2019年10月24日 12:00 掲載

クルマ 寒くなってきたら、エンジンスタート前の「猫バンバン」。小さな命を救うための行動とは。

大きな目にふわふわの毛並み、気まぐれでそっけないと思っていると不意に甘えてすり寄ってくる。そんな、ついつい目尻が下がってしまうほどに可愛い猫は、暖かい場所が大好きだ。だから寒い季節になると、暖を求めて車のエンジンルームに入り込んでしまうことがある。「猫バンバン」とは、車のエンジンをかける前にボンネットを叩いて知らせてあげることで、悲しい事故を防ぐための行動のことだ。本記事では、本格的に寒くなる前に、今一度「猫バンバン」の重要性とやり方についてご紹介しよう。

JAF メディアワークス IT Media部 会田 香菜子

エンジンをかける前に猫バンバンを忘れずに。

寒い時期には要注意!エンジンルームで暖を取るネコチャン。

 肌を刺すような冷たい空気の冬に、暖かい場所を求めるのは人だけではない。寒さが苦手な動物の中でも、その印象が強いのは猫ではないだろうか。こたつの中で丸くなって目を細めて眠る姿を想像することは容易いはずだ。
 家の中ならば、ほかにもヒーターのそばや日差しが差し込む窓辺など、いくつもある暖かい場所からお気に入りの場所を選ぶこともできるだろう。しかし、縄張りを外に持っている猫にとって、暖かい場所を確保できるかどうかは死活問題となる。
 そんな猫にとってエンジンを切ったばかりの車のエンジンルームは、暖を取るのに最適の居場所だ。しかも、ボンネットのおかげで雨風もしのげるのだから贅沢な空間極まりない、といったところだろう。そんな猫たちにとっては理想的な寝床だから、しなやかな体をくねらせてするりと部品と部品の隙間からエンジンルームへと入り込んでしまう。

姿が見えないからといって安心はできない。

猫バンバン/気づかず眠っている猫もいるかもしれない。

Ⓒserikbaib - stock.adobe.com

 ところで、猫は一日の大半を寝て過ごす。その呼び名は "寝子" から付いたと言われているほどだ。つまり、寝ることが大好きな猫が暖かくて居心地の良いエンジンルームに入り込んだまま、ぐっすりと熟睡してしまっている可能性だってある。
 「猫は警戒心が強いんだから人間が車に近づいてきたら敏感に察知して逃げるでしょ」。そうとも限らない。
 JAFが公表した情報によると、20191月の1か月だけでも「エンジンルームに動物が入り込んでしまった」という救援要請が27件もあり、うち25件は 猫だったそうだ。人間が近づいてきても、エンジンルームにとどまる猫が少なくないということだ。
 もしエンジンをかけるまで気がつかなかったら、猫はエンジンの熱で火傷を負ってしまったり、ベルトやファンに巻き込まれて怪我をしてしまったりして最悪死に至ることもある。

エンジンをかける前に優しさの「猫バンバン」を。

猫バンバン/エンジンをかける前に忘れずに。

Ⓒmetamorworks - stock.adobe.com

 可愛い猫たちがそんな痛ましい事故に遭わないためにも、エンジンをかける前にはボンネットを「バンバン」と手で叩いて知らせてあげることが防止につながる。大きな音で驚かせるなんてかわいそうかもしれないが、「猫バンバン」は猫たちの安全のためなのだ。
 「今から車が動くよ。ネコチャン、中にいるなら出てきてね」と、その優しい心が猫たちを救うことになる。
 そして、「猫バンバン」のあとには、最後に念のため耳を澄ませてみてほしい。鳴き声はしないだろうか。繊細な猫だと驚きに硬直してしまい、中で縮こまってしまっているかもしれないのだ。
 「かもしれない運転」の心得と同様に、「かもしれない猫」でいたましい事故を未然に防ごう。
 万が一、猫がいることは分かっていてどうしてもエンジンルームから出てきてくれない場合には、"バンバン" ではなく車のホーンを "プッ" と鳴らしてみるのも効果的なようだ。

冬だけではない猫のエンジンルーム問題。

猫バンバン/予防対策をして猫を守ろう。

Ⓒxiaosan - stock.adobe.com

 実は、猫がエンジンルームに入り込むのは、暖を求めている冬のみに限ったことではない。
 よく知られるように、猫は習性として「狭いところを好む」。そしてエンジンルームの狭さは、猫にとっては丁度良く居心地が良い場所だ。また、雨風を防ぐための避難所としても季節を問わず都合が良い場所でもある。
 猫の行動範囲は意外にも狭く、その範囲内にエサ場やトイレ、そして寝床を決めているそうだ。所謂「縄張り」なので、場所への執着も強く一度決めた場所は変えようとはせず何度でも戻ってくる。あなたの車が猫にとって寝床に決まっていたら、例え一度追い払ったとしても再び戻ってきてしまうのだ。
 だからこそ予防策も必要である。例えば以下のような方法があるので、ぜひ試してみてほしい。

【猫のエンジンルーム侵入予防方法例】
・車体にボディカバーをかける
・超音波やフラッシュなどの動物撃退器の設置
・猫除けスプレーの散布
・フェイク猫の設置(猫型のかかしのようなもの)

 ちなみに、水の入ったペットボトルが猫除けに効果があると言われていたこともあるが、これにはまったく科学的根拠などはないそうだ。また、ボディカバーをかけることによって、猫の足跡やタイヤへの爪とぎ被害も防ぐことができる。
 

 猫に言わせれば「猫バンバン」は居心地の良い場所を追われて迷惑極まりないのかもしれない。しかしその音は、君たちのためなのだよネコチャン。痛ましい事故を未然に防ぐための「猫バンバン」。空気が冷え込んできたこの時季にこそ、もう一度思い出してほしい。

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