2017年05月30日 16:20 掲載

ニュース・プラス 【人とくるまのテクノロジー展:その2】
マツダは色にこだわり、
スバルは世界共通PFを公開!


わずか3層の構造で実現されたソウルレッドクリスタルメタリック

 ソウルレッドクリスタルメタリックのように鮮やかさもあれば陰影性もあるような塗装を施す場合、従来の技術だと幾重にも塗り重ねる必要性があり、揮発性有機物質やCO2が増えてしまうという、環境面での問題があった。そこでマツダは、ソウルレッドクリスタルメタリックをわずか3層の塗膜で実現する技術を開発したのである。

 その3層とは、クリア層、透過層、反射・吸収層だ。クリア層はお馴染みのツヤ出しを目的とした層で、 ポイントは透過層と反射・吸収層だ。

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ソウルレッドクリスタルメタリックの塗膜構造。わずかな厚みの中に技術が詰まっている。

 透過層は、単に光を通すだけの透明な層というわけではない。赤をよりピュアに発色させるため、新開発の高彩度な赤色の顔料が混ぜられている。

 そして最も工夫されているのが、反射・吸収層。本来は反射層と吸収層の2層で表現される深みを1層で実現したことが大きな特徴だ。そのキーとなるのが、反射・吸収層に混ぜられている、反射用の極薄の「高輝度アルミフレーク」と、光を吸収してシェードの濃さを強める「光吸収フレーク」のふたつ。

 アルミフレークはサイズが均一化された上に、光吸収フレークと共にボディ面への均等かつ平滑な分布がなされているという。それは塗装の精度を向上させたことに加えて、乾燥工程において塗膜の体積を収縮させる手法を用いたことで実現した。これにより光の反射を緻密に制御できるようになったことで、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みを大幅に向上させられたとしている。

 なお、ソウルレッドクリスタルメタリック(クリスタル)とソウルレッドプレミアムメタリック(プレミアム)の大きな違いは最下層にある。層構造は3層で同じだが、最下層がクリスタルでは説明したように反射・吸収層であるのに対し、プレミアムは反射層である。

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ソウルレッドプレミアムメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリックの塗膜機能の分担。マシーングレープレミアムメタリックもマツダのデザインテーマ「魂動 -Soul of Motion」を象徴する2つ目のカラー。オートカラーアウォード2016(記事はこちら)では、同色をまとったマツダ「ロードスターRF」がグランプリに輝いた。

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ソウルレッドクリスタルメタリックとソウルレッドプレミアムメタリックの比較。左が2017年式の最新CX-5で、ソウルレッドクリスタルメタリック。右が2014年式の先代CX-5で、ソウルレッドプレミアムメタリック。同じライティングの条件で並べて撮影されてはいないので、厳密な比較は難しいが、ソウルレッドクリスタルメタリックの方が若干陰影の深さを感じる。

 このほか、塗装関連では同社が2009年から導入している環境負荷を従来より抑えた最新の塗装技術「アクアテック」の解説も行っていた。同社は2002年から、それ以前と比較して大幅に環境面で優秀な塗装技術「スリー・ウェット・オン」を導入しているが、アクアテックはそれをさらに強化する技術だ。ソウルレッドクリスタルメタリックも同技術でもって塗装されており、従来と比較して揮発性有機物質を78%、CO2を14%低減させることに成功しているとしている。

 塗装の奥の深さを垣間見ることのできるマツダブースである。

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