南米チリ北部に位置するギャビー鉱山。ここで、超大型ダンプの無人運行システムが今年1月2日から本格稼働を始めた。納入したのは日本の建機メーカーのコマツ。ビル3階の高さに匹敵する世界最大級の超大型ダンプ「930E-4」6台が、昼夜をわかたず、広漠たる鉱山地帯を縦横無尽に走り回る。

チリのギャビー鉱山で稼働する無人の超大型ダンプ「930E-4」
(写真=コマツ)
「Front Runner(フロント・ランナー)」と名付けられたこの無人運行システムは、人が活動するのが危険な場所で建設機械を無人で運用することを目的にコマツが開発したもの。290トンの積載量をほこる超大型ダンプ「930E-4」には、高精度GPS位置情報システムやミリ波レーダー、光ファイバージャイロといった先端技術を組み合わせたユニットが登載されている。一定の初期設定は必要だが、現場の地形が多少変化した程度では人の遠隔操作による修正を必要とせずに、積荷の積みおろしや輸送といった日々の運用を、ほぼ自律的にこなすという。
このような自律的な無人運行システムは、米国で軍事目的による開発が進められているほかはあまり例がなく、実用化もおそらく世界初。チリでシステムの実用試験が始まったのは2004年。本格稼働までに4年の歳月を要した。困難の連続だったことがうかがえる。
今回、チリで本格稼働が始まった無人運行システムは、オーストラリアでの導入も決定している。クルマの自動運転時代に先駆けて、建設機械の現場で無人化が始まった。

