2019年11月26日 10:10 掲載

クルマ CD対応カーオーディオは、もはや絶滅危惧種? それでもクルマでCDを聞きたいから徹底調査。

ここ1~2年でCDに対応していないカーオーディオが圧倒的に増えてきた。今や音楽はデータで聞く時代。もはやCDが聞けるカーオーディオは絶滅危惧種なのだろうか。それでいいのかニッポン!

JAFメディアワークス IT Media部 大坂 晃典

CD対応カーオーディオは、もはや絶滅危惧種?

クルマでCDを聞く時代はもう終わったのか?

 かつては当たり前だった「CDを聞きながらのドライブ」。だが最近のレンタカーを借りると、CD再生に対応していないカーナビ一体型モデルが装備されていることが多い。特にこの1年でその傾向は顕著になってきたと思う。

 数年前までは「CDが聞けて当然」だったレンタカーのカーオーディオが、CD非対応だった時のがっかり感といったらない。せっかく収納ポーチに詰め替えて持ってきた数々のCDが、その瞬間からただのお荷物になってしまい、愕然とした経験があるのは私だけではないはずだ。

職場の同僚にCDについて聞いてみた。

 そもそも、CD離れと言われている現状はどのようなものなのだろうか。職場で30代の同僚にCDについて聞いてみた。

S君:「CDなんて10年以上前にデータ化して処分しちゃいましたよ。っていうか、まだCD持ってるんっすか?」

O君:「今、ウチでもCDを聞く装置がないんで、聞かないというか聞けないんですよね。昔買ったCDは...実家にありますね」

A子:「前の職場のクルマがCDしか聞けなかったんですけど、20代の社員は、逆にスマホの音楽が聞けないって嫌がってましたね...」

 なんということだろう。社内でヒアリングしただけでもこのありさま。私が思っている以上にCD離れは進んでいるようだ。クルマでショッピングに出かけた帰り道。買ったばかりのCDを車内で開封して、ワクワクしながら初めて再生したあの瞬間は、もうノスタルジーでしかないのだろうか?

レンタカー会社に聞いてみた。

 それでも「クルマでCDが聞けなかった」というクレームは、絶対に山ほどあるはずだ! どうしても腑に落ちないので、レンタカー会社に電話取材を試みた。

レンタカー会社に電話取材を試みた。

レンタカー会社には、私と同じような思いをした人からのクレームがたくさん寄せられているに違いない。私は鼻息荒く電話に手を伸ばした。

A社:「車内でCDが聞けなかったというクレームは、私の知る限り特にないと思います。逆にBluetooth接続に対応していないというクレームは時々あるんですけどね」

私:「えっ?」

B社:「車内でCDが聞けないことでのクレームや問い合わせは、我々の方では聞いていませんね。CDが聞けないことよりも、Bluetooth接続に対応していないというケースの指摘は最近多少あるようです。他に質問はございますか?」

私:「い、いや...もう大丈夫です。ありがとうございました」

 なんということだろう。「CDが聞けない」と騒いでいる私の方こそ、超アウェイではないか!

 一応ここで明言しておくが、私だって通勤時にはスマホで音楽を聞いているし、CD以外で音楽データを扱うことに決して疎いわけではない。

 だが、レンタカーなどを借りた場合は話が別だ。

 「カーオーディオ本体とスマホを同期する」という煩わしい手間をかけた挙句、CDをダイレクト再生した時より味気ない音を聞く羽目になるのは実に納得がいかない。レンタカー会社から実例を聞くことはできなかったが「スマホで音楽とか、Bluetooth接続とかはよくわからん」というオジサマだって、まだまだ水面下にたくさんいるはずだ。それでもCD対応のカーオーディオは、もはや絶滅危惧種なのだろうか。

 いや、そんなことはないはずだ。CD世代よ、再び立ち上がろうではないか!

