ニュース・プラス EVは本当に環境にやさしい? 独ADACが総CO2量を試算

2018年04月18日 00:22 掲載

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(c) JAF Media Works

 今年2月、ドイツでは環境保護のため、各都市においてディーゼル車の走行を禁止できる判決が下された。これにより将来のクルマは、排ガス対策の難しいディーゼル車からEV(電気自動車)へと変化していくと見られている。

(詳しい記事はこちら「ドイツで都市ごとのディーゼル走行禁止が可能に。EVシフトにさらなる追い風か?」

 こういった流れの中、ADAC(ドイツ自動車連盟)が「EVは本当に環境にやさしい?」という記事を発表した。同記事では、地球温暖化の原因であるCO2(二酸化炭素)の排出量を、ガソリン車、ディーゼル車、PHV(プラグインハイブリッド)、EVなど燃料の異なる車種ごとに割り出している。

製造から処理まで、クルマ1台が排出する総CO2量を測定

 この調査結果が興味深いのは、クルマの「走行」時に排出するCO2だけでなく、クルマの製造から処理(リサイクル)まで、また燃料の製造から使用時まで、1台のクルマが排出する総CO2量を導き出している点である。 以下、ADACから許可を得て翻訳した記事の一部を紹介しよう。

EVは本当に環境にやさしい?

1台のクルマの総CO2排出量

 一般的に環境保護にとってEVは希望の星だといわれる。本当にそうだろうか?
 ADACは今回初めて、1台のクルマの「製造/リサイクル」から「走行」「整備」「処理」まで、それぞれの過程において排出される総CO2の値を算出した。

 2015年のパリ協定において、ドイツ政府はCO2排出量を2025年までに、80~95%削減する目標を掲げた。そのためにはガソリン、ディーゼルなど内燃エネルギー車から温室効果を増長しない再生可能エネルギー(太陽光や風力など自然界にあるエネルギー)を動力とするクルマに転換していく。この目標に向けてドイツの自動車メーカーは、EVの生産を推し進めてきた。

クルマ1台の寿命を走行距離15万kmと想定し計算

 しかし、EVは本当に環境にやさしいクルマなのだろうか? EVの車体やバッテリーの製造、走行に必要な電気の発電においてもCO2は同じように排出される。いったいその量はどのくらいなのだろうか? そして内燃エンジン車と比べるとどうなのだろうか? これについての統計は存在しない。よってADACはハイデルベルク・エネルギー&環境研究所とともに、データを収集し分析を行った。条件として、クルマ1台の寿命を走行15万kmと想定し、次の3つの項目でのCO2排出量を計算した。

1.自動車の「製造」と「リサイクル」におけるCO2排出量
2.自動車で使う「燃料の製造」と「電気の製造」におけるCO2排出量
3.自動車の「運転」におけるCO2排出量(ADACが独自で行った自動車テストの数値を使用)

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大型車~小型車における総CO2排出量は?