2019年11月13日 09:50 掲載

クルマ 【東京モーターショー2019】国内メーカーみどころまとめ!大型商用車・日野/UDトラックス編


神林 良輔

ハイブリッド実験車や自動運転車などを出展したUDトラックス

 UDトラックスは2030年までにEVトラックの量産化に向け、エネルギー効率や積載量、航続距離、静粛性などの技術開発に取り組んでいる。今回は、そのノウハウを得るために開発されたハイブリッド実験車「雷神」が初公開された。

将来のフル電動トラックの開発につながるハイブリッド実験車「雷神」

東京モーターショー2019でUDトラックスが出展したハイブリッド実験車「雷神」。

ハイブリッド実験車「雷神」。UDトラックスの主力大型トラック「クオン」をベースに開発された。

 EVトラックを開発するための前段階として、現在UDトラックスではハイブリッドトラックの開発に注力しているという。中でも力が入れられているのが、食品倉庫などでの使用を想定し、必要に応じてEVモードで走行できる機能を搭載したハイブリッドトラックだ。「雷神」はそのための実験車である。

国内初のレベル4の自動運転実証実験用トラック「風神」

東京モーターショー2019でUDトラックスが出展したレベル4自動運転技術実験車「風神」。

レベル4自動運転実証実験車「風神」。「雷神」と同じく「クオン」をベースに開発された。

 「風神」は、RTK-GPS(※1)や3D-LIDAR(※2)などのセンサーを搭載しており、自動運転レベル4(※3)の走行を行うことが可能だ。2019年8月に、UDトラックス、日本通運、ホクレン農業協同組合連合会が共同でレベル4の自動運転実証実験を実施。その際に「風神」は、砂糖の原料となるてん菜の運搬を自動運転で行った。

※1 RTK-GPS:RTKとはReal Time Kinematic(リアルタイム・キネマティック)の略。移動する物体の位置を、瞬時に数cmの高精度でリアルタイムに位置を測定するGPSの測定方法のこと。
※2 LIDAR:LIDAR/LiDAR(ライダー)とはLight Detection and Ranging(光検出と測距)もしくはLaser Imaging Detection and Ranging(レーザー画像検出と測距)の略。レーザーを対象物に照射した際の散乱光を測定し、対象物までの距離やその性質などを分析するリモートセンシング技術のこと。より空間的に広範囲をセンシングできるものは3D-LIDARと呼ばれることがある。
※3 自動運転レベル4:現在、世界各国の自動運転のレベル設定は、モビリティの専門家が参加する米国の非営利団体SAEインターナショナルが掲げる5段階の自動運転レベルに準拠している。レベル4は「特定条件下における完全自動運転」を意味する。

近未来のコンセプトモデル「Quon Concept 202x」

東京モーターショー2019でUDトラックスが出展した近未来を想定したコンセプトモデル「Quon Concept 202X」。

「Quon Concept 202x」。大型商用車4社のブースの中でもひときわ大型で迫力があった。

 「Quon Concept 202x」は今から10年以内の近未来を想定した、より高度なスマートロジスティクス(※5)を実現するというコンセプトのトラック。ディスプレイやエクステリアのパーソナライゼーション、ドライバーをサポートするAI、カメラモニタリングシステムなどを備えている。

※5 スマートロジスティクス:UDトラックスでは、IoT、AI、ICT技術の進展で実現するスマート社会に不可欠な物流システムを指しており、効率的で生産性が高く、安心かつ人に優しい持続的な物流という意味で使われている。

日本未発売の新興国向けの大型トラック「クエスター」

東京モーターショー2019でUDトラックスが出展した新興国向けの大型トラック「クエスター GWEトラクター」。

新興国向け大型トラック「クエスター」。展示車両のモデル名は「GWEトラクター」。世界60か国以上でトラックを発売するUDトラックスには、日本未発売の車種もある。

 現在、UDトラックスはボルボ・グループ(乗用車を開発、生産するボルボ・カーズとは別グループ)の傘下にある。同グループのグローバルな技術と日本のものづくりを結集したのがこの大型トラック「クエスター」だ。2013年に新興国向けに発表され、2019年1月にはマイナーチェンジを実施。新興国向けトラックとしては初めて、同社が開発した電子制御式オートマチックトランスミッション「ESCOT」が標準搭載された。

東京モーターショー2019でUDトラックスが出展した市販トラック「クオン GK トラクター」。

こちらは、「雷神」と「風神」のベース車で、国内で販売されている主力大型車「クオン」。展示車両のモデル名は「GKトラクター」。搭載されている直列6気筒エンジン「GH11TD型」は、最高出力460馬力、最大トルクに至っては2200N・mを絞り出す。


 東京モーターショー2019の国内大型商用車4メーカーのうち、日野だけはプラットフォームをメインに展示しているのが印象的だった。乗用車の話ではあるが、およそ100年前の黎明期、自動車メーカーはプラットフォームのみを製造し、ボディはコーチビルダーに任せるという分業制が採られていた。EV技術により、プラットフォームはメーカーが、ボディはビルダーがという分業制の時代が再来するのかもしれない。そんなことを思い起こされた。

 また、UDトラックスのブースを見て感じたのは、大型商用車のための自動運転技術の確立に、メーカーが想像以上に力を入れていることだ。商用車のドライバー不足は深刻な状況になってきており、自動運転技術は乗用車以上に待望されている。華やかな一方、そんなことを考えさせられる東京モーターショー2019の大型商用車ブースだった。

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