2019年06月20日 01:00 掲載

次世代技術 スーパーカーも軽自動車も! 高剛性ボディの今:ホンダ編【クルマ解体新書】


JAFメディアワークス IT Media部 日高 保

先代から剛性を大幅にアップしたフラッグシップセダンの5代目「レジェンド」(2015年2月発売)

ホンダ レジェンド 5th|honda legend 5th

2014年11月に発表され、2015年2月から発売を開始した5代目「レジェンド」。ホンダのフラッグシップセダンだ。「オートモビルカウンシル2018」にて撮影。

 2015年2月に5代目が登場した高級セダン「レジェンド」。ホンダのセダンのフラッグシップモデルで、「G-CON」技術が基本骨格に導入されている車種では最高級車。5代目は先代と比較した場合、静止状態でのクルマ全体の変異を評価する「静剛性」において曲げ剛性で53%、ねじり剛性で47%の向上を達成した。走行中における「動剛性」においては、フロント左右剛性で52%、リア上下剛性で97%の向上となっている。

ホンダ レジェンド 基本骨格(G-CON)|honda legend frame (g-con)

5代目「レジェンド」の基本骨格。先代と比較して、静剛性、動剛性共に大幅に向上された。

 基本骨格の軽量化も推し進められ、まずアルミ部材の採用率が拡大された。ホンダが開発したスチールとアルミの結合技術「異種金属結合」が用いられており、すべてのドアスキンがアルミ化されている。これにより、先代との比較でドア部分のみで1台当たり約11kgの軽量化を達成した。さらに、ボンネットフード、フロントフェンダーなど多くの部品にもアルミが用いられており(下画像参照)、それらがすべてスチール製だった場合と比べると約35kgもの軽量化となっている。

5代目「レジェンド」のアルミ部材が使用されている部位。「レジェンド」プレスインフォメーションより。

 また先代と比較して、5代目は高張力鋼板の使用率が増えたことも挙げられる。キャビンの周囲を中心に980MPa級以上の超高張力鋼板が新たに採用された。さらに、上で紹介した「ヴェゼル」と比較した場合、フラッグシップの最高級セダンであることもあるが、1500MPa級・超高張力鋼板の採用率が1%から7%へと大きく増えていることもわかる。

ホンダ レジェンド 5代目 ハイテン材使用率|honda legend 5th

270MPa以上の高張力鋼板の使用率は55%。980MPa以上の超高張力鋼板も14%採用されている。「レジェンド」プレスインフォメーションより。

普及車ながら超高張力鋼板も使用したコンパクトミニバン・2代目「フリード」(2016年9月発売)

小型ミニバン・2代目「フリード」の中の上級モデル「フリード+」2018年式。ホンダウェルカムプラザ青山にて撮影。

 コンパクトサイズのボディに大人がきちんと座れる3列シートを組み込んだカテゴリーを、ホンダでは"コンパクト・ミニバン"と呼ぶ。元祖は、2001年12月に発売開始となった「モビリオ」で、その後を継いだのが2008年5月に誕生した初代「フリード」だ。現行の2代目は2016年9月の誕生である。

「フリード」の基本骨格。「フリード」には上級モデルの「フリード+」があり、さらにハイブリッドモデルや車いす搭載用低床フロアの福祉車両などさまざまなバリエーションがあるが、それらをすべてひとつの基本骨格と、最小限の専用パーツで実現するため、「マルチ・シェル骨格」が採用されている。先代との比較で、車体全体のねじり剛性が22%向上している。

 超高張力鋼板の採用率を増やせばそれだけ車両価格に影響するため、700万円オーバーの「レジェンド」とは異なり、200万円を切る普及車の「フリード」では使用率が1.5%と抑えられている。「フリード」ではフロントピラー(Aピラー)に採用された。右左折時の斜め前方の死角を減らすために、フロントピラーを細くしたからだ。

「フリード」の高張力鋼板の種類と使用箇所、そして先代とも比較できる使用割合の円グラフ。先代と比較すると、8年の間にエントリーモデルでもより高張力の鋼板を使用できる割合が増えていることがよくわかる。

 そして衝突安全を考慮した設計であることを示したのが、下の荷重伝達経路を示した基本骨格図。それぞれの方向から大きな衝撃が加わった場合、それがどのように基本骨格を伝わっていくかがわかる。

左から前面、側面、後面衝突時の荷重伝達経路を示した図。前面衝突では、ロードパス構造の最適化を行うことで、より効率的に衝撃を吸収できるように設計されている。側面衝突時は、ハイブリッド車のインテリジェントパワーユニットを保護するため、クロスメンバーに衝撃を伝える構造を追加。そして後面衝突時には、リアフレームに衝撃が分散される構造としている。

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続いては2017年の2代目「N-BOX」と2018年の初代「N-VAN」

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