2020年05月20日 17:30 掲載

ライフスタイル 全国の都道府県道1号はどんな道路? 西日本編(中国・四国・九州・沖縄)


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神林 良輔

中国地方の県道1号・5路線(1路線欠番)

【鳥取県】溝口伯太線
起点は日本で最も古い部類の鬼の伝説が残る地

読み方:みぞくちはくたせん
起点所在地:
西伯郡伯耆町溝口(さいはくぐんほうきちょうみぞくち)
起点交差点名:
鬼守橋(きもりはし)
終点所在地:西伯郡南部町与一谷(さいはくぐんなんぶちょうよいちだに)
終点交差点:なし(島根県との県境)
延長(鳥取県内):17.5km
総延長(鳥取・島根):19.5km

 溝口伯太線は、鳥取県西伯郡伯耆町(さいはくぐんほうきちょう)から島根県安来市伯太町(やすぎしはくたちょう)までを結ぶ県道だ。総延長は19.5kmで、鳥取県区間は17.5kmと大半を占める。

 起点は、鳥取県三大河川と称される日野川沿いの伯耆町溝口(ほうきちょうみぞくち)で、終点は島根県と接する西伯郡南部町与一谷(さいはくぐんなんぶちょうよいちだに)だ。路線名にある溝口とは、現在は伯耆町に属する地名のひとつとなっているが、かつては日野郡溝口町という独立した町だった。伯耆町は、2005年1月1日に溝口町と西伯郡岸本町が合併して誕生した町である。

 その溝口地区で日野川(ひのがわ)に架かるのが鬼守橋(きもりはし)。その右岸にある鬼守橋交差点が起点である。この一帯は、日本において鬼にまつわる最古の部類の伝承がある地域で、同地も鬼を町おこしに用いている。たとえば鬼守橋の周囲には10体の鬼のブロンズ像がある。さまざまなところに鬼の像や鬼をモチーフにしたトイレや電話ボックスなどの施設があり、まさに鬼が風景に溶け込んだ町となっている。

 溝口伯太線は島根県との県境に向かって西へ向かう途中で、国道180号南部バイパスとの重複区間となる。西伯郡南部町清水川(さいはくぐんなんぶちょうしみずがわ)から同町阿賀(あが)までの2km弱だ。そして阿賀からは3.5kmほどで県境となり、鳥取県区間は終了だ。

【島根県】溝口伯太線
徒歩でも踏破できる延長2kmの県道1号

読み方:みぞぐちはくたせん
起点所在地:安来市伯太町東母里(やすぎしはくたちょうひがしもり)
起点交差点名:
なし(鳥取県との県境)
終点所在地:安来市伯太町東母里
終点交差点名:なし(県道9号との交差点)
延長(島根県内):2.0km
総延長(鳥取・島根):19.5km

 鳥取県西伯郡伯耆町(さいはくぐんほうきちょう)から、島根県安来市伯太町(やすぎしはくたちょう)までをつなぐ溝口伯太線。島根県区間の延長は2.0kmで、都道府県道1号の中で第3位となる短さだ。島根県区間の起点と終点は、同じ安来市伯太町東母里にある。起点は鳥取県との県境で、終点は県境から2kmほど西にある、県道9号と接する交差点だ。

 なお、伯太町は現在は安来市内の地名となっているが、2004年10月1日に旧安来市および広瀬町と合併するまでは独立した町だった。溝口町も伯太町もすでに独立した市町村ではないところに、路線認定から長い時間が流れたことを感じさせてくれる県道1号である。

【岡山県】欠番
1994年の路線番号統一で県道1号岡山赤穂線は96号に変更

 岡山県道1号は現在、欠番だ。ただし、1994年までは1号が存在していたという。詳細を岡山県に聞いてみたところ、まず目を通すことのないという古い資料まで調べてもらえて、1号がどのような変遷を経てきたのかを教えてもらうことができた。

