ライフスタイル 空気と触れたら発電開始。非常用電池「エイターナス」がすごすぎる【オフィス防災EXPO 2019】

いつ起こるか分からない災害に備え、非常用持ち出し袋などの防災用品を備えている人は多いのではないだろうか。では電源はどうだろう? 食料や飲料と同じく、今やスマホなどを充電するために電源を確保することも大切な備えの一つだといえよう。本記事では、そんな時に役立つ簡単に発電できる災害・非常用発電池を紹介しよう。

2019年06月04日 01:57 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

必要なのは空気だけ!空気発電池「AETERNUS(エイターナス)」とは?

AETERNUS|エイターナス|災害・非常用初電池|

オフィス防災EXPOで展示されていた「AETERNUS(エイターナス)」。左が付属インバーター、右が発電池本体。

  ダブルエー・ホールディングスは5月29日~31日の3日間、「第13回オフィス防災EXPO」において、災害・非常用発電池「AETERNUS(エイターナス)」を展示した。

 「エイターナス」は、空気に触れると発電を始める空気亜鉛一次電池。一次電池なので、再充電して使用することはできないが、空気に触れない限り発電しないので自然放電で電気容量が減る心配がない。また、電気容量に対する重量がアルカリ乾電池と比べると約半分ほどであるという(※)。この発電池の重量は2.5kgでスマホ54台をフル充電できる。もし、アルカリ乾電池約4本(1本約24g・計96g)でスマホ1台をフル充電できるとすると、スマホ54台をフル充電するために必要なアルカリ乾電池の重量は、96×54=約5kgとなる。

 また、リチウムイオン電池のように発火や爆発の危険がないこと。一般的な発電機のように燃料を使用しないため引火や一酸化炭素中毒の危険性がないことがメリットである。

 ※使用する条件(電流量・温度など)によって変動する。

AETERNUS|エイターナス|災害・非常用初電池|付属インバーター

付属インバーターにはコンセント2口、USBポート2口が装備されている。

AETERNUS|エイターナス|空気発電池|仕組み

従来電池の構造と空気発電池の構造。空気発電池では、空気中の酸素が陰極の役割を果たす。

 その仕組みは上図のようになる。従来の電池は、陽・陰極ともに電極と電解液が必要だった。エイターナスでは、空気中の酸素が陰極として動作するため電池のセル内に陰極を設置する必要がないため小型・軽量化が可能。また、従来の電池に必要だった鉛などを含まないため、有害物質が漏れ出る心配がない。さらに特定有害物質を含まないので、災害時の個人使用ならば一般廃棄物(燃えないゴミ)として処分できるという。

誰でも簡単に発電開始!

 発電には太陽光も水も不要で、密閉された保存袋を開封して空気に触れさせるだけ。約3分でDC12V/540Whを発生させて、付属のインバーターを通じてAC100Vの電源供給が可能となる。その使い方はこうだ。

AETERNUS|エイターナス|使用方法

エイターナスの使用方法イメージ。

 ①保存袋を開封し、本体を取り出す。

 ②接続ケーブルの丸形端子をインバーターのプラス・マイナスそれぞれの端子に接続。

 ③コネクターをエイターナス電池本体のコネクタージャックに差し込む。

 ③インバーターの電源スイッチをオンにして、コンセントに使用したい電気機器を接続する。

 また、この発電池は一度開封したあとも保存袋に戻して密封すれば発電が停まり、残量がある限り繰り返し使用できる。例えば、必要台数のスマホを充電し終わったら保存袋に戻し、また次の日に使用することも可能なのだ(※)。災害時の状況に合わせて使用できるので便利である。

 ※開封後の電池は長期保存はできない。早めの仕様を推奨。

テレビやパソコン、調理器具など100Vならば使用可能

AETERNUS|エイターナス|災害・非常用初電池|使用イメージ

エイターナスの使用可能時間。照明機器を夜だけ(12時間)使用する場合、単純計算で10日程使用可能。※使用条件により電池の消費量は異なる。

 この発電池1つで使用できる時間は、ノートパソコンで約15時間。照明機器で約128時間。液晶テレビ20型で約13.5時間。スマホやタブレットを約54回フル充電することができるそうだ。また、1台のインバーターに最大3個まで発電池を並列接続することができ、最大1500Wh超えの電力を得ることもできるそうだ。電子レンジや炊飯器など、大電流を必要とする電気調理器具を使用して災害時に温かな食事を作ることも可能である。

コンパクトで長期保存可能

AETERNUS|エイターナス|災害・非常用初電池|コネクター部

本体側面のメッシュ部から空気を取り込み発電する。

 発電池は、B5用紙より少し小さいくらい大きさ。辞書や図鑑ほどの厚さなので家庭やオフィスにも保管しやすい。また、未開封で推奨5年(最大10年)長期間保存できる。重量は、発電池本体(2.5kg)とインバーター(1.2kg)を合わせて3.7kg。2Lのペットボトル2本相当なので、電源が必要とされる場所に移動して使用することが可能だ。

 同社によると「避難所などで燃料式の発電機を使用すると一酸化炭素中毒や引火の危険性があるので室内使用が難しかったが、この発電池ならばそんな危険もなく使用ができる。空輸も可能で、北海道胆振東部地震の際に被災地で使用された実績もある」そうだ。

 価格は、発電池本体1台とインバーター1台のセットで87,000円と家庭で導入するには少々ハードルが高いが、会社や自治体などで備蓄するのに良さそうだ。例えば、避難所にこの発電池が1つあったとすると、スマホ54台=54人の連絡手段を確保できるのだ。多くの避難者の助けになるだろう。

 同社は現在、発電池本体にUSB端子を組み込み、インバーターを使用せずにスマホ充電などができる小型の空気発電池を開発中。来春頃の発売を予定しているという。

製品仕様

【AETERNUS(エイターナス)】
価格:65,000円(単価:セット割引あり)
製品種類:空気亜鉛電池(一次電池)パック
定格電圧:DC12V(最大電圧:DC15.0V≦)
容量:40Ah/540Wh(1.2A at 20±2℃,60±10%RH)
※電池を並列接続した場合、電池容量は最大3倍まで増加
最大電流:5A エイターナス1個で使用の場合、1.2A~2Aの機器使用を推奨
用途:AC100V~200V出力(インバータ)他12V自動車用・5V-USB電源も可能
動作温度:-25℃~60℃
製品サイズ:175 (W)×185 (L)×85 (H) mm
製品重量:2.5kg

【付属インバーター】
価格:22,800円(単価:セット割引あり)
製品名:DC/ACインバータ150W(正弦波)
モデル番号:WAP150-12-100
入力電圧:DC12V、動作範囲:DC10~18V
出力電圧:AC100V
出力周波数:50/60Hz(切替スイッチ)
出力波形:純粋正弦波(Pure Sine Wave)
出力効率:90~95%/全負荷時
定格出力:150W
瞬間最大出力:300W
USB出力:DC5V 2A/2-ポート(A-Type)
動作温度:-20~40℃(20~90%RH)
製品サイズ:W118×H63×D172mm
製品重量:1.2kg