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2億5000万年後の地球の姿を、
JAMSTECがシミュレート

2016年08月18日 13:55 掲載

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2億5000万年後までには超大陸「アメイジア」が誕生!

 そして2016年8月4日に吉田主任研究員らが発表を行ったのが、現在から約2億5000万年後までの大陸移動をシミュレーションした結果。それにより、超大陸「アメイジア」が誕生するという説が大きく裏付けられた形だ。

 アメイジアはユーラシア、アフリカ、オーストラリア、北アメリカの4大陸が北半球で集合して誕生する超大陸とされ、1990年代初頭にカナダのポール・ホフマン博士によって提唱された。その名称はアメリカとアジアがくっつくことを意味する造語である。

 ホフマン博士が提唱した際は、現在のプレート運動の様子や地質学的な情報から予測されたものだった。

 それから四半世紀が経ち、その間に膨大な地質学的証拠が蓄積され、また地球内部ダイナミクスの研究も著しく発展。それにより、今回のシミュレーション結果が出る前から、現在では遠い未来に誕生するであろう超大陸の有力候補のひとつとされてはいた。しかし、確証がないのもまた事実だったのである。

地球の内部はまだまだ謎が多い

 現在のプレート運動の通りに時間を進めていけば、大陸移動の未来を予測することは簡単に思えるかも知れない。しかし、ことはそうは簡単ではないのだ。

 プレート運動はマントルの運動によって引き起こされるわけだが、そのマントルの運動は地球内部の活動であり、特に深部になるほど直接探査できない領域だけに不確かな部分もまだまだ多い。

 しかも、プレート運動を含めた地球表層の運動と、内部のマントルの活発な熱対流運動は密接に相互作用をしているため、非常に複雑だ。そのため、現在の地球表層の運動が、必ずしもそのまま数億年後まで続くとは限らないという。

 そこで必要となったのが、現在人類が持っている地球物理学的観測データを理論の拘束条件とし、地球内部の熱対流運動と表層の運動を支配する方程式を解くシミュレーションだったのである。

 そして吉田主任研究員らがシミュレーションを2015年に完成させ、それを今回は未来に対して用いた結果、2億5000万年後までにアメイジアが形成されることが判明したというわけだ。なお、南アメリカ大陸や南極大陸は現在の位置からほとんど動かないことも確認された。

 また、「プレート運動がない」という非現実的な条件以外では、条件を変えてもアメイジアは形成される結果が出たという。プレート運動がなければ、当然すべての大陸が大きく動くことがないため、画像1(b)の通り、現在からそれほど変わらないとしている。

2億5000万年後までの大陸移動の3次元シミュレーションの様子。

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