ニュース・プラス 大津波の仕組みが見えてきた!
JAMSTECと香川大学が、
琉球海溝の調査結果を発表

2016年08月15日 10:51 掲載

低周波地震15~18kmの深度で発生

 そして、低周波地震が発生している領域(深度)が確認された。八重山地震の津波波源域と、スロースリップが起きているプレート境界の深部領域との間で発生していたのである。

 また、陸上観測点に基づく先行研究において、琉球海溝で超低周波地震が発生していることがすでに指摘されていたものの、低周波地震や超低周波地震はこれまで詳細な発生場所がわかっていなかった。

 しかし今回の研究により、それらの知見も大きく前進。海面から深さ15~18kmのプレート境界近傍で発生していることが確認されたのである。

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画像4。琉球海溝南部の沈み込み構造と低周波地震分布の鳥瞰図。赤星は画像2(b)および画像3(c)、画像4(c)と同じ低周波地震。津波地震発生域とスロースリップ発生域との間で低周波地震が発生していることが判明した。

八重山地震の津波波源域の分岐断層の存在も確認

 さらに、反射法探査データの解析からは、八重山地震の津波波源域に存在する「分岐断層」がプレート境界面と低速度のくさび形構造を形成していることも新たに確認された。

 この分岐断層の位置と形状は過去に推定されている八重山地震の震源モデルが矛盾しないことから、この分岐断層もしくはプレート境界浅部における地震性すべり現象によって、八重山地震による巨大津波が発生した可能性が考えられるとしている。

 また、分岐断層とプレート境界の複数か所で反射波の極性(波の正負のパターン)が反転していることも確認されたという。

 こうした極性反転は、地震波が高速度媒質(固いもの)から入射し、低速度媒質(柔らかいもの)との境界で反射することで生じるため、反射面に低速度媒質として流体が存在することを示唆するとした。

 つまり、流体が分布することが、プレート間の固着が弱いことや低周波地震の発生と関連している可能性があることがわかってきたのである。

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八重山地震の震源域の詳細な構造も判明