2018年10月23日 09:12 掲載

ニュース・プラス 関越交通路線バスとヤマト運輸が連携し、
群馬県初の「貨客混載」を開始。


JAFメディアワークス IT Media部 大坂 晃典

 関越交通株式会社とヤマト運輸株式会社は、10/16(火)より、群馬県沼田市と同県利根郡片品村を結ぶ路線バスで、宅急便を輸送する貨客混載を開始した。貨客混載に関する別記事はこちら

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2018年10月16日、鎌田バス停にて本取り組みの開始に伴う式典が開催された。

相互にメリットのある「貨客混載」

 関越交通の沼田駅~鎌田間のローカル線は、地域住民の重要な交通手段でありながら、収入減により赤字路線となっていた。一方のヤマト運輸では、利根町地区と片品村地区の配送先に荷物を配達する際、午前中に配送に向かったトラックが、午後分の荷物を支店へ取りに戻る必要があった。

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赤のラインがバスの路線。沼田駅から片品村までを結ぶ、地域住民にとっては重要な交通手段だ。

 この取り組みでは、関越交通の路線バスが、ヤマト運輸の沼田支店で午後分の荷物を預かり、下街道バス停(利根町)および鎌田バス停(片品村)で、それぞれの地域を担当するヤマト運輸のセールスドライバー(以下SD)に引き渡す。これにより、関越交通は宅急便の輸送による新たな収入源が生まれ、ヤマト運輸のSDは午後分の荷物を支店へ取りに戻る必要がなくなる。また、ローカル線の路線網維持と物流の効率化が実現されることで、地域住民の生活サービスの向上にも結びつく。

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取り組みの概要図。JR沼田駅を出発したバスがヤマト運輸の沼田支店で荷物の積込を行い「下街道」「鎌田」の両バス停でSDに引き渡す。

関越交通のメリット
・地域住民の重要な交通手段を維持し、収入減で赤字になっていた路線の収入源確保を実現。

ヤマト運輸のメリット
・走行時間が約1時間削減されることで、現地での滞在時間が増え顧客の要望に応えやすくなる。
・SDの休憩時間が取りやすくなるなど労働環境の改善、CO2排出量の低減にも貢献する。

貨客混載のためバスの一部を改造

 貨客混載の開始にあたっては、一定量の荷物を積載できるようバス車両中央の5席分の座席を減らして荷台スペースを確保。効率良く宅配便の積込・引渡ができるようになっている。

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改造した荷台スペースに荷物を積み込むサービスドライバー。

ヤマト運輸での呼び方は「客貨混載」?

 こうした取り組みは一般的に「貨客混載」と呼ばれているが、ヤマト運輸では「お客様が優先」との思いを込めて「客貨混載」としている。また、ヤマト運輸での取り組みは早く、2011年にさかのぼる。当時、京都にて環境負荷の軽減を目的に、京福電鉄(嵐電)を利用した宅配便輸送を開始。2015年6月には、トラックドライバー不足を補う目的で岩手県北自動車の路線バスを利用した宅配便輸送を開始している。現在では、全国13道府県(京都、岩手、宮崎、北海道、熊本、兵庫、愛知、長野、和歌山、徳島、岐阜、大分、福井 ※開始した順)で運用中。今後も、高齢化や過疎化が進む地域などにおける課題解決と地域活性化に取り組んでいくとのことだ。