ニュース・プラス 高齢者ドライバーを
尊重する
独ADACの取り組み。

2017年06月28日 02:21 掲載

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© picture alliance / Westend61 / Chris Adams

 高齢ドライバーによる交通事故が相次いで報じられている。
 警視庁が5月末に発表した「交通事故統計」によると、2017年の原付以上の運転者の死亡事故件数のうち、65歳以上の高齢者が320件と3割近くを占めている。
 一方で、免許保有者10万人当たりの死亡事故件数はというと、運転経験の少ない16~19歳が最も多く3.70件、2番目に多いのが75歳以上の高齢者で2.94件、65~69歳は1.25件、70~74歳は1.51件と、平均値であることが明らかになった。

 運転することに自信がなくなったり、家族から「運転が心配」といわれた高齢者は、運転免許証の自主返納を薦めたり、ネット上で高齢者の運転免許没収といった論争が行われるなど、高齢者ドライバーへの風当たりが強い風潮を感じなくもない。高齢者ドライバーが安全にクルマを運転するとともに、運転する権利を尊重する道はないのだろうか? 海外の高齢者ドライバーの例から高齢者の運転について考察してみたい。

ドイツADACとは?

 ドイツのAllgemeiner Deutscher Automobil Club e.V.(全ドイツ自動車クラブ)、略してADAC(アダック=現地では「アーデーアーツェー」と発音される)は、日本のJAFに相当するロードサービス組織だ。約1900万人の会員を対象とした故障車を救援するロードサービス、旅行保険業、旅行代理店業、自動車ローン、カーレンタル、書籍出版など多岐にわたる事業を行っている。

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ADACのロードサービス。「イエローエンジェル」と呼ばれる黄色いクルマがADACの目印だ。© picture alliance / Stefan Sauer / dpa-Zentralbild / dpa

 ADACは、高齢者ドライバーの支援を積極的に行っており、高齢者用安全運転パンフレットの作成、高齢者ドライバーに適したクルマの比較テスト、高齢者のための運転適性テスト、運転指導、相談窓口の開設といった活動を行っている。

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