 教えてもらえた中で最も古い記録は、1949年(昭和24)3月1日時点のもの。つまり、旧道路法時代に路線認定を受けたときの県道1号ということになる。このときは岡山鳥取線といった。県庁所在地同士を結ぶ路線名であることから、重要な路線だったものと思われる。岡山県内では岡山市が起点で、鳥取県との県境に位置する苫田郡上加茂村(とまだぐんかみかもそん)を通って鳥取県につながっていたようだ。上加茂村はすでに存在しないが、津山市内に加茂町という地域名が残る。また、岡山鳥取線という路線はすでに存在していない。

 そして新道路法が1952年(昭和27)に施行され、それ以降で残る最初の記録が1972年(昭和47)7月1日時点のもの。このときは智頭佐用線(ちずさようせん)だ。智頭とは鳥取県の町名で、現在でも八頭郡智頭町(やずぐんちずちょう)として存在する。一方の佐用とは兵庫県の町名で、岡山県に隣接する佐用郡佐用町(さようぐんさようちょう)のことだ。その両方をつなぎ、岡山県内を経由していたようである。智頭佐用線も、すでに存在していない。

 さらに時代が進み、1980年(昭和55)7月1日の記録にあるのが赤穂和気瀬戸線(あこうわけせとせん)だ。兵庫県赤穂市(あこうし)から、岡山県和気郡和木町(わけぐんわけちょう)を経由し、現在の岡山市東区に合併された瀬戸町地区(せとちょうちく)まで至っていた路線のようだ。

 そして、その赤穂和気瀬戸線と、別の県道である瀬戸宿岡山線(詳細は不明)を合併して誕生させたのが、岡山と兵庫にまたがる岡山赤穂線(おかやまあこうせん)だ。岡山赤穂線は1983年(昭和58)3月25日に記録があり、これが1994年まで岡山県道1号だった。

 そして1994年4月1日に、複数にまたがる都道府県道(主要地方道)は、路線番号と名称を統一する決まりになり、岡山県が兵庫県に合わせる形で岡山赤穂線の路線番号を96号に変更し、1号はそれ以来欠番である。岡山赤穂線は現在も存在し、岡山市中央区の百間川橋交差点(ひゃっけんがわばしこうさてん)から、赤穂市の新田交差点(しんでんこうさてん)までをつないでいる。

【山口県】岩国大竹線
2020年3月にバイパスが開通して総延長は1.6kmプラス

読み方:いわくにおおたけせん
起点所在地:岩国市柱野(いわくにしはしらの)
起点交差点名:
なし(県道15号との交差点)
終点所在地:岩国市小瀬(いわくにしおぜ)
終点交差点:なし(広島県との県境、両国橋上)
森ヶ原バイパス
 起点所在地:岩国市御庄(いわくにしみしょう)
 起点交差点名:なし(県道12号との交差点)
 終点所在地:岩国市御庄
 終点交差点名:なし(岩国大竹線の本線と合流する交差点)
支線
 起点所在地:岩国市多田(いわくにしただ)
 起点交差点名:
なし(御庄大橋東詰の交差点)
 終点所在地:岩国市多田
 終点交差点名:岩国IC入口(国道2号との交差点、E2山陽道岩国IC入口)
延長(山口県内):11.7km
総延長(山口・広島):14.0km

 都道府県道の番号順では広島県の方が先だが、岩国大竹線の起点である山口県から紹介する。同路線は、山口県岩国市柱野(いわくにしはしらの)と、広島県大竹市小方町小方(おおたけしおがたちょうおがた)をつないでおり、総延長は14.0km。山口県内区間は11.7kmだ。

 岩国大竹線は起点からしばらくは北西に向かい、その途中で山口県の南東部を流れて瀬戸内海に注ぐ御庄川(みしょうがわ)に沿って走るようになる。途中で道路と御庄川も北東に方向転換して御庄川が錦川(にしきがわ)に注いだあとは錦川沿いに沿って北東へ。山間部をトンネルで抜け、その先が山口と広島の県境を流れる小瀬川(おぜがわ)だ。同河川に架かる両国橋(りょうごくばし、岩国市多田)の中央部分までが、山口県区間である。

