2019年09月27日 13:59 掲載

クルマ あおり運転を受けた人が昨年比7.1%増加。あおった人の9割以上が単独運転。

「あおり運転についてのアンケート」を実施している一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が、最新の調査結果を発表した。それによると、前回の2018年の調査時に比べ、あおり運転を受けたという人が増加していることが判明。また、あおり運転をする人の90%以上が、1人で運転している時であることがわかったという。

JAFメディアワークス IT Media部 大坂 晃典

 日本アンガーマネジメント協会は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の普及・啓発活動を行っている。その一環として、昨年から「あおり運転と怒りに関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表する。今回のアンケート調査は、2019年5月に実施したもので、対象は、日本全国の自動車運転の経験がある20代~60代までの老若男女420人。

あおり運転を受けた人は前年より増加

 では、さっそくそのアンケート結果を紹介しよう。

 下の図は「あなたは、運転している際に、あおり運転や急な割り込みなど、周りの車に危険な運転をされたことがありますか」の回答結果を前回(2018年調査)と比較したものだ。

図は一般社団法人日本アンガーマネジメント協会のアンケート結果をもとに、Park blog編集部で作成

 調査の結果、2018年の76.0%に比べ、2019年は7.1pt増の83.1%もの人が、運転時にあおり運転や急な割り込みなど、周りの車に危険な運転をされたことがあると回答した。

 ここ数年、ニュースなどであおり運転が話題になることが非常に多くなり、あおり運転に対する意識は飛躍的に高まっている。また、検挙件数も、2018年の車間距離保持義務違反は1万3025件で、2017年の1.8倍に上る。車間距離保持義務違反がすべてあおり運転とは言い切れないが、あおり運転につながる危険行為として同違反の取り締まりは強化されていると見ていいだろう。

それでも、あおり運転対策をしている人は半数以下

 次のアンケート結果を紹介しよう。「あおり運転をしない/されない対策として、どのようなことをしていますか?」という問いに対し、61.4%もの人が「何もしていない」という結果となった。回答者の8割近くがあおり運転の被害を経験しているにも関わらず、半数以上がその対策をしていないことになる。

2019年の調査結果/一般社団法人日本アンガーマネジメント協会提供

 具体的な対策として最も支持されたのは、ドライブレコーダーであおり運転の発生した状況を記録しておくことだった。あおられたという感覚は主観的なもので、立証が難しい。ドライブレコーダーの映像は、客観的にあおりの事実を判断できる点で有効だ。

 第3位「何をされても6秒待つようにしている」は、突沸的な怒りの感情を落ち着かせるのに有効である、と同協会は言う。4位の対策用のステッカーとは、クルマのリアバンパーやリアガラス等に、あおり運転を抑止するようなステッカーをつけること。「ドライブレコーダーで録画中」などが一例として挙げられる。5位「その他(関わらないようにする、気持ちを切り替えるなど)」の具体例には「なるべく取り合わないようにして早めに道を譲る」や「急いでいる時でも、気持ちに余裕を持つように心がけている」といった回答があった。

 第6位の「大切な人の写真を見えるところにおいている」は、この後述にて解説しよう。

9割以上が運転中にイライラ?

 また本調査では、被害を受けた側としての経験だけでなく、あおり運転をする側になり得る状況についても調査しているのが興味深い。こちらの回答は以下のとおり。

2019年の調査結果/一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ

 調査の結果、9割以上の人が運転中にイライラした経験があると回答。また、4割以上の人が「あおり運転をしている/してしまった可能性がある」と回答した。誰でもあおり運転をする側になり得る、という空恐ろしくなる結果である。

あおり運転をする人の9割以上が単独運転?

 ところで、あおり運転をしてしまう人に、同乗者はどう思っているのだろうか。危ない運転をやめるよう、制止したりしないのだろうか。そこで、アンケートでは、あおり運転をしてしまうときの乗車人数を聞いている。

2019年の調査結果/一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ

 「1人でしているとき」という回答が90.3%と最も高く「自分の他に1人以上乗車しているとき」という回答はわずか9.7%にとどまった。あおり運転をする車には、それを制止する同乗者はいないケースが多いようだ。

 ここで、あおり運転をしないために「大切な人の写真を見えるところにおいている」という対策を思い出してほしい。あおり運転をする人は、その車の中でただ1人。自分の怒りを制御できない状況である、と仮定しよう。その時、家族や恋人の笑顔の写真はきっと、その怒りに任せた無謀な運転の抑止効果を発揮してくれるだろう。クルマという個室的な空間に1人で運転していても、自分を待つ人がいることを思い出すきっかけとなるであろう、大切な人の写真。クルマに持ち込む時は冷静なので少々照れくさいかもしれないが、あおり運転の経験があるなら、実践する価値があるだろう。

 日本アンガーマネジメント協会の代表理事・安藤俊介氏も次のようにコメントしている。

「同乗者がいることで、あおり運転の抑止力になるということが裏付けられます。同乗者というのは、家族、友人、知人などが考えられますが、社会とのつながりが意識できることであおり運転などの行為をしなくなるとも言えます」と考察。また「あおり運転、危険運転などのロードレイジを抑止するためには社会的な箍(たが)をどのように作るか、あるいは作れるかということが課題を解決する大きな緒になると考えられます」としている。


危険運転と怒りに関するアンケート調査【調査概要】
調査期間:2019年5月9日~5月10日
対象人数:420人
対象情報:日本全国の20代~60代の男女
調査方法:インターネットリサーチ
対象情報:日本全国の20代~60代の男女
調査内容:「あおり運転と怒りの関係」について単一回答、複数回答にて調査し、分析

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