ニュース・プラス 停電時に「太陽光発電があって便利だった」が約6割。残り4割は、なぜ便利と感じなかったのか?

2018年11月14日 00:12 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

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メーカーや機種によってさまざまな種類があるソーラーパネル。設置数は年々増加している。

 株式会社グッドフェローズ(東京都品川区)は10月29日、家庭用太陽光発電を設置している全国のユーザー141名を対象に行った「太陽光発電と停電に関するアンケート調査」の結果を発表した。

「太陽光発電があって便利だと感じた」と回答したユーザーは約6割

 太陽光発電は、風力発電や水力発電と同じく、再生可能エネルギーを使用している発電方式の一つ。資源が枯渇しないだけでなく、火力発電のように温室効果ガスを排出しない。自治体の補助金制度や発電した電気を電力会社が買い取る売電の普及により2011年では98万件だった導入件数は、2016年に約2倍の200万件に増加している。(※一般社団法人太陽光発電協会調べ)

 そんな太陽光発電の中でも家庭用太陽光発電の多くは、停電時に非常時電源として利用できる。実際に家庭用太陽光発電を設置しているユーザーは、非常時電源として利用した結果をどのように感じているのだろうか?

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太陽光発電を設置済みかつ停電を経験したユーザーに調査を行った結果。(株)グッドフェローズ調べ

 上円グラフを見てみよう。「停電時に太陽光発電があって、便利だと感じたことはありますか?」という質問に対して、55.2%が「便利だと感じた」と回答している。その反面、44.8%ものユーザーが「便利だと感じなかった」と回答している。停電している状況で、電気が使えることはさぞかし便利だろうに、なぜ約4割以上ものユーザーは、便利と感じなかったのだろう。

約3割が停電時の利用法を知らなかった!

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非常時電源として使用できることを知らないユーザーが約3割。自宅に太陽光発電を設置している人は、自宅の設備がどうなっているか確認して欲しい。

 停電を経験したユーザーへの「停電時に太陽光発電を非常用電源として利用する操作方法は知っていましたか?」という質問に対して、67.2%が「知っていた」と回答する一方で、「知らなかった」と回答した人が29.3%を占め、非常時の利用法を知らずに、太陽光発電を活用できていないユーザーが多数いたことがわかる。つまり停電時に太陽光発電を便利だと感じなかったと回答した約4割のユーザーのほとんどは、非常時の利用法を知らなかったのではないだろうか。

 「知らなかった」と回答したユーザーの意見を見てみよう。「太陽光の利用を意識していなかった(岡山県/60歳以上の男性)」「停電時に使えることを知りませんでした(福岡県/40代男性)」などと、そもそも非常用電源として利用する認識がなかった人がいた。さらに、「延長コード等を準備していなかったので、スマホ充電以外の有効利用はできなかった(静岡県/40代男性)」と対策をしていなかったことで十分な恩恵を受けられなかったと回答する人。「停電時でも太陽光発電を利用して家中の電気を利用できると勘違いしていた(静岡県/40代男性)」と、太陽光発電の利用方法を誤って認識している人もいたそうだ。便利だと感じなかったユーザーから、十分に活用できなかった背景がうかがえる。

自立運転コンセントはどこにある?

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自立運転コンセントの設置場所例。パワーコンディショナーが壁の高い位置にある場合、延長コードなどが必要となる。(参照:環境省「太陽光発電の賢い使い方~停電・災害時の自立運転コンセントの活用」)

 なぜ家庭用太陽光発電のユーザーの多くは、非常時電源としての利用の仕方を知らなかったのだろうか。同社の調査では、「設置を請け負ったハウスメーカーの担当者から、説明がなかった」「コンセントの場所が分からなかった」という声が挙がったそうだ。そのコンセントの位置を見てみよう。

 太陽光発電を非常時電源とする際には、通常使用しているコンセントとは別の「自立運転出力用コンセント」を使用する必要がある。上図のように壁の上の方に設置されているパワーコンディショナーの側面や屋外にある場合もあり、確かに分かりにくいといえる。延長コードを準備しておかなければ、ほとんどの家電がコンセントに届かないだろう。また、多くの設備は、1500Wが消費電力の上限であり、家中の全ての家電を同時に使えるわけではないことも理解しておきたい。

 また、自立運転出力用コンセントを利用するには、太陽光発電設備に装備されている自立運転機能に切り替える必要がある。中には自動切り換え機能がある設備もあるが、多くは手動で切り換えの操作をする必要がある。操作方法はメーカーや機種により異なるため、自宅の設備の取扱説明書を確認しておかないと非常時にスムーズに利用することはできないだろう。

 家庭用太陽光発電のユーザーは、いつ起こるか分からない停電や災害に備え、手順を確認しておくといいだろう。基本的な切り替え手順は下記の通りだ。

 1. ブレーカー(建物全体の主電源)をオフにする
 2. 太陽光発電用ブレーカーをオフにする
 3.「自立運転モード」に変更する
   (通常は、パワーコンディショナーの再起動で可能)
 4. 「自立運転用コンセント」に、使用する機器を接続する
  (パワーコンディショナーに付属していることが多い)

 メーカーや機器によって上記の操作方法は異なる場合もあるので、詳細については各製品のマニュアルを必ず確認して欲しい。

 実際に自立運転に切り換え、家電を使ってみればより理解が深まるだろう。もちろん、自立運転出力用コンセントから家電までの延長コードを用意することも忘れずに。