旧車 サイドスリットに萌え……日本に最も輸入されたフェラーリのフラッグシップモデル「テスタロッサ」に迫ってみた!!

「BB512i」の後継モデルとして1984年に登場し、世界的な人気を誇ったフェラーリ「テスタロッサ」。 日本国内に輸入された第1号ということで、オートモビルカウンシル2018のオート・スペチアーレ・ブースで展示されていた「テスタロッサ」を撮影してきたので、お届けしよう。

2018年12月11日 16:00 掲載

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

サイドスリットが大きな特徴のフェラーリ「テスタロッサ」(1985年式)。今回の画像は、すべてオートモビルカウンシル2018のオート・スペチアーレ・ブースで撮影した。日本への輸入第1号車で、イタリア仕様なので左側にしかドアミラーがない。

 フェラーリは、1960年代に新興メーカーのランボルギーニに勝負を挑まれ、1970年代に入ってからもどちらが最高のスポーツカーを世に送り出すかで競っていた。そしてランボルギーニが、1974年に登場させたのが、革新的なデザインのスーパーカー「カウンタック LP400」(※1)だ。そしてフェラーリがその半年後に送り出したのが、「365GT4/BB」である(※2)。

 「365GT4/BB」のBBとは"ベルリネッタ・ボクサー"を意味し、ボクサー(※3)12気筒エンジンを搭載したベルリネッタ(イタリア語で"小型スポーツクーペ"の意味)というコンセプト。

 BBコンセプトはその後に、70年代スーパーカーブームで「カウンタック」と覇を競った「512BB」(1976~81、※2)に引き継がれ、さらに排気ガス規制対策で燃料供給をキャブレターからインジェクションに変更した「512BBi」(1981~84、※4)と続き、3代で終了となる。

 そして約5L(正確には4943cc)の排気量と、バンク角180度のV12エンジンをミッドシップに搭載するというコンセプトを引き継ぎ、フェラーリのフラッグシップモデルとして1984年に登場したのが、今回紹介する「テスタロッサ」だ。

※1 別記事『空前絶後のスーパーカー「カウンタック」を、今更ながら徹底解説!』に詳報

※2 別記事『1970年代スーパーカーブームをけん引した1台! フェラーリ「512BB」with「365GT4/BB」』に詳報。「365GT4/BB」と「512BB」を紹介している。
※3 ボクサーとは本来水平対向エンジンのことだが、実際にはバンク角180度のV型エンジンが搭載されている。水平対向とV型ではピストンの配置が異なるため、別の形式である。
※4 別記事『【オートモビルカウンシル2018】「テスタロッサ」、「512BBi」、「ディーノ」など、フェラーリを集めてみた!』に詳報。今回撮影した「テスタロッサ」のほか、「BB512i」、「328GT」、「348GT Competizione CORSA」などを紹介した。

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

パーツ単体で見てみると、例えばヘッドランプの造形などはとてもシンプルで時代を感じるのだが、全体としてみたときに30年以上前のクルマとは思えないデザイン。

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

「テスタロッサ」と、「512BBi」。1980年代を担ったフェラーリのフラッグシップモデルは、「512BB」および「512BBi」(外見は同一)と「テスタロッサ」となる。美しいが70年代テイストを感じる「512BBi」に対し、「テスタロッサ」は新しさを感じる。「512BB」も「テスタロッサ」もカロッツェリア(デザイン工房)のピニンファリーナが担当した。

世界的な人気を博してバブル期の日本にも数多く輸入された

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

撮影したオートモビルカウンシルは、旧車・ヒストリックカーの展示会。後方には別のショップのポルシェが見える。

 「テスタロッサ」は1950年代に活躍したフェラーリのレーシングカー「250テスタロッサ」にちなんで命名され、世界的な人気を博した。「テスタロッサ」とはイタリア語で赤い(rossa)頭(testa)という意味で、エンジンのカムカバーが赤いことに由来している。これは「250テスタロッサ」から引き継がれた伝統である。

 総生産台数は、1984年から1992年までの8年間で約7000台。フェラーリのフラッグシップモデルとは思えないほどの台数が生産された。世界的にも人気を博したが、バブル期の日本にも多数が輸入され、最も多く輸入されたフェラーリのフラッグシップモデルとしての記録を有している。

 また、米国のポリスアクションTVドラマ「マイアミ・バイス」において、主人公のジェームズ・ソニー・クロケット捜査官が途中から自分専用の公用車として白い「テスタロッサ」を使用し(潜入捜査官で、麻薬ディーラーを演じているので派手なクルマに乗るという設定)、カーアクションを展開。「テスタロッサ」人気に一役買うこととなった。

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

テスタロッサのバンク角180度V12エンジン「F113A型」。下側に見えている赤い結晶塗装を施された部分が、「赤い頭」の由来である、赤いカムカバー。

フェラーリ テスタロッサ|ferrari testarossa

「テスタロッサ」はワイドスパンなのも特徴。先代の「512BB」および「512BBi」が1830mmなのに対し、「テスタロッサ」は1976mmとなっている。また、マフラーは左右2本ずつの4本出し。12気筒なので3気筒ずつ束ねている。

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「テスタロッサ」といえばサイドスリット!