次世代技術 究極のオープンカーが大阪城に?自動走行車「iino」実証実験。移動しながら日本舞踊や茶道を楽しむユニークなサービスとは。

2020年に東京オリンピックを控え、日本各地で外国人観光客をもてなす施策が検討されている。そんな中、大阪城公園で自動走行モビリティに乗りながら日本伝統文化を楽しめるというユニークな実証実験が始まった。

2019年03月25日 15:38 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

 関西電力株式会社(大阪府大阪市)と損保ジャパン日本興亜株式会社(東京都新宿区)は3月17~21日の5日間、大阪城公園において自動走行モビリティ「iino」を活用した移動空間サービスの実証実験を実施した。

日本伝統文化×自動走行モビリティ

次世代自動走行モビリティ|iino|実証実験|大阪城

次世代自動走行モビリティ「iino」。上写真では、走行中に乗り降りが容易な、移動用のモビリティをイメージしたボディとなっている。

 「iino」とは、関西電力が開発した次世代型低速自動走行モビリティ。「移動に、利便性を超えた新しい価値を提供する」というコンセプトのもと開発された。最大の特徴は、時速1~5キロという低速で走行すること。徒歩に近いスピードなので、観光地の風景をゆっくりと観察しながら移動したり、移動しながら別のサービスを受けられるというメリットがある。iinoには決まったボディの形はなく、用途によってカスタマイズが可能だ。

 今回の実証実験では、大阪城に訪れた外国人観光客に向け、iinoの上で日本舞踊や和楽器演奏、お茶や和菓子の移動販売を行う。ただ移動するだけでなく、日本伝統文化を楽しみながら移動できるのだ。ちなみに座席は畳敷きで、野点傘が設置されていて、お茶屋さんのような外観にカスタマイズされている。

実証実験の反応は?

 上動画では、iinoの上で日本舞踊や茶道をしながら実際に走行する様子を見ることができる。舗装されていない広場を通る時はさすがに揺れているが、舗装路を走っている時は安定していて、大阪城をバックにゆったりとお茶を飲めそうだ。

 今回の実証実験で乗車した観光客からは以下のような声が聞かれたという。

日本茶&日本舞踊コンテンツ体験者(アメリカ人)
 「大阪城で舞踊が見れると思ていなかったので、大変満足している。 とてもクールなサービスだ。貴重で忘れられない体験ができた」

移動販売体験者(ミャンマー人)
 「最初、お茶を売っていることに気づかなかった。しっかりと見ようと思ったら通り過ぎてしまったので、分からずじまいの人も多いのではないか。乗車してみると、ゆっくりした速度で大阪城を見ながら日本茶を堪能できて、とても心地よかった」

 どうやら観光客からの反応は上々なようだ。

 また、関西電力の担当者は、「移ろいゆく大阪城を借景として、多くの観光客に日本の伝統文化を体験していただき、これまで"格式高く、特別な体験"だった伝統文化を"シンプルでカジュアルな体験"に変えて提供することができたと思っている。 今回の実証実験で多くの気づきと成果を得ることができた 」とコメントした。

 同社は以前にも、ヘッドスパをしながらiinoで移動するという実証実験を実施して話題を集めた。今後も、iinoとさまざまなコンテンツを組み合わせたサービスの開発を進め、安全性と有用性を確認できたものから、商業施設の敷地内や遊園地などリゾート施設の敷地内において順次サービスを開始するという。

大阪城公園における実証実験の概要

実施内容:低速(時速1~5km)で移動するモビリティ「iino」上で、以下のようなコンテンツを提供し、今後のサービス化の実証する。
 ①日本伝統文化に関するパフォーマンス型のコンテンツ(茶、日本舞踊、三味線)
  実施場所:西の丸庭園
 ②和楽器を中心とする演奏を複数台のモビリティを同時走行させるコンテンツ
  実施場所:西の丸庭園
 ③茶・和菓子等のポップアップ式移動販売
  実施場所:西の丸庭園・城南エリア・市民の森

期間:2019年3月17日~21日
実施者:関西電力、損害保険ジャパン日本興亜
実施場所:大阪城公園内(西の丸庭園、城南エリア、市民の森など)