本当にもうクルマでCDは聞けないの? ショップで聞いてみた。

 レンタカー事情に衝撃を受けた私は、さらに現状を探るべくショップへの取材を試みた。今回、伺ったのはオートバックスグループのフラッグシップ店舗「A PIT AUTOBACS SHINONOME(ア・ピット・オートバックス・シノノメ)」。IR・広報担当の鈴木さんに、まずはカーオーディオが今どうなっているのかを聞いてみた。

鈴木さん:「えっ? 最近のレンタカーってそうなんですね...。でも、CDの挿入口がないというカーオーディオはまだまだマイナーですよ」

私:(目を輝かせながら)「ですよね! そうですよね!」

鈴木さん:「確かにカーナビ一体型のタイプで低価格のものになると、CDが聞けないものもあります。レンタカーやカーシェアリングの場合、そういったところで装備にかかる費用を抑えているのかもしれませんね」

カーオーディオコーナーの様子。左側は近年主流のカーナビ一体型タイプ。右側はオーディオ専用モデル。

カーオーディオコーナーの様子。左側は近年主流のカーナビ一体型タイプ。これに見慣れていると、右側のオーディオ専用モデルがちょっと懐かしく見えてしまうのは、確かに否めない。

でもやっぱりクルマでCDを聞きたいなら

 なるほど。レンタカーにおけるカーオーディオ事情もなんとなくわかってきた。でも、CD再生に対応していないクルマで、どうしてもCDを聞きたい場合はどうすればいいのだろうか。

鈴木さん:「まず、ポータブルCDプレイヤーはどうしても必要なんですが、ポイントになるのは接続方法。オーディオ用の端子に有線でつなぐのが、シンプルだし音質も損なわないのですが...。最近のカーナビ一体型タイプだとオーディオ用のAUX端子がないものが多いんですよ。でも、そこで役に立つのがFMトランスミッターなんです」

懐かしのアイテムと思いきや、今も多く売れているというFMトランスミッター。

懐かしのアイテムと思いきや、今も多く売れているというFMトランスミッター。

 FMトランスミッターという言葉が出てきた途端、思わず「懐かしい!」と言いそうになってしまった私。

 FMトランスミッターは、接続した機器の音楽を車内のFMラジオの周波数に乗せて流すことができるオーディオ用アクセサリーのこと。Bluetooth接続が一般的になる前には、みんなiPodの音楽をこれで楽しんでいたものだ。さらに昔になると、カセットデッキしかないカーオーディオでCDを聞くのに使っていたという人もいるのではないだろうか。

 他には、ポータブルCDプレイヤーとコンパクトスピーカーをつないで車内に持ち込んでしまうというのも一つの手だ。この方法ならカーオーディオに頼る必要がないので、煩わしい接続の手間も不要。車内のカップホルダーにピッタリ収まるタイプのスピーカーも多いので検討の余地はありそうだ。

 また、最近ではBluetooth接続に対応したポータブルCDプレイヤーも発売されている。クルマ側がBluetooth接続に対応していれば、CDプレイヤーから直接カーオーディオに音を飛ばすことができるのでオススメだ。

番外編・カセットデッキでCDを聞くならコレ!

 最後に番外編として紹介するのは、90年代に大活躍したカセットアダプター。カセット世代には懐かしく、世話になったという人も多いのではないだろうか。昔は今と逆で、カセットしか聞けないクルマでCDを聞きたい場合に、このアダプターが大活躍していたのだ。使い方は、カセットの形をしたアダプター本体をカセットデッキにセットするだけ。アダプター本体から飛び出したコードをプレイヤーに接続すれば、カセットデッキから音が流れるという仕組みだ。

90年代に大活躍したカセットアダプター。

カセット世代には懐かしいアイテム。まだ現役で販売されていたとは!

 「今さらカセットデッキしかないクルマなんてあるの?」と言うなかれ。昔のままのカーオーディオが搭載されている旧車乗りの間で、密かに売れ続けているアイテムなのだそうだ。