ライフスタイル ○○万円オーバーの超本格ドライビングシミュレーター「APEX3 GT」はいかが!?【モータースポーツジャパン2019】

首都圏最大級のモータースポーツ系イベントである「モータースポーツジャパン2019 フェスティバル・イン・お台場」。4月6日(土)・7日(日)にお台場で開催された。富士スピードウェイブースで展示されていたのが、米シムクラフト社製の超本格ドライビングシミュレーター「APEX3 GT」。税込み価格600万円オーバーのその高性能に迫る!

2019年04月24日 01:30 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 日高 保

シムクラフト APEX3 GT|SIMCRAFT APEX3 GT

富士スピードウェイブースに展示され、体験が可能だったシムクラフト製ドライビングシミュレーター「APEX3 GT」。モニターは32インチ液晶だが、40インチまでオプションで変更可能。ステアリングとペダルは、プレイステーション用のステアリングコントローラーとして有名な周辺機器メーカー・スラストマスター製「T500 RS」。シートはフルバケットシート(展示ではレカロ製)。オーディオはサラウンドスピーカー。Windows PCで制御を行っている。

 「グランツーリスモ」に代表される現在のレースゲームは、リアルな挙動の物理エンジンを搭載し、もはやレースゲームの範疇を超え、ドライビングシミュレーターとさえ呼ばれている。そのクオリティは、今ではF1ドライバーなどのトップドライバーたちが新コースに臨む際、コースレイアウトを覚えるために事前に使っているほどだ。また、モータースポーツの裾野を広げる新競技として、"eモータースポーツ"も「グランツーリスモ」で行われている。

 ドライビングシミュレーターのクオリティがアップするにつれて、よりリアルな環境でプレイしたいという要望が強くなり、ペダル類とセットの"ステアリングコントローラー"というレースゲーム専用周辺機器がまず誕生した。さらにそれでは飽き足らず、モニターやステアリングコントローラーなどをセットして、本格的なバケットシートに身を包んで、自宅でレーサー気分を味わいながら走れる筐体まで登場。

 そうした筐体も年々進化を重ねており、今では「グランツーリスモ」などと連動させることで、コックピット自体が3次元的にリアルな挙動を見せるスタイルにまで進化している。米ジョージア州に本拠を置くシムクラフト社は、そんな超本格的な筐体のひとつである「APEX」シリーズを開発しているメーカーだ。

 「APEX3 GT」は、シートやステアリングコントローラー、ペダル類、モニターなどがまるごとロールゲージのように組まれたフレームに取り付けられている。そのコックピットゲージが3次元的にリアルに動くのだ。

 同社の正規輸入代理店であるトゥウェイは、シリーズのひとつである「APEX3 GT」を、モータースポーツジャパン2019の富士スピードウェイブースで出展。プレイステーション3用の「グランツーリスモ6」に専用プログラムで対応しており、同ゲームを用いて富士スピードウェイのバーチャル走行体験会が実施されていた。

米シムクラフト社が公開している、「APEX3」シリーズの公式動画。再生時間33秒。コースがオーバルコースのため、あまり激しい挙動は見せないが、コースの傾斜に合わせてコックピットゲージが傾くところなどが見て取れる。さらに、ほかの角度からも撮影した公式動画(再生時間8分55秒)は記事最後に掲載した。

XYZの3軸制御でレーシングカーの激しい挙動を体感できる!

 加減速による車体前後の浮き沈み、コーナリング時の車体のロールなどを「グランツーリスモ6」はすべてをシミュレーションしている。そして「APEX3 GT」は専用のプログラムを介して、その動きをアクチュエーターに伝えてコックピットゲージの動きを再現。「APEX3 GT」は「グランツーリスモ6」の指示する通りにロール(※1)、ピッチ(※2)、ヨー(※3)を再現することで、画面と連動したリアルな挙動となるのである。

※1 ロール:クルマの前後方向を軸にして回転・傾斜する動きのこと。左右どちらかの側が沈み込んだり浮き上がったりする状態で、最悪の場合はロールオーバー(横転)となってしまう。
※2 ピッチ:クルマの左右方向を軸として回転すること。例えばフルブレーキングすると、クルマのフロント側が沈み込んでリア側が浮き上がるが、その前後が相反する形で上下動する動き。
※3 ヨー:クルマの上下方向を軸として、路面に対して水平に回転すること。コーナーでフロントがインに入りすぎ、リアがアウトに外に膨らむと強いヨーが発生し、スピンしてしまう。

「APEX3 GT」のリアルな挙動を実現するためのアクチュエーター(銀色の棒状の機構)。もうひとつのアクチュエーターは反対の左サイドにある。さすがに加減速時の前後Gやコーナリング時の遠心力など、慣性の法則を再現するのは現代科学では不可能だが、それ以外の挙動はすべて再現している。

 また右の前輪が縁石に乗り上げたような、路面からの入力もきちんと再現される。それも右前側で下から突き上げるようなショックが発生したように再現されるので、プレイヤーは右前輪が縁石に乗り上げたと感じられるのだ。

3画面マルチモニター機能で人の視野に近い迫力ある映像を楽しめる!

 「グランツーリスモ6」自体がマルチモニターに対応しており、「APEX3 GT」はそれを考慮して32~40インチのモニターを3画面並べられる仕様だ。3画面は単に1画面を横に引き伸ばすわけではなく、3画面ならではの映像が描画される。人の視野に近くなり、サイド・バイ・サイドでライバル車と争っているときに横に並んでいるのが見える。迫力がより増すのである。

シートの横方向にまで左右のモニターが回り込んで設置されているため、人の視野に近く、それだけ迫力のある映像を楽しめる。

本体価格626万4000円は安いか高いか!?

 「APEX3 GT」は税込み価格626万4000円。高級車やスポーツカーなどを買えてしまう価格で、おいそれと手を出せるものではない。それだけのお金を使うのなら、実際のクルマを所有した方がいいという人も多いことだろう。現実的には「APEX3 GT」はアミューズメント施設に設置したり、モータースポーツジャパンのようなイベントなどで使用したりする業務用途の製品だ。個人で購入するとしても、プロのレーサーなどだそうである。

 しかしバーチャルとはいえ、ウン千万やウン億円のスーパーカー、さらには過去の名車などを駆って、そのリアルな挙動や迫力を味わうことができることに魅力を感じる人もいるだろう。レースゲーム好きにとっては究極の周辺機器、それが「APEX3 GT」なのだ。

「APEX3」シリーズに加え、「APEX4」シリーズの挙動も収録した動画。再生時間8分55秒。38秒からは足下をとらえたシーンとなり、ブレーキングでフロントが沈み込む様子などもしっかり見て取れる。