第41回

追い抜いたときこそ、横風に注意!?

JAFMate2018年10月号掲載

編集部:今回は荒天時に高速道路を走っている状況です。高速走行時に横風が強いと、ハンドルを取られて怖い思いをしますね。

問題写真

結果写真

長山先生:そうですね。同じ高速道路でも、写真のように左右が開けた場所では風の影響を強く受けるので、より注意が必要になります。

編集部:左右が開けた場所というと、橋や高架になっている所が多そうですね。

長山先生:おっしゃるとおり橋や高架が多いですけど、左右に山や建物がなく田畑が広がるような平地も風を遮るものがないので、強風が発生しやすくなります。風が強い場所には、今回のような吹き流しがあったり、「横風注意」の注意看板や警戒標識が設置されていることが多いので、それらを見たら要注意です。

編集部:なるほど。吹き流しや標識って、ふだんあまり意識していませんけど重要ですね。

長山先生:そうです。今回、問題の場面で左前方に「吹き流し」が提示されていますが、それが真横になびいていることから、かなりの風が左から吹き付けている危険状態であると考えられます。次の瞬間に起こり得る危険を予知しなければならないポイントとしては、まず吹き流しの状態から見て、左から強風が吹いていることを知ることです。さらに横風に弱いトラックが左前を走っているので、その動きに注意することでしょう。

編集部:トラックはやはり横風に弱いのですか? 重いぶん、あまり流されないような気もしますけど。

長山先生:同じトラックでも、今回のようなパネルトラックは車高が高く、風が当たる面積も広くなるので横風の影響を強く受けます。同じ形状の車で比較すれば、車重があったほうがより横風などの外乱に影響を受けづらいと思いますが、やはり風が当たる面積の違いが大きく影響するでしょうね。

編集部:そういえば、以前、強風時の高速道路を大型のワンボックス車で運転したことがありましたが、それまで経験したことがないほどハンドルを取られて肝を冷やしました。車高の高いワンボックス車やミニバンも要注意ですね。

長山先生:そうですね。今回は横風にあおられたトラックによる危険でしたが、強風時にトラックを追い抜いたときの危険も考えておく必要があります。以前、トラックを追い抜いた瞬間に強い横風の影響を受けたことがありました。

編集部:トラックを追い抜いた瞬間だと、トンネルを出たときと同じような感じですね。トラックを抜いている間はトラックの車体で風の影響を受けませんから。

長山先生:それもありますが、トラックを追い越す前は風の影響をまったく感じなかったのです。それでつい安心して追い抜いたところ、瞬間的に飛ばされそうになったものでした。強風はずーっと恒常的に吹くのでなく、瞬間的に強い風になることがあるので注意が必要です。

編集部:なるほど。ずっと強風が吹いていれば、それなりに心の準備ができますけど、風が強いことをまったく意識していないと、不意打ちを食らって慌てますね。

長山泰久(大阪大学名誉教授)

大阪大学名誉教授長山泰久1960年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、旧西ドイツ・ハイデルブルグ大学に留学。追手門学院大学、大阪大学人間科学部教授を歴任。専門は交通心理学。91年より『JAFMATE』危険予知ページの監修を務める。

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