 岩国大竹線の山口県区間における直近の大きなトピックといえば、1.7km弱の延長を有する「森ヶ原バイパス」が2020年3月22日に開通したことだろう。同バイパスは、岩国大竹線の起点近くの東側に設けられ、南端(起点)で県道112号藤生停車場錦帯橋線(ふじゅうていしゃじょうきんたいきょうせん)、通称平田バイパスと接続している。森ヶ原バイパスはE2山陽道・岩国ICや、山陽新幹線・新岩国駅、岩国錦帯橋空港などへのアクセス強化と、市街地の渋滞緩和を目的として建設された。開通により、産業・観光の振興や、地域間の交流・連携の促進、地域住民の利便性向上が期待されている。

【広島県】岩国大竹線
両脇を山々に囲まれた小瀬川沿いの景観に優れた
路線

読み方:いわくにおおたけせん
起点所在地:
大竹市木野(おおたけしこの)
起点交差点名:
なし(山口県との県境、両国橋上)
終点所在地:大竹市小方町小方(おおたけしおがたちょうおがた)
終点交差点:油見トンネル西口(ゆうみとんねるにしぐち)
延長(広島県内):2.3km
総延長(山口・広島):14.0km

 山口と広島の両県にまたがる岩国大竹線。広島県内の区間は2.3kmで、全国の都道府県道1号の中で総延長の短い順では第4位となる。起点は、大竹市木野の両国橋。県境である小瀬川に架かる橋だ。渡ったあとは小瀬川に沿って上流(北東方向)に向かって進み、終点は国道186号と接続する油見トンネル西口交差点(ゆうみとんねるにしぐちこうさてん)である。

 小瀬川は、山口県と広島県に連なる山々の合間を流れている。岩国大竹線の広島県区間は、そんな小瀬川に沿って走り、雄大な景観が目の前に広がる。山々の緑と青空がとても似合うことから、春から秋にかけて、中でも空が特に青い夏場はドライブに持って来いのルートではないだろうか。紅葉もきっと素晴らしいことだろう。

四国地方の県道1号・4路線(2路線欠番)

【徳島県道】徳島引田線
市街地から山間部まで多彩な沿線の景観

読み方:とくしまひけたせん
起点所在地:徳島市庄町(とくしまししょうまち)
起点交差点名:
徳大薬学部前
終点所在地:鳴門市北灘町碁浦碁石谷(なるとしきたなだちょうごのうらごいしだに)
終点交差点:なし(香川県との県境)
延長(徳島県内):26.1km
総延長(徳島・香川):32.1km

 徳島引田線は徳島県徳島市から香川県東かがわ市につながる県道1号で、総延長31.2km。徳島県区間は26.1kmとなっている。起点は、国道318号と接する徳島市庄町(しょうまち)の徳大薬学部前交差点。そこから北へ向かい、香川県との県境までのラスト2.2kmだけは鳴門市を通過する。終点は、鳴門市北灘町碁浦碁石谷(なるとしきたなだちょうごのうらごいしだに)だ。

 道中、E32徳島道・藍住IC(あいずみ)の入口がある板野郡藍住町(いたのぐんあいずみちょう)の交差点(名称不明)から北側、板野郡板野町の県道12号川北街道との交差点(名称不明)までは「あいあいロード」の愛称がつけられている。

 あいあいロードが終わる交差点から西へ2kmほどは、県道12号北川街道との重複区間だ。再び単独となって鳴門市へ向かって北上すると、市街地から田園地帯の広がる景観となり、さらには山間部へと入っていく。鳴門市に近づく頃には、山道も本格的となり、すれ違うこともできなさそうな幅員の区間も増え、カーブも右に左に連続するようになる。都道府県道1号の中でも屈指の慎重な運転の求められる山道だ。

