ニュース・プラス 大津波の仕組みが見えてきた!
JAMSTECと香川大学が、
琉球海溝の調査結果を発表

2016年08月15日 10:51 掲載

「琉球海溝」での地震は数百年に一度大津波が発生

 南海トラフ広域地震防災研究プロジェクトの一環として、2013年からJAMSTECが香川大学と共同で研究を行っているのが、7月22日にその成果が発表された、南海トラフから西へ延びる「琉球海溝」に関する調査だ。

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画像2。(a)は琉球海溝近辺を含めた広域図。(b)は、今回調査された海域の拡大図。

 琉球海溝を震源とする巨大地震による被害は、実は記録としては少ない。しかし、最新の津波堆積物などの調査から、数百年程度の周期で巨大な津波が繰り返し発生してきたことがわかってきた。

 記録に残る中で非常に大きな地震として知られるのが、1771年の「八重山(やえやま)地震」だ。同地震では津波の高さが約30mにも達し、先島(さきしま)諸島では約1万2000人の犠牲者が出たと推定されている。画像2の(b)図において、赤いベルト状のエリアが、同地震の震源域だ。

最新観測で見えてきた琉球海溝の地震の特徴

 また、近年の地震観測やGPSを用いた地殻変動観測により、琉球海溝では「スロースリップ」や「低周波地震」といった、「ゆっくりとしたすべり現象」が発生していることもわかってきた。

 低周波地震とは、通常の地震に含まれる10Hz(1秒間に10回震動)以上の高周波成分が乏しく、10Hz以下の低周波成分に富んだ地震のことをいい、断層において、ゆっくりとしたすべり現象によって発生し、それには流体が重要な役割を果たすと考えられている。

 さらに「超低周波地震」と呼ばれる地震もあり、こちらは0.1Hz(10秒で1回震動)以下の低周波成分が卓越して放出されるものを指す。発生する場所やその仕組みは、低周波地震と同様と考えられている。

 スロースリップや低周波地震などのゆっくりとしたすべり現象が起きているということはその一帯は柔らかいことが予想され、プレート同士がぶつかり合う境界において、それが固まってくっついてしまう「固着」は弱いと考えられているのである。

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