ニュース・プラス “EVハーレー”いよいよ登場。「ハーレー乗り」の心を掴むことができるか。

2018年11月13日 01:49 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一

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 ハーレーダビッドソンは11月7日、ミラノ国際モーターサイクルショーで、同社初となる電動バイク「LiveWire(ライブワイヤー)」(写真上)を公開したと発表した。

 LiveWireが初めて公開されたのは2014年。この時はプロトタイプとしての登場だった。その後ブラッシュアップを重ね、今回、市販予定モデルとして初公開に漕ぎ着けた。

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 ハーレーダビッドソンではLiveWireの特性を「スロットルを回した瞬間に、驚異的なトルクと加速を生み出す」としている。これはまさにEVの特徴だ。エンジン車とは異なり、モーターは回り始めから最大の力を出すことができる。加速したいときに、エンジン車のように回転の上昇を待つ必要がないのだ。有り余るパワーのためか、LiveWireにはトラクションコントロールが搭載される見込みだ。充電は従来のフューエルタンク部分から行う(写真上)。

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 電動車らしく、クラッチ操作やギアチェンジもいらない。車体は低重心、高剛性で「ダイナミックな操作性」を謳う。足回りはショーワのサスペンション(写真上:リア)とミシュランのタイヤ(前幅120mm、後幅180mm)で固められる。都市のライダーに向けたセッティングというから、航続距離に難のある電動車にはジャストフィットなターゲットと、それに合わせた乗り味になっている模様。

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 発表された写真をぱっと見たとき、ややもするとEVならではの新奇性があまり感じられない。2009年に製造を中止した、ハーレーダビッドソンのエンジンを搭載したスポーツバイク「Buell(ビューエル)」(写真上左。右がLiveWire)に似ているからかもしれない。さらに、とても気になることがある。リリースでは「次世代ハーレーダビッドソンのサウンドを愉しめる」としているが、まさにここである。

 現在、ハーレーダビッドソンの、強烈なエンジンのパルス感とともに奏でられる「ドドドッ、ドドドッ」という3拍子に近い排気音に魅力を感じている"ハーレー乗り"は非常に多い。特に日本では、そうした「伝統的な鼓動」を感じられるモデルに人気がある。ハーレーダビッドソンにはもっとスムーズで静かに走るモデルもラインナップされているが、街中で見るハーレーは、昔も今も「ドダラララッ」っと勇ましい音とともに駆け抜けていく。それがハーレーのりにとっては大きな魅力の一つであった。

 しかし、次世代ハーレーの音は「キーン」という、いかにも「モーターで走っています」という音だ。そこに多くのハーレー乗りが魅せられた「鼓動」は、当然ない。だから、恐らく、大部分の現行ハーレーオーナーには受け入れられないのではないか、と思った。

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 だが。ハーレーダビッドソンとしてもそんなことは百も承知だろう。逆にLiveWireによって、これまでとはまったく嗜好が異なる新しいユーザーを獲得する可能性もある。古い価値観やヒストリカルなカルチャーには見向きもしない層には、LiveWireはとても魅力的に映るかもしれない。なんといっても唯一無二のブランド「ハーレーダビッドソン」なのだ。静かで速いハーレーが新しい魅せ方をする可能性は十分秘めている。

 気になる価格とスペックだが2019年中の発表になるとする一方で、日本への導入有無や仕様については「現時点で未定」となっている。

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