となるエクステリアデザインが採用されている。

【10代目時代の「カローラ」史的トピック】
2012年5月11日:
セダンが11代目に、「カローラ フィールダー」が3代目にフルモデルチェンジ
2013年12月:カローラ ルミオン」が1代で生産終了
2018年6月26日:12代目の1モデルである4ドア・ハッチバック「カローラ スポーツ」誕生
2019年9月17日:セダンが12代目にフルモデルチェンジ。「カローラフィールダー」の後継モデルである「カローラ ツーリング」誕生


 時代の変遷と共に求められるクルマも変化し、どれだけ人気を博してもカタログから姿を消していったクルマは多い。そうした中、「カローラ」が50年を超えて現行車種でいられるのは、浮き沈みはあったにせよ、それぞれの代が多くの人々に愛されてきたからだろう。自動車産業にとって100年に1度の大変革の時代といわれる現在だが、今後、「カローラ」はどのように変わり、どのように愛されていくのか。誕生100周年の2066年を迎えるとき、はたして現行車種として存続しているのか。日本のモータリゼーションの50年を担ってきた「カローラ」の、次の50年に対する興味が尽きない。

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