 また、県道12号との交差点の少し南側に旧吉野川があり、そこに架かる板野大橋上で徳島引田線は分岐。支線はE11高松道の板野ICへ接続している。

【香川県道】徳島引田線
全国都道府県道1号の中でも1、2を争うつづら折りの山道

読み方:とくしまひけたせん
本線
 起点所在地:東かがわ市坂元(ひがしかがわしさかもと)
 起点交差点名:
なし(徳島県との県境)
 終点所在地:東かがわ市坂元
 終点交差点:大坂峠入口
別線
 起点所在地:東かがわ市引田(ひがしかがわしひけた)
 起点交差点名:なし
 終点所在地:東かがわ市引田
 終点交差点名:なし
延長(香川県内):6.0km
総延長(徳島・香川):32.1km

 徳島県徳島市から香川県東かがわ市までをつなぐ徳島引田線。香川県区間は6.0kmと、全体の5分の1ほどになる。路線名の引田とは、現在は東かがわ市内の地域名として残っているが、かつて存在した町の名だ。2003年4月1日に、引田町は白鳥町(しろとりちょう)と大内町(おおちちょう)と合併して東かがわ市が誕生したのである。その東かがわ市で東側の県境に位置していたのが引田町だった。徳島引田線は、徳島市とこの引田町をつなぐ路線だったのだ。

 香川県区間の起点も終点も、同じ東かがわ市坂元(さかもと)だ。坂元はかつては引田町に属していた町だった。起点は県境、終点は国道11号と接続する大坂峠入口交差点(おおさかとうげいりぐちこうさてん)。起点と終点は直線距離なら1.1km強しかないが、道のりに進むと5.1kmにもなる。それだけ道がつづら折りになっているという証しだ。香川県区間は右に左にカーブが連続し、中にはヘアピンカーブのようなRのきついものもあり、その複雑さは徳島区間を上回るといっていいだろう。全国の都道府県道1号の中でも1、2を争う山道だ。

 また香川県区間には、この山道とは接続していない別線がある。E11高松道の引田ICの東側にあり、片側1車線ずつの直線路だ。この通りは、両端が交差点ではないところで突然市道に変わっており、ほかの県道や国道とは一切つながっていない。今後整備を行って県道1号へと格上げする計画なのかもしれないが、2019~2028年度に予定されている香川県の「道路の整備に関するプログラム」には徳島引田線に関する記載はないようだ。香川県にも問い合わせたが、確認はできなかったため、なぜぽつんと存在するのか不明である。

【愛媛県】欠番
かつては存在したが国道494号に昇格して県道1号は欠番に

 かつて愛媛県には県道1号があった。愛媛県上浮穴郡久万高原町(かみうけなぐんくまこうげんちょう)とかつて高知県にあった池川町(いけがわちょう)を結んでいた久万池川線である。愛媛県に確認したところ、残念ながら詳しい話は不明ということだったが、高知県で教えてくれたのが、久万池川線などが1993年に国道494号に昇格したということ。愛媛県道1号および高知県道1号の久万池川線は、国道に昇格したことで欠番となったのである。

【高知県】欠番
1993年、県道1号は+県道24号で国道494号に昇格

 高知県に確認したところ、高知県内にかつて存在した県道1号久万池川線に関する話を聞かせてもらうことができた。愛媛県の項で既述したように、かつて愛媛県上浮穴郡久万高原町(かみうけなぐんくまこうげんちょう)から、高知県内にかつて存在した池川町までをつないでいたのが、久万池川線だ。なお池川町は愛媛県との県境で2005年7月31日まで存在したが、吾川村(あがわむら)と仁淀村(によどむら)と合併。吾川郡仁淀川町となった。現在は、池川大渡という地名に残るほか、学校名や橋などの施設名などに残っている。

 久万池川線に話を戻すと、同路線に、須崎市(すさきし)から佐川町(さかわちょう)までをつないでいた県道24号須崎佐川線を加えて1993年4月1日に誕生したのが、国道494号の高知県内区間である。現在、国道494号は、須崎市内の国道56号との交差点(名称不明)から佐川町を経由して仁淀川町の県境まで続き、その先は愛媛県区間となる。

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