2018年01月04日 13:58 掲載

くるナンデス クルマが人を襲う!
B級ホラーの「クリスティーン」を、
今見直してみると面白すぎる!


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メガネの高校生アーニー(左)は、なぜだか廃車同然のクルマに惹かれその場で買い取ることから物語ははじまる。オーナーはクルマの名前が「クリスティーン」であることを告げる。© 1983 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

古き良きアメリカの70年代

 物語の舞台は1978年のカリフォルニア。いじめられっこの高校生アーニーがボロボロの廃車同然のクルマ、真っ赤な1958年型プリムス・フューリーに一目ぼれして買い取る。彼はクリスティーンと呼ばれていたクルマを整備し可愛がり、新車同様に修理する。実はクリスティーンは邪悪な意志を持った"生きたクルマ"で、内気なアーニーを凶悪な殺人者へと変えていく。完全に支配されたアーニーはクリスティーンに乗り、自分をいじめた同級生ひとりひとりを狙っていく......。

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クリスティーンはアーニーのガールフレンドに嫉妬し、クルマに閉じ込め窒息死させようとする。© 1983 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 70年代アメリカの古き良き時代、高校生はアメフトやチアリーダーそして女の子とのデートにいそしみ、クルマは通学の足として必需品だった。アーニーが購入するフューリーは、1956年から1968年までクライスラー社のプリムス部門によって販売されたもので、大流行したテールフィンが特徴的なアメ車の全盛期を象徴するような存在である。

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不良グループに母親が作ってくれたランチを奪われいじめを受けるアーニー。© 1983 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 そういったアメリカの高校生活に必ず存在するのが、ステレオタイプな不良グループとスポーツ万能なサニーボーイ、そしていじめられ役という勧善懲悪的世界観である。アーニー役を演じるキース・ゴードンがいじめられっこ役のキャラをみごとに演じている。
 キース・ゴードンは、1980年にアメリカで封切られたブライアン・デ・パルマの「殺しのドレス」で、ひょろりとしたメカに強いオタッキーな青年役を好演した。本映画のアーニーはまさにその延長線上にある役柄で、彼の心の中にある闇や孤独にクリスティーンが入り込むのである。

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アメリカンポップを逆手に取ったみごとなラスト