2018年03月20日 16:00 掲載

くるナンデス 【クルマ解体新書】
衝突安全の要、クルマの骨格はこうなってる!高剛性ボディの今・トヨタ編


ミニバンの基本骨格を紹介!

 続いては、ミニバンの基本骨格をお見せしよう。ミニバンはセダンなどと比べるとより重量があるため、車種によってはモノコック構造だけではシャシーの剛性が不足する場合もあり、ラダーフレームで補強しているものがある。シャシー剛性は衝突安全性能とは直接は関係ないが、ラダーフレームを搭載している車種にGOAは採用されておらず、また異なる仕組みで安全性を確保している。なおラダーフレームとは、本来はモノコック構造と並ぶクルマの剛性を実現するための方式のひとつであり、現代では大型車にのみ用いられる、はしご形のフレームのことだ。

トヨタ最小のミニバン「シエンタ」はGOA

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トヨタの最小ミニバン「シエンタ」。初代は03年9月に登場。約12年を経て15年7月に2代目にモデルチェンジした。

 15年7月にモデルチェンジを果たした、6~7人乗りミニバンの2代目「シエンタ」。トヨタのミニバンの中では最小車種で、5ナンバーなのが特徴。ちなみにトヨタではミニバンの主な定義として、「3列シートであること」としている。GOAを採用したトヨタのミニバンとしては、ほかに「ノア」/「ヴォクシー」/「エスクァイア」の3兄弟がある。この3兄弟車がGOA採用車としては最も大型になる。

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2代目「シエンタ」のGOA。ミニバンはいうまでもないがセダンやSUVとは形状が大きく異なるため、独自の工夫が必要とされる。なお、2代目にはTNGAプラットフォームは採用されていないが、"FF系ラージ車"用の開発が進められおり、具体的にどの車種に搭載するのかは発表されていないが、次期モデルには採用される可能性がある。画像は「シエンタ」広報資料PDFより。

ラダーフレームも装備する「アルファード」&「ヴェルファイア」

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「豪華・勇壮」がテーマの「アルファード」(上)はトヨペット店、「大胆・不敵」がテーマの「ヴェルファイア」はネッツ店の販売で、フロントマスクなど外見が異なるが、性能的には同等の兄弟車。「アルファード」の2代目にモデルチェンジした際に、「ヴェルファイア」が誕生。

 15年1月にモデルチェンジして、3代目となった「アルファード」と、兄弟車の「ヴェルファイア」(こちらは2代目)。この兄弟車はトヨタのミニバンラインナップ中で最上位の7~8人乗り大型モデル。モノコック構造ではあるのだがシャシー剛性を補強するため、ラダーフレームも採用されている。なお、GOAは採用されていない。

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「アルファード」および「ヴェルファイア」の基本骨格(モノコック構造)。厳密には、剛性確保のためにスポット打点の増し打ちと構造用ボディ接着剤が使用された部分を表したもの。

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「アルファード」および「ヴェルファイア」のアンダーパネル内にあるラダーフレームのイメージ。サイズや車重から、モノコック構造だけではシャシー剛性が不足するため、このような骨格を用意することで補強している。ラダーフレームの歴史は長く、モノコック構造が開発される前は普通車でもラダーフレームを採用していた。ただし、重量面で不利であるため、モノコック構造を採用することで剛性を維持しながら軽量化を図れるようになると、普通車などでは採用されなくなり、現在では大型SUVやバスなどで採用されるだけになった。

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最後はバスの骨格を見てよう!