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「歩行者エアバッグ」の
仕組みに迫る!

2017年06月08日 16:01 掲載

歩行者保護エアバッグは歩行者をどう守る?

 歩行者保護エアバッグは、接触事故を起こして歩行者がクルマに乗り上げてしまった場合に作動する。乗り上げた歩行者が頭部をぶつけそうな部位で、硬いために危険なのがAピラーやワイパーのあるフロントウィンドウ下部だ。

 現代のクルマのボンネットは凹むことで衝撃を逃がすことのできる柔構造となっているが、クルマの構造上の問題で、フロントウィンドウの下部やAピラーなどは柔らかくすることはできない。そのため、そこに頭部を衝突させた際のダメージを緩和させることが課題となっていた。

 そこで、そうした硬い部分に歩行者の頭部が当たる前に膨らませて、直接ぶつかるのを防ぐという考えの下に開発されたのが歩行者保護エアバッグだ。

歩行者保護エアバッグはどの程度頭部を守れるのか?

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頭部保護性能試験の様子。エアバッグのあるクルマ専用の試験ではなく、インプレッサ以外はエアバッグのない状態で同じ試験が行われる。

 JNCAPの衝突安全性能評価の試験項目のひとつに「歩行者保護性能評価」がある。そして、その中に「頭部インパクター」という頭部を模した衝撃計測装置を実際にボンネットやフロントウィンドウなどにぶつけて試験を行う「頭部保護性能試験」がある。

 これは、頭部インパクターをボンネットなどに向けて時速40km(クルマの衝突速度で時速50kmに相当)で発射し、衝撃点における頭部の「傷害値」を計測し、頭部の傷害の程度を5段階で評価するというものだ。なお、平成27年度までは時速35km(クルマの衝突速度は時速44km)で頭部インパクターが発射されており、平成28年度からより厳しい試験となった。

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頭部保護性能試験の結果。歩行者が衝突する可能性のあるボンネット全域をメッシュ化し、各ポイントの傷害値を5段階(緑・黄・橙・茶・赤)に分けて色で表している。緑や黄が歩行者の頭部が受ける傷害値が低く、茶や赤が高い。A車はインプレッサのことで、全面的に低いことがわかる。なお、メッシュの全ポイントを頭部インパクターで試験をするわけではなく、基本的には10か所にぶつける(状況により、それ以上になることもある)。

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作動させるための仕組みは?