ライフスタイル スマートキー搭載車が狙われる!リレーアタックによる自動車盗難の対策法とは。

近年、増加している自動車盗難の手口に「リレーアタック」という方法があることをご存知だろうか? 本来ならばセキュリティの高いスマートキー搭載車をいとも簡単に盗むことができる方法である。今回は、リレーアタックの対策方法を紹介しよう。

2019年04月22日 02:50 掲載

JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

リレーアタック|自動車盗難|対策|スマートキー|

今や高級車だけでなく一般車にも普及したスマートキー。

リレーアタックとは

 「リレーアタック」とは、車のカギを差し込んだり、「リモートキー」のようにカギのスイッチを押すことなくドアの開錠やエンジンの始動ができる「スマートキー」の仕組みを悪用した手口。「スマートキー」は常に微弱な電波を出していて、車はこの電波を受信しているときは車の使用者が近くにいると判断して開錠やエンジン始動を行うのだが、この仕組みを逆手にとる盗難方法である。

リレーアタック|自動車盗難|対策|イメージ図

リレーアタックの犯行イメージ図。自宅と駐車場が離れていても、電波が増幅されて届いてしまう。

 具体的には上図のように行われる。たとえば、家の中にスマートキーが置かれていた場合、犯人Aはスマートキーの微弱な電波が受信できるまで家に近づき、そこで特殊な装置を使用して電波を受信し増幅して再び送信する。次に、犯人Bがその電波を受信してさらに中継。犯人Bは、対象の車まで電波を再送信するために複数の場合もある。最後に、車の近くにいる犯人Cがカギを開錠、そのまま車のエンジンをかけて盗むのである。たとえスマートキーが家の中に置いてあっても、漏れ出ている電波をリレーアタックの装置でキャッチされると、車のカギを開錠されてしまう。

 以前は、この特殊な装置の性能が低かったため、玄関にカギを置かなければ大丈夫だと言われていた。しかし、現在は装置の発達により、より家の奥に置いてあっても受信できるのだという。

 この方法の怖いところは、外出先でも被害に遭う可能性があること。例えば、犯人グループがお店の駐車場にいたとしよう。目当ての車が入ってくるのを確認。オーナーが車を降りて歩く後ろを、犯人がリレーアタックの装置を持って一緒に店に入る。スマートキーの電波を増幅・中継し、外にいる仲間が車を盗むという具合だ。

リレーアタックの対策法

 リレーアタックを防ぐには、どのような対策をとれば良いのだろう。愛知県警は、以下のような対策をとるように呼びかけている。
 
 1.スマートキーの電波を遮断する

 スマートキーから出ている電波を犯行グループに受信させないようにすることが効果的である。

リレーアタック|自動車盗難|対策|スチール缶

スチール缶にスマートキーを入れて保管する。もちろんフタはしっかりと閉めておく。

 上写真のように、スチールやアルミホイル等の容器に入れて保管するとスマートキーの電波が減衰する。自宅にカギを保管している人は、さらにこの容器を分かりにくい場所に保管することを推奨している。

リレーアタック|自動車盗難|対策|ケース

「HORNETリレーアタック対策ケース RAC-1」スマートキーの電波を遮断する素材が使われている。

 また、外出先などでも同様な効果を得るために、上写真のようなリレーアタック対策が施されたケースを使うのも効果的。一見すると普通の革のケースだが、電波や電磁波を遮断する素材が使われている。帰りがけ、カバンやポケットをまさぐって車のカギを探すような人は、こういうケースを使いうのもいいだろう。

 2.スマートキーの節電モードを使う

 スバルとトヨタの一部には、節電モードを搭載したスマートキーがある。節電モードは、電池の消耗を抑えるための機能だが、電波を出さなくなるので、結果的にリレーアタック対策になる。

  設定方法は以下の通りだ。

  ①施錠ボタンを押しながら、開錠ボタンを2回押す。
  ②スマートキーのパイロットランプが4回点滅する。
  ③節電モードを解除するには、いずれかのボタンを1回押す。

 3.ハンドルロック、タイヤロック

 これはリレーアタックに限った方法ではないが、ハンドルやタイヤを物理的にロックすることで盗難防止になる。また、視覚的なアピールにもなり犯人が嫌がるので抑止効果があるという。

リレーアタックの被害

 自動車盗難のうち、何件がリレーアタックによる被害なのかは分かっていない。リレーアタックによる盗難では、車や盗難現場に痕跡が残りにくいからだ。しかし、統計を見るとリレーアタックで盗まれている車が多いことを推測することができる。

リレーアタック|自動車盗難|対策|自動車盗難認知件数の推移

自動車盗難認知件数の推移。自動車本体の盗難のみの統計で、部品盗難、車上荒らしは含まれていない。出典:自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム資料。

 上グラフを見てみよう。2018年の自動車盗難認知件数は8628件。そのうちキーを抜いていながら盗難に遭った件数は6436件と約75%であることがわかる。つまり自動車盗難の多くは、施錠されている車を何らかの方法で開錠して盗んでいるのだ。どんな車種が盗まれやすいのだろう。

リレーアタック|自動車盗難|対策|盗難されやすい車種

未遂等を含まないため、犯罪統計における自動車盗難認知件数と異なる。出典:警察庁資料

 2018年の自動車盗難データから、盗難台数が多い5車種の盗難台数をまとめた上表を見てみよう。最も盗難台数が多いのは「プリウス」で912台が盗難の被害に遭っていることがわかる。2003年以降に発売されたプリウスは、スマートキーを全車標準装備している。また、愛知県警によると、近年は「レクサス」の盗難件数が急増。こちらも現行車種はスマートキーを全車標準装備していることから、これらの多くはリレーアタックで盗まれていると推測できる。

 犯人グループは、海外で高値で売買できる人気車種に狙いを定めて下調べをし、犯行の機会を窺っているという。上表の5車種かつスマートキーを搭載した車のオーナーは、今すぐにでも対策した方がいいだろう。明日は我が身である。

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