ニュース・プラス あのスズキ「カタナ」の新型が登場! 昔を知るライダーが「カタナ」と聞くと身震いする理由とは?

2018年10月04日 12:23 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一

18100352-01.jpg

 スズキは10月2日、ドイツ・ケルンで7日まで開催中の二輪車ショー「インターモト」で、「KATANA(カタナ)」(写真上)を発表した。

 カタナといえばスズキを代表する車名である。1980年に「GSX1100S KATANA」としてケルンモーターショーで発表された。日本刀をイメージしたセンセーショナルなスタイリングを引っさげて登場し、見る者に衝撃を与えた。当時としてあまりにもコンセプトモデル然としていたので、81年に市販された際は世界中で大きな反響があった。

かつて世界中を震撼させた「カタナ」はどんなスタイルだった?

18100352-02.jpg

GSX-1100Sファイナルエディション

 この衝撃的なデザインは、元BMWのデザイナーのハンス・ムート率いるターゲットデザインが担当した。パフォーマンスも抜群で、1100ccの空冷4スト直4DOHCエンジンが搭載され、優れた空力性能も持ち合わせていたことから、世界最速との呼び声も高かった。

 当時日本国内は通称"ナナハン規制"が存在し、国内販売のバイクは750ccが上限とされたため、正規販売はされなかった。日本に導入されたのは82年。「GSX750S」として発売された。デビュー当時はナナハン規制に限らずバイクに対する型式認定が厳しく、排気量が750ccになっただけでなく、特徴的な風防は外され、ハンドル位置が高くなり、カタナという名称さえも名乗っていなかった。だが、ライダーの間ではカタナのハンドルを元の高さにしたり風防をつけたりして走行することが流行った。その結果、多くのカタナユーザーが警察の取り締まりで検挙された。一部メディアやライダーの間ではこれをして"刀狩り"だと揶揄したのである。元々高速域でも安定して操作できるようにと決められた風防やハンドルポジションを、保安基準に適合させるため変更を余儀なくされたことが理不尽に映ったのだろう。その後、風防が認められた後継車(写真下)が出たものの相変わらずカタナという名前を使うことはなかった。

18100352-03.jpg

 そうした逸話に事欠かないほどに人気を博したカタナからは、たくさんの後継車種と派生モデルが生まれた。その間、世のバイクもどんどん高性能化してきたことや、新しいデザインを持つモデルが次々登場したことなどによって、ほとんどのカタナは生産終了していく。それでも、保安基準等の改正により認可された1100ccモデルの人気は高かった(このときはすでにカタナを名乗っている)。排ガス規制等に対応できなくなった2000年に、スズキより生産終了が発表された際、1100台限定で登場した「ファイナルエディション」は即完売した。

新生「カタナ」は受け入れられるか?

 そのカタナが生産終了になって18年、新生カタナが登場した。かつてのイメージが強烈過ぎるゆえに「これがカタナかよ」という、昔を知るライダーからの声があるのも事実。だが一方で、かつてのカタナのイメージをうまく取り入れて現代的なデザインに昇華させ、かつパフォーマンスも十分以上のものを備える新カタナは、新しいファンを獲得する可能性がある。発表されたスペックは1000cc水冷4スト直4エンジン搭載で110kw(およそ150馬力)を発生する。車重が215kgなので「速くない訳がない」性能だ。スズキの浜松工場で生産され、2019年春から欧州を中心に販売開始予定だ。なおスズキ広報によると、国内販売の有無や開始時期、価格、スペックは未定とのことだ。

 かつての名車を現代のテクノロジーで復活させた最近の例として、2017年に登場したカワサキ「Z900RS」がある。Z900RSの販売は非常に好調で、これが原動力になり2018年上半期のバイク販売台数(250cc超)でカワサキが7年ぶりにトップになった。このZ900RSは、過去の名車のデザインを最大限引用した姿形だ。一方の新型カタナは、その文脈を取り入れつつも、相当に新規性に富んだデザインになっている。リバイバル車といっても両車は真逆のアプローチを取っているわけだ。スズキもリバイバル車大ヒットの波に乗れるのか注目したい。