ライフスタイル 「トップガン」「フットルース」「フラッシュダンス」etc… 80年代を盛り上げた映画サントラの世界!

 大ヒット映画「トップガン」30年越しの続編となる「トップガン:マーヴェリック(原題:Top Gun: Maverick)」のアメリカ版予告編がWeb上で公開され、7月24日現在で早くも2000万再生に迫る勢いとなるなど大きな話題を呼んでいる。「トップガン」といえば、切っても切れない関係にあるのが音楽。MTV全盛だった80年代には、映画とセットで大ヒットを飛ばしたサウンドトラックが多数存在した。

2019年07月24日 09:00 掲載

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JAFメディアワークス IT Media部 大坂 晃典

「トップガン オリジナル・サウンドトラック」品番:SICP5941、レーベル:ソニー・ミュージックレーベルズ、税抜価格:1,000円

大ヒットした「トップガン」のサウンドトラック

 アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校の頂点に立つ主人公の活躍を描いた映画「トップガン」(1986年)。世界的に大ヒットし、主演のトム・クルーズはこの1本で一躍人気俳優となった。緊迫感あふれる戦闘機の飛行シーンとともに、見る者にインパクトを残したのが映像とリンクした数々の楽曲。映画の名シーンを思い出すだけで、挿入歌やサビのフレーズが頭を駆け巡る。

 サウンドトラックに収録された楽曲が絶妙なタイミングで流れる「トップガン」は、ミュージックビデオ感覚でも楽しめる映画だ。劇中で流れる楽曲を収録したサウンドトラックは大ヒット。ビルボードアルバムチャート1位、日本ではオリコン洋楽アルバムチャートで1986年12月22日付から11週連続1位を獲得した。さらに、ベルリンが歌う挿入歌「愛は吐息のように(Take My Breath Away)」もシングルチャート1位を記録し、アカデミー賞とゴールデングローブ賞においてアカデミー歌曲賞およびゴールデングローブ賞・主題歌賞を獲得した。

 レンタルビデオさえ、さほど普及していなかった80年代中期。映画の感動を少しでも身近に楽しむために、サウンドトラックアルバムを持っていたという人も多いのではないだろうか。

MTVブームに乗った80年代サントラの世界

 映画のサウンドトラックとは、本来はフィルム等の音声を収録した部分を指す言葉だが、これが転じて、劇中のBGMや挿入歌を収録したアルバム等もそう呼ばれるようになった。さらに、映画の音源から直接収録するのではなく、挿入歌を集めたコンピレーションアルバムもサントラと呼ばれるようになり、アーティストの新曲満載の「歌モノ」アルバムとして、映画とともに注目されるようになった。

 そんな中、1983年に大ヒットしたのが「フラッシュダンス」。ちなみに、この映画の製作も「トップガン」と同じドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーの2人だった。ダンサーを夢見る女性を主人公にした「フラッシュダンス」は、ストーリーよりも曲ありきのミュージックビデオ的な演出を軸に展開する。公開当初は「中身がない」など、批判的な評価を受けたが、アメリカ国内で年間チャート第3位という驚異的なヒットを樹立。全世界で1億ドル以上の興行成績を残す大ヒット作品となった。

 この成功に大きく影響しているのが、ミュージックビデオを24時間放送する「MTV(Music Television)」の登場だ。1981年に「MTV」が放送開始されると、音楽は「聴く」だけのものではなくなり、映像と併せて「観る」楽しみが加わった。当時のアーティストは、新曲が出るたびに競い合うようにプロモーションビデオを制作したが「フラッシュダンス」は、そんなムーブメントを見事にとらえた映画だった。

 以降、劇中歌だけで構成された「歌モノ」サウンドトラックが大ブレイク。「フラッシュダンス」の成功から、ミュージックビデオ感覚の映像をベースにした映画が、サウンドトラックとともにヒットする作品が続いた。

 「フラッシュダンス」公開の翌年には、都会から片田舎に転校した高校生を主人公とした「フットルース」が大ヒット。ケニー・ロギンスが歌う主題歌は、瞬く間にヒットチャートを駆け上がり全米1位を獲得。この大ヒットを機に「トップガン」の主題歌にもケニー・ロギンスが抜擢され、映画のヒットとともに大成功を収めたのは周知のとおりだ。

 日本でも「フットルース」は大ヒット。サウンドトラックは先行発売され、曲がヒットした後に満を持しての劇場公開となった。「フットルース」のサウンドトラックは、日本のオリコン洋楽アルバムチャートで1984年5月7日付から通算18週1位を獲得している。

「フットルース オリジナル・サウンドトラック」品番:SICP5942、レーベル:ソニー・ミュージックレーベルズ、税抜価格:1,000円

 このように80年代は「歌モノ」サウンドトラックとともに、楽曲が売りとなる映画が多数公開され一大ムーブメントとなった。ここからは、そんな中でもちょっと変わり種の作品を2つほど紹介していきたい。

最新楽曲で彩られた1927年のSF映画「メトロポリス」

 「フラッシュダンス」のサウンドトラックを制作し、大成功を収めた音楽プロデューサーのジョルジオ・モロダーは、1927年に公開されたSFサイレント映画「メトロポリス」の熱狂的なファンだった。多くの映画サウンドトラックで名声を得た彼は「メトロポリス」の全世界での上映権を獲得。愛する作品を自分の手で生まれ変わらせようと、自ら作曲したサウンドトラックを加えた上でフィルムを復元。一部をカラー化するなどして、ミュージックビデオ的要素が満載の約90分の作品に仕上げた。

 モロダー版の「メトロポリス」のサウンドトラックには、クイーンのフレディ・マーキュリーがソロで参加している。そのつながりもあってか、クイーンのヒット曲「レディオ・ガガ」のプロモーションビデオには、ジョルジオ・モロダー版の「メトロポリス」の映像が使われている。

主題歌はスタローンの弟!「ステイン・アライブ」

 このムーブメントに便乗した意外な人物が、シルベスター・スタローンである。ダンス映画の傑作「サタデーナイト・フィーバー」の続編となる「ステイン・アライブ」の製作・監督・脚本を一手に引き受けた彼は、音楽監修の名の元に弟のフランク・スタローンに主題歌を歌わせて大ヒットさせてしまったのだ。

 80年代のスタローンといえば「ランボー」「ロッキー」など自身を代表するヒットシリーズを抱えていた時期だが、自身の主演作品以外でもメガホンを取り、弟をヒットチャートに送り込むという、とてつもないバイタリティーには驚くしかない。

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