2020年01月17日 12:15 掲載

ライフスタイル 全国の詳しい積雪量や降雪量が分かる気象庁の新サービス「現在の雪」

気象庁は2019年11月から、雪に関する新しい気象情報「現在の雪」の提供を開始した。これまでより幅広いエリアをカバーし、しかも積雪の深さまでわかる優れもの。冬ドライブのルート検討に役立つ気象情報となっている。

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JAFメディアワークス IT Media部 小林 祐史

雪とクルマのイメージ写真

雪とクルマのイメージ写真 © tkyszk - stock.adobe.com

観測地点だけでなく、エリアで降雪量が分かる新サービス

 「現在の雪」とは降雪量と積雪の深さに関する気象情報で、気象庁のホームページ内で提供されている。目新しいことは、広域の気象状況がビジュアルで確認しやすくなったことだ。その特徴は大きく2つある。

 従来は、アメダスなどの観測点による降雪量を数字で表示しているだけだった。いわば"点"の情報で、広域の状況はユーザー側で想像するしかなかった。

 一方「現在の雪」では、降雪エリアがメッシュで表示される。青・黄・赤で降雪量を表している。これによって、視覚的にエリア全体の降雪状況が把握できるようになった。

従来の降雪量情報と「現在の雪」

 従来の雪情報は、観測地点の降雪量の数字が表示されるだけで、数字を読み解かないと状況を把握できなかった。「現在の雪」は、彩られたメッシュによって把握しやすくなっている。これらの情報はホームページで1時間ごとに更新さている。一目で雪の状況がわかるビジュアルだ。出典:気象庁資料

 もう1つの特徴は"積雪の深さ"も表示されることだ。実際の画面は下記のようになっている。青・黄・赤のメッシュで地域の平均的な積雪の深さを表示している。地図上にある数字は、アメダスで実測した積雪の深さ。メッシュ内の地形が山・川・平野などと変化に富んでいれば、「現在の雪」の平均値とアメダスの実測値にズレが生じることもある。

「現在の雪」の画面

気象庁ホームページ内にある「現在の雪」で積雪の深さを表示した画面。 出典:気象庁

積雪量を推定する仕組み

 「現在の雪」はアメダスを設置する観測所を増やしたことで、実現できたわけではない。これまでの気象データを研究・解析して導き出した"解析積雪深・解析降雪量"という定式で算出したものを、アメダスの観測データで補正して、推定値として発表しているのだ。

 この方法は、まず気象レーダーで得られた降雪量と、気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する雨量計で得られた降雪量の、2つの情報を解析して、地域の降雪量を推定する。その降雪量に、気温や日照量などといった観測データを加えて、"積雪変質モデル"という定式で積雪の深さを推定する。その定式は、新たに積もる雪の量や、融ける雪の量、時間経過による積雪の沈み込みなどを算出する式が内包されている。

解析積雪深の作成方法

解析積雪深の作成方法の概念図。出典:気象庁

積雪変質モデルの概要

積雪変質モデルの概要。出典:気象庁

 このような定式によって約1km四方の平均的な"積雪の深さ"が算出される。それをアメダスの積雪計による観測値で補正したものが、現在の雪で表示される約5km四方(1メッシュ)の平均値として発表されるという流れだ。

 もう1つの解析降雪量は、解析積雪深が1時間ごとに算出している深さの変化を発表している。例えば1時間で積雪の深さが8cm増えていたとなれば、1時間で積もった新しい雪=降雪量が8cmとなる。逆に気温上昇などで古い雪が融けた場合は、降雪量0cmと表示される。

積雪の深さと降雪量の違い

積雪の深さと降雪量の違いは、過去も合算している、しないの違い。出典:政府広報オンライン

 このような情報解析技術の進化によって「現在の雪」の提供が可能となっている。しかし定式による推定なので、強風で降雪が流されているときや、地上の気温が13度だと雨雪の判別が難しくなるため、精度が低下する可能性も残っているという。

 また推定される約5km四方の平均値であるので気象庁では、おおまかな分布状況を把握するといった利用方法を呼び掛けている。

 具体的な利用方法としては「現在の雪」と通常の天気予報をあわせて、雪による障害を低減したルート選択や外出スケジュールを検討することになる。冬のドライブに出発する前に、この方法を実行してみてはいかがだろうか。

気象庁「現在の雪」

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