2016年12月22日 12:39 掲載

ニュース・プラス 我が輩はアンドロイドである!?
漱石、ロボットとなって
100年ぶりに朝日新聞に出社



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100年ぶりに朝日新聞社に出社した漱石。ただし、アンドロイド。ちなみに、毎日、通勤していたわけではなかったそうである。

 12月8日に披露された、学校法人二松学舎が製作した「漱石アンドロイド」。夏目漱石は40歳の時に朝日新聞社に入社し、デスマスクも同新聞社が所有している縁から、製作に協力。そして12月21日、1916年12月9日に49歳で胃潰瘍により死去して以来、100年ぶりに同新聞社に出社したことが発表された。

製作を監修したのは大阪大学の石黒浩教授

 漱石アンドロイドは、ロボット研究の世界的な権威である、大阪大学の石黒浩教授の監修を受けて製作された。

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大阪大学の石黒浩教授。人とは何かを研究するため、自身を初めとする、モデルとなった人物と双子のようにそっくりな外観を持つアンドロイドを開発している、世界的なロボット研究の権威。

 石黒教授は、自身を含め、モデルとなった人と双子のようにそっくりな外見を持つ「ジェミノイド」と呼ばれるアンドロイド(人間型ロボット)を製作したことで有名だ。

 タレントのマツコデラックスにそっくりなマツコロイド、日本科学未来館で活躍している「オトナロイド」や「コドモロイド」などが、石黒教授の監修を受けて開発されたアンドロイドたちだ。

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日本科学未来館で活躍中の石黒教授が開発したロボットたち。左からオトナロイド、コドモロイド、テレノイド。(右)のテレノイドだけ異質なのは、人の持つ個性を極限までそぎ落としているから。このテレノイドを通して電話をすると、テレノイドの顔が、聞こえてくる声の人物に見えてくるという。

 石黒教授のそうしたアンドロイドを見たことがある方ならわかると思うが、ぱっと見ただけでは、人なのかロボットなのかわからないのが大きな特徴。

 そうした人間の外見を持ったロボットに関して、石黒教授らはSF用語から引用してアンドロイドと呼んでおり(現在はまだ一般的な学術用語となっているわけではない)、中でも自身を含めてモデルとなった人間と双子のようにそっくりな外見のロボットについては「ジェミノイド」と名付けている。今回の漱石アンドロイドも、ジェミノイドシリーズの1種といっていいだろう。

 ただし、石黒教授はこれまでのアンドロイドはすべて生きている人をモデルとしており(コドモロイドや、美人アンドロイド「ERICA」は特定の個人のモデルがいない)、すでに亡くなって久しく、実際に生前の本人を知る人がいない人をモデルにしたのは初めてだったそうだ。

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これも石黒教授が開発にかかわったロボットで、「オルタ」という。非常に生物らしい動きをしていた。

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アンドロイドはどのように文学に寄与